【記録】自分の加害に気づいた2021年/差別とハラスメントをしていたのは自分

 2019年秋頃に目にした劇団地点と元劇団員A氏との係争をきっかけに、差別とハラスメントについて細々と情報収集をしてきました。その過程でまず、女性であるがゆえの自分の被害に気づき、2021年に入ってようやく自分の加害に目が向きました。被害を知った時よりもショックは大きく、2021年の年末ごろに床に突っ伏して、文字通り嗚咽するはめになりました(恥ずかし)。

 2021年8月頃から大事だと思ったツイート等を記録してきて、公開しないまま放置していたのですが、2023年12月にまとめ直して公開しました。2022年、2023年の私の発言も少しだけ転載していますが、公開の日付は2021年12月31日にしています。⇒2021年のまとめ

■「議論」という言葉の印象を一新してくれたトークセッション(ZOOM)

 
・【シリーズ・持続可能な舞台芸術の環境をつくる】 今日から役立つ国際共同の現場コミュニケーション術
https://tokyo-festival.jp/2020/movie/5315/

登壇者(敬称略):田中沙季(リサーチャー、Port B制作)、中野三希子(SPAC-静岡県舞台芸術センター制作)、和田華子(俳優)
モデレーター:相磯展子、田村かのこ(Art Translators Collective)

・世界を結び直すための言葉とコミュニケーション。アート・トランスレーター田村かのこ氏インタビュー。
https://note-infomart.jp/n/naa5275fe72eb

2021年↓

2022年↓

2023年↓

■開く格差/気づかずにすむのはマジョリティ

 
・2021.05.05「気づいていますか? 現在の格差が「世界恐慌なみ」だということに」
https://gendai.media/articles/-/82764
【特別鼎談】宮台真司×白井聡×斎藤幸平

・ケイン樹里安氏:マジョリティとは「気にせずにすむ人々」ーー #ふれる社会学 のイベントから
https://note.com/julinote/n/n1e83b80755cc

■ルッキズム/いきなり外見に言及するな

 

■ユニフォームの男女不平等/女性の容姿の性的搾取

 

■田嶋陽子さんへの謝罪

 
・「85 年間、ひとり自由に好きな場所で生きる幸せを実践してきた、元祖ジェンダー問題の母、ともいえる田嶋陽子先生」

 しのぶ:田嶋さんが出演するテレビ番組を見る度に「すぐ怒るおばはん」キャラとして扱われていました。それを承知でエスカレートしていく姿に嫌悪感を抱いていたのですが、私が浅はかで、無知だったせいで、誤解していました。今になって彼女が築いてきたことの重要さ、貴重さに気づきました。道化になることも、中傷の対象になることも受け入れて、それを逆手に取って露出してきてくださっていたことに、頭が下がる思いですし、お詫びを申し上げたい気持ちです。

■「ケア」という概念

 
・長島確さんのトークで「解釈労働」という言葉を知った。デヴィッド・グレーバー著「官僚制のユートピア」より。
https://www.toyohashi-at.jp/event/workshop.php?id=440
・女性差別と解釈労働 / デヴィッド・グレーバー著 「官僚制のユートピア」より
https://note.com/marotaku/n/n2a8fc0f8c325

・書籍「ケアするのは誰か」
https://hakutakusha.co.jp/book/9784768479827/
 ジョアン・C. トロント (著) 岡野八代 (訳・著)

■ジャシンダ・アーダーン首相の「ケア」の実践

 

■オードリー・タン氏「一人も置き去りにしない社会改革を実現する」

 
・オードリー・タン「デジタルとAIの未来を語る」
https://presidentstore.jp/category/BOOKS/002399.html
 第4章:ソーシャル・イノベーション~一人も置き去りにしない社会改革を実現する
 「誰か少数のためを思って設計されたものが、想定していなかった人たちを助けることがある」
 「私は完全に社会の知恵に頼り切っています。市民の知恵こそが最も大切なのです」

■ドイツ「世界演劇祭2023」/相馬千秋&岩城京子

 
・「相馬千秋&岩城京子(芸術公社)が世界演劇祭2023 ディレクターに就任!」
http://artscommons.asia/news/1246
 しのぶ:彼女たちのステートメントに「ケア」という言葉があって、ちょっと勉強中です。40代のアジア人女性2人が選ばれたことに時代の変化を感じます。喜ばしいことです。

