「日本の劇」戯曲賞2016の最優秀賞受賞作『同郷同年』の上演です。演出は宮田慶子さん。
劇作家のくるみざわしんさんは、“劇団「光の領地」を旗揚げし、大阪を中心に活動”とのこと。他にもたくさんの戯曲賞を受賞されています。
≪あらすじ≫ 公式サイトより
「逃げるんじゃない。次に行くんだ。」
同じ郷で同じ年に生まれた「同郷同年」の3人の男。
核廃棄物の最終処分場の誘致に乗り出したが、
是非を問う住民投票で彼らは惨敗。
追い詰められた1人が、ある決断を告げた。
郷土への思いの果てに、彼らを待ち受けているのは
未來への希望か、それとも破滅へのカウントダウンなのか・・・。
≪ここまで≫
核廃棄物の最終処分場の誘致がテーマの男性三人芝居だから、気を引き締めて劇場に行ったんだけど、すごくよくできた90分の会話劇でとっても面白かった!
「反吐が出る」と言っていいぐらいの醜悪さにムカムカするんだけど(笑)、俳優さんに愛嬌があり、宮田慶子さんの演出でコミカルにも見せてくれる。場面ごとの変化にわくわくする。
劇作家のくるみざわしんさんは色んな戯曲賞を受賞されている現役の精神科医(劇場ロビーにいらっしゃいまして、その時に聞きました)。今回の劇作家協会新人戯曲賞の一次審査も通過されている。
ひとつの言葉の意味が意図的に変えられ、何度も利用される様に胸が苦しくなる。今の日本の報道、政治家の発言とぴったり重なった。
ここからネタバレします。
いじめの構造が明らかにされている。死ぬとわかっていても、徹底的にやる。死んだら、見せびらかすようにその「同郷同年」の友の墓の世話をして、自分は地獄行きだと言いながら、のうのうと公金で生活する。まさに反吐が出る。でもそういう人間が生き延びる。
「日本の劇」戯曲賞2016 最優秀賞受賞作
出演:吉見一豊、中野英樹、松田洋治
脚本:くるみざわしん
演出:宮田慶子
美術:土岐研一、照明:中川隆一、音響:長野朋美、衣裳:赤穂美咲、舞台監督:川原清徳、演出助手:寺内淳志、演出部:吉村恵子、前田輝雄、バリアフリーサービス:鯨エマ、宣伝美術:山内珠樹、プログラムデザイン:西英一、プロデューサー:仲村和生 制作:公益社団法人日本劇団協議会 主催:文化庁、公益社団法人日本劇団協議会
【発売日】2017/07/11
一般/前売 3,000円 当日 3,500円
学生/前売・当日とも 2,500円
http://www.gekidankyo.or.jp/performance/2017/2017_02.html
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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