【提案/ハラスメント33】大内彩加氏が谷賢一氏を提訴【演劇界のmetoo運動(9)】

 【ハラスメント】カテゴリーの33番目です(⇒前回の投稿)。2021年末のまとめ投稿の下の方に、【ハラスメント】投稿の過去リンクを羅列してあります。

 【演劇界のmetoo運動】(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)の9番目です。

※閲覧注意です。フラッシュバックが起こることもありますので、ご了承の上、お気をつけてご覧ください。
※網羅性はありません。基本的に私自身の備忘録として残しています。

 以下に関連ツイートを転載します。

■情報転載(2022年12月~)

 
 
■大内彩加氏が谷賢一氏を提訴/宮地洸成氏がDULL-COLORED POPを退団

■浜通り舞台芸術祭実行委員会が演劇公演『家を壊すー他、短編ー』(会場:Rain theatre)の中止を発表

■関係者のツイート

■しのぶのツイート

■その他

↓2022/12/19加筆

■10歳以上年上の共演者に性行為を強制された/相談窓口が必要
https://twitter.com/SWAKASA/status/1604669463676456960

↓以下の2つのツイートは2022/12/21加筆

■NPO法人富岡町3.11を語る会が主催する「富岡演劇祭」について

↓2022/12/20加筆

■永方佑樹氏「ハラスメントや性被害により、深く心身が傷ついた被害者が縮こまって日々を送らざるを得ない中、加害者が変わらず活躍してゆき、その様子や名前を目にするというのは、世間の無知が及ぼす重大な二次暴力です」

■観客「素直に舞台だけを観させておくれよ」

■前川知大氏(イキウメ)「周囲がそれを指摘し、本人はそれを認める、という当たり前のようなことが機能するようにならないと」

↓2022/12/22加筆

■谷賢一さん新作、福島全公演中止 劇団員がセクハラ告発
https://mainichi.jp/articles/20221217/ddn/041/040/009000c

■谷賢一さんの新作公演中止 セクハラ告発受け
https://mainichi.jp/articles/20221216/dde/041/040/015000c

■谷賢一さんからセクハラ「怖くて仕方がなかった」 女性が実名で会見
https://mainichi.jp/articles/20221220/k00/00m/040/202000c

■諫早 独楽劇場

↓2022/12/22加筆

↓2022/12/23加筆

■阿久津京介氏が退団
https://twitter.com/akutsu_acts/status/1605142105231609856

■塚越健一氏が退団
https://twitter.com/ken1_tsuka/status/1605173482735558656

■大原研二氏が退団
https://twitter.com/oken2dry/status/1606285786638188547

■百花亜希氏「祈りとメッセージ」

■ゴーチ・ブラザーズが谷賢一氏とのマネジメント契約終了を発表

■福島AIR事業vol.0「日澤雄介・福島AIR公演」が中止に

↓2022/12/24加筆

■テレビユー福島「「力ずくで性行為された」福島・飯舘村出身の俳優が実名で被害訴え 相手は劇作家の谷賢一氏」
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/tuf/249231

■《証拠LINE》
https://www.news-postseven.com/archives/20221224_1826161.html?DETAIL

↓2022/12/28加筆

■2022年12月22日付いわき民報1面

↓2022/12/29加筆

■大内彩加氏「ハラスメント、性加害で泣き寝入りする人が1人でも減る世の中にしたい。本当に苦しい」

↓2023/01/03加筆

■百花亜希さんのnoteを読んだ臨床心理士EcoG氏の連続ツイート

「訴え出る人達が「加害者には感謝もしている」「人間として良い側面もあった」などと相手に対する感情のひだを語らず、まっすぐ加害者を批判する姿勢を示すのは、それが個人の感情の問題ではなく構造の問題であることを訴えたいからではないだろうか」

↓2023/01/14加筆

↓2023/01/16加筆

■東谷英人氏
・いまだ深い混乱の中にいる
・こうした加害/被害を生み出した環境を許してきた責任は自分にもあります。今回、告発に至った大内さん・宮地くん、そして、これまで関わってくださった中で傷ついている方々、申し訳ございません。

■谷賢一氏、性被害訴えに争う姿勢 - 劇作家、団員の提訴で初弁論
・東京電力福島第1原発事故を題材にした作品で知られる劇作家の谷賢一さん(40)から性被害を受けたとして、主宰劇団所属の大内彩加さん(29)=福島県飯舘村出身=が550万円の損害賠償を求めた訴訟は16日、東京地裁で第1回口頭弁論が開かれ、谷さん側は請求棄却を求め争う姿勢を示した。弁論後、大内さんが取材に応じ「演劇界はハラスメントが多く、少しでもなくしたい」と話した。
 訴状によると、日常的に体に触られたり、卑わいな言葉をかけられたりし、2018年7月には大内さんの自宅で性行為を強要されたと主張している。