■その残虐描写は必要か/俳優、スタッフは守られているか

 

 しのぶ:metoo運動、BlackLivesMatter運動等のおかげで、被害者・加害者家族やその周囲の人々の痛み、苦しみを想像する機会・時間が増えた。出来事の波及範囲・年数もより広く長くとらえられるようになった(私はそれらを怠っていた)。被害者の心身に刻まれたものは謝罪や賠償があったとしても、消え去るわけじゃない。

 しのぶ:芸術の創作現場についても、一人ひとりが伸び伸びと仕事ができる環境であって欲しいと願う気持ちが強くなった。感染者数が激減し制限が解除されても、稽古場写真の俳優・スタッフはマスク着用。胸が詰まる。こんな状態はおかしい。安全な労働環境を求める声をもっとあげていいと思う。もちろん舞台関係者に限らず。

■個人より家族、チーム、クラス、劇団、社会、国…を優先する間違い

 

 しのぶ:学生時代に舞台創作をした際、個人よりも作品が重要視されることが多々あった。面白い作品を見せるために、私自身の欲を満たすために、自分や仲間の心身を犠牲にし、その犠牲は尊いものだと思い込むようにしていた。でもほとんどはただの甘えだし、差別、搾取、暴力、虐待だった。「芸術には犠牲がつきもの」という考え自体が間違っていた。
 それに気づかされたのは遠見才希子さんの記事だった。
https://twitter.com/emmi__chan

■被害と被害者を無視することの暴力性/「いじめ」

 

 しのぶ:被害者の存在を捨象することの暴力性。軽々しく、ほとんど無意識で。「自分には関係ない」と自分を免罪する。その凶悪さにようやく気付いた。“愛情の反対は無関心”という言い回しでは全く足りない。わかっているのに無視、放置することは殺人に近い。
 小山田圭吾氏とその周辺の件は他人事ではなく、私自身のこととして突きつけられている。
 無視することや、あったことをなかったこととして扱う(忘れたふりする)ことは相手の存在を消すこと、すなわち殺すことと同じだと思いいたりました。たとえば教室の中で自分の目の前で行われているいじめ(恫喝、暴行、虐待など/人権侵害と暴力)を見て見ぬふりをすることも同じです。

・いじめと呼ぶな暴力と呼べ(澁谷知美 東京経済大准教授(社会学))
https://webronza.asahi.com/national/articles/2012072400006.html

しのぶ:小学校3年生の時に同じクラスだった男の子が、担任の女性教師にあだ名をつけられた。それが嫌だったと作文に書いたら、担任が教室でその作文を読み上げ、つるし上げた。彼が机に顔をつっぷして泣く姿、意気揚々として彼を責める私を含むクラスメート、うっぷんを晴らして至極満足げな先生の顔。今もはっきりと思い出せる。
 本当にごめんなさい。私の謝罪なんて意味はないし、もう届かないけど。大前君の痛み、苦しみ、怒り、悔しさ、悲しさを今、想像して、自分で味わっています。本当に辛かったんだね。私は取り返しのつかない加害の過去を背負って生きていきます。

■安積遊歩氏「優生思想とは」

 
・安積遊歩氏「優生思想とは、「何でも一人でできなければならない」という考えのこと。終わらせるためには、社会の一人ひとりが助けを求められるようになればよい。人はみな無力の状態で生まれ、人の助けを求めて育っていくのだから、その関係性こそを大切にすべきだ。植松だけが問題なのではなく、社会全体が何に侵されているのかを見つめよう。

■奥田知志氏からDaiGo氏への問いかけ

 
・抱樸(奥田知志)「DaiGo氏の差別発言に関する見解と経緯、そして対応について」
 

 しのぶ:学びとは、「自分を一旦切開して自分の闇を見つめ」て、「自分のしてしまったこと、あり方を一旦否定することから始まる」。「一旦ひとりになり」「傷つけた人々の痛みを全身で感じて」みることであるというご見識に共感します。

■Angama_Marketさんが小学生のころの話