■劇作家・谷賢一さんから「性行為を強要された」 実名で性被害告発した俳優を取材「黙っている自分を許せなくなった」 谷さん側は争う姿勢 第一回口頭弁論
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/276873
・原発事故を描いた作品で知られる劇作家から「性行為を強要された」などとして、劇団員の俳優が慰謝料など550万円を求めた裁判の第一回口頭弁論が開かれ、劇作家側は争う姿勢を示しました。

↓2023/01/19加筆

↓2023/01/26加筆

↓2023/02/08加筆

↓2023/02/15加筆

↓2023/02/16加筆

↓2023/03/13加筆

↓2023/03/16加筆

↓2023年6月14日加筆

↓2023年6月22日加筆

↓2023年7月14日加筆

↓2023年7月22日加筆

・【2023年7月20日】女優・大内彩加さんが語る性被害告発のその後「谷賢一を止めるには裁判しかない」
https://twitter.com/seikeitohoku/status/1681953754889998336
 「私が受けた二次加害は大まかに五つの種類に分けられます」
 「第1は売名のために被害を公表したという非難です。「MeToo商売だ」「配役に目がくらんだ」といったもの」
 「2番目が、第三者の立場を踏み越えた距離感で送られてくるメッセージ」
 「3番目は単なる悪口です。『死ね』とか『図々しい被害者』など様々でした」
 「4番目が『被害のすぐ後に警察に行けばよかったじゃないか』『どうして今さら言うんだ』という被害者がすぐに行動を取らなかったことを非難する、典型的な二次加害です。」
 「最後が、被害者に届くことを考えずにした発言です」
 「加害行為がなければそもそも被害は起こりません。問われるべきは加害者です」」

・【谷賢一】地元紙がもてはやした双葉町移住劇作家の「裏の顔」【性被害】(2023年3月以前の記事)
https://www.seikeitohoku.com/sexual-victimization/

 ↓2023/08/08加筆

↓2023/08/15加筆

↓2023/09/27加筆

↓2023年10月9日加筆

↓2023/10/18加筆

・私は今でも告発時に言葉を尽くして連絡をくれた人、表で怒ってくれた人、発言してくれた人達のことを覚えています。死にたいくらい辛かったし今でも正直辛いんですが、言葉にどれほど力があるか、どれほど助けられたか。「よくあることじゃん」じゃなくて「許せない」の一言がどれほど心強いか。
https://twitter.com/o_saika/status/1714135453568528818

↓2023/11/07加筆

↓2023/11/07加筆

↓2023/12/11加筆

↓2023/12/15加筆

↓2024/02/17加筆

・第8回期日、3月12日(火)に決まりました。これもまた非公開なのですが次の次くらいには話せる事が増えそうです。
私に出来ることは自分の身に起きた事を実直に、正直に話すだけです。
あと記憶力良くて良かった。まあ、忘れられないだけなんですけれども。
https://twitter.com/o_saika/status/1751565778980331886

・これは自分のための言語化と遺書①
https://note.com/saika_0702/n/nec2c3c9e9ea2?sub_rt=share_b&d=stb2FPXHgDNH

↓2024/02/23加筆

↓2024/03/28加筆

↓2024/04/23加筆

↓2024/04/24加筆

↓2024/04/26加筆
 

↓2024/05/19加筆

↓2024/08/01加筆

↓2024/09/01加筆

↓2024/09/24加筆

↓2024/10/10加筆

↓2024/10/29加筆

↓2024/10/30加筆

↓2024/11/01加筆

↓2024/11/08加筆

↓20241119加筆

↓20241128加筆

↓20241129加筆

↓2024年12月29日加筆

↓2025年3月16日加筆

↓2025年4月1日加筆

■東京地方裁判所民事訟廷記録係に行ってきました(2025年3月)

 
私は原告の大内彩加さん、被告の谷賢一さんの双方と面識があり、2人がかかわった公演の関係者でもあります(戯曲執筆時に取材協力をしました)。特に谷さんとのご縁は長きにわたり、彼の活動を私の個人サイト等で取り上げてきました。大内さんがインターネット上で告発をした時、私は自分が関係者であると同時に彼女に対しては、後述するように間接的な加害者でもあると認識し、私なりに個人サイトに記録をすることにしました。それがこのウェブページです。網羅はできていません。

私は昔、裁判にかかわったことがあります。その頃から裁判は最終手段であり、もしせずに済むならなるべくしない方がいいだろうと思ってきました。先日見た映画「落下の解剖学」でもその思いを再確認したところです。でも他に手段がないのであれば仕方ありません。

裁判終了後に公開された原告と被告の文章はこちらです。
大内彩加「裁判終結のお知らせ」
https://note.com/saika_0702/n/n054968e704e0
谷賢一「和解のお知らせ」
https://www.playnote.net/2024/11/27/reconciliation/

上記によると裁判所は、谷さんは劇団主催者という優位な立場にあり、大内さんは劇団員という劣位の立場にあったことを認定しています。谷さんは深夜に大内さんが一人暮らしをする家を訪れ、「真摯な同意」がない状態で大内さんの胸部や臀部を複数回触ったこと(身体接触)を認め、反省の弁を述べています(謝罪はしていません)。性行為の強要については「不法行為責任を追及するのは困難」という内容で、性行為自体についてはあったとも、なかったとも断定されていないようです。裁判所は「時効」も判断材料にしています。

コロナ後遺症から徐々に回復し、ひとりで歩いて電車に乗れるようになったので、東京地方裁判所に電話しました。原告と被告の名前を正確な漢字で伝え、事件番号を教えてもらいました。
東京地方裁判所民事訟廷記録係  閲覧謄写室
電話03-3581-6083
原告:大内彩加 被告:谷賢一

東京地方裁判所では空港のように持ち物チェックがありました。14階の閲覧謄写室で申請書をもらい、事件番号、原告と被告の氏名、私の氏名、住所、携帯電話番号などを記入して提出します。わからないことがあったら窓口で教えてくれます。申請書提出時に身分証明書と認印(シャチハタ可)が必要です。記録書類を受け取る時に150円の収入印紙が必要になります。収入印紙はコンビニで買えますし、東京地方裁判所の地下の郵便局でも売ってます(現金払いのみ)。

裁判の関係者以外は資料の謄写(コピー)ができません。室内での携帯電話の使用は禁止です。使う時は部屋の外に出ます。紙のメモ帳とパソコンは使用可能で、私は紙のノートを持ち込みました。裁判記録は紙を閉じた冊子で計3冊あり、うち1冊は公開禁止だったので、2冊にザっと目を通しました。全文をしっかり読んだわけではありません。1冊は約5cm、もう1冊は約7cmの厚さがありました。

裁判記録では、原告と被告以外の10人以上による陳述書あるいはネット上の発言が証拠として提出されており、知人の顔を思い浮かべながら拝読しました。私が閲覧できたのは裁判の前半部分であり、後半部分は読めていません(ここに書いた「前半」と「後半」は半分ずつの分量という意味ではありません)。

その上での感想になりますが、新たに知った情報に少なからずショックを受けたものの、経過を追っていたせいか、読む前と後とで全体の印象はあまり変わりませんでした。大内さんが負った心身の傷は私の想像などおよばないほど深く、激しい痛みをともなうものだろうと思います。

先述のとおり私は長年、谷さんの活動を支援しており、たとえば大内さんが劇団DULL-COLORED POPに入団するきっかけとなったオーディション情報(2017年)も個人サイトに掲載し、拡散していました。そういったことを考えると、自分が大内さんに対しては間接的な加害者であったと思わざるを得ません。大内さんとは個人的にやりとりする機会があり、私の思いを伝えました。

谷さんに医療へのアクセスを促した証言者が複数人いました。友人としての彼らの切実な声が谷さんに届いていますように。劇団DULL-COLORED POPに限らず、ひとりの人物が作・演出・主宰を兼ねると風通しが悪くなりがちです。陳述書等から劇団運営の難しさと危うさがひしひしと伝わってきました。

ある過去の出来事について裁判が行われると、その出来事にさまざまな角度から光が当てられます。当事者が思ってもみなかった方向から、時には乱暴に、攻撃的に。その光によって浮かび上がるのは、当然ながらその出来事のありのままの姿ではないですから、裁判記録やネット上の情報をもとに、安易に何かしらの確信を持ったりしてはいけないと思います。

ただ今回の裁判も含め、2019年秋から演劇界のハラスメント情報を個人的に追ってきて、やはり揺るがないのは、私の個人サイト「しのぶの演劇レビュー」が安全ではないワークショップやオーディション、あるいは集団の窓口になっていたという事実です。メルマガやSNSでの情報拡散もしていました。私に創作現場等でのハラスメントの有無を知る術はなかったですが、私が安全ではない場の宣伝をしていたことに変わりはありません。私の個人サイトやSNS等を経由して暴力被害等に遭われた方にお詫びいたします。大変申し訳ございませんでした。

高野しのぶ
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