野田秀樹さんが作・演出・出演されるNODA・MAPの新作は、2012年に亡くなった中村勘三郎さんへの“オマージュ”。主演は宮沢りえさん、妻夫木聡さん、古田新太さんです。初日前日の公開ゲネプロを拝見させていただきました。上演時間は約2時間45分(途中休憩15分込み)。
朝日:勘三郎との約束「足跡姫」 野田秀樹「表現者の物語」 東京・池袋で18日から https://t.co/cSxfcVVjwN
— 公益(財)日本伝統文化振興財団 (@japojp) 2017年1月7日
宮沢りえ「どこかで観てくれている勘三郎さんを感じて」本日開幕「足跡姫」 https://t.co/kLzhg40CYj pic.twitter.com/Jq2i8brVZO
— ステージナタリー (@stage_natalie) 2017年1月18日
野田秀樹、宮沢りえら、作り手と演者の舞台愛に胸が熱くなるNODA・MAPの新作『足跡姫』、ゲネプロレポート! https://t.co/iqQFjHdSFS pic.twitter.com/Bqw9GijUxg
— SPICE[舞台情報メディア]/e+ (@spice_stage) 2017年1月18日
【動画】宮沢りえがストリップ? NODA・MAP『足跡姫』~時代錯誤冬幽霊~ ゲネプロ映像! https://t.co/GpMSQOgSEI pic.twitter.com/cDIjuTutpz
— SPICE[舞台情報メディア]/e+ (@spice_stage) 2017年1月18日
NODA MAP『足跡姫』GP。私が知る中で最も心を打つ弔辞を勘三郎丈に送った野田秀樹の、辛い現実が虚構だったらという誰しもが抱く思いと、虚構を現実のように見せたいという舞台人としての思い……。随所で亡き人のことを思い出させられ、涙なしには観られなかった。レポート記事を書く予定。
— 高橋彩子 (@pluiedete) 2017年1月17日
≪あらすじ≫
江戸時代のとある鄙びた芝居小屋。三、四代目出雲阿国座(さんよんだいめ・いずものおくにざ)の看板踊り子、三、四代目出雲阿国(宮沢りえ)と二番手の踊り子ヤワハダ(鈴木杏)たちが妖艶に舞う女カブキは、幕府では御法度。伊達の十役人(中村扇雀)が河原に取り締まりにやってくる度、一座の男たちが女形に化けて、女たちとすり替わって難を逃れてきた。
阿国の弟サルワカ(妻夫木聡)は母恋しさに穴を掘ることに熱中する変わり者で、騒動を起こして座長の万歳三唱太夫(池谷のぶえ)の怒りを買う。ある死体を我が物にしようとする腑分けもの(野田秀樹)と、何やら密かに企んでいる戯けもの(佐藤隆太)とともに、姉弟そろって一座を追い出されるはめに。困り果てた阿国は「サルワカに女カブキの筋(すじ)を書かせてみては」と座長に提案。そこに売れない幽霊小説家(古田新太)が現れ、サルワカのゴーストライターを買って出た。やがてサルワカと幽霊小説家による新作『足跡姫』の幕が開く。
≪ここまで≫
ゆるやかな傾斜の八百屋舞台の上には、桜の木の絵が描かれた大きな幕がかかっているだけ。板の間のステージががらんと広がっています。歌舞伎と同様に下手の黒御簾(下座)で生演奏あり。上手にも格子の空間があるようで、両方とも木で囲まれた塔のように背が高いのが面白いです。客席下手側通路には花道がしつらえられています。
歌舞伎をよくご存じの方は音楽が流れただけで勘三郎さんを思い出してしまうそうです。私は残念ながら歌舞伎の知識がないためわかりませんでしたが、勘三郎さんの舞台は幾度か拝見していますので、最後は涙なしには観られませんでした。まさか、こんなに「赤裸々」な告白を演劇作品として受け取ることになるなんて…。勘三郎さんのことを全く知らなかったとしても、楽しめるお芝居だと思います。
スピーディーなセリフ運びと場面展開、飛んで走って元気いっぱいの集団の身体表現など、ライブの演劇ならではの見せ場がてんこ盛り。ギャグで大いに沸かせつつ、込み入った劇構造で翻弄する、野田作品らしさも健在。私が追い切れていなくて、理解できていないことも多々ありましたが、ダジャレなどの言葉遊びから立ち上がる色とりどりの景色を楽しみました。そして、前作『逆鱗』もそうでしたが、野田さんご自身の思い、いえ、叫びと言っていいほどの熱くて重たいものが、直球で投げ込まれます。真っ直ぐ、堂々とそびえたつ、大きな幹のようなものが、舞台に屹立するようでした。戯曲は雑誌掲載されるそうです(2/2発売)。←2/7発売の間違いでした。失礼いたしました(2017/02/11加筆)。
女カブキの一座の裸踊り(ストリップ)ならぬ「ハダケ踊り」は、肌色の全身タイツという艶めかしい衣装で踊るので、目のやり場に困るレベル(嘘です、穴が空くほどガン見です・笑)。衣装は男性たちのちょんまげのデザインも可愛いかったですね。
出演者の中では宮沢りえさんが素晴らしいと思いました。発語の仕方が明晰で、言葉の一つ一つがつぶさに伝わってきました。
大人数のアンサンブルが登場するようになったのは『パイパー』からでしょうか。『逆鱗』の人魚たちも良かったですが、ざわついていても統制された感覚があり、意図せぬ悪目立ちの状態がなかったです。舞台空間を組織する、集団のコンビネーションのクオリティーが上がっているように思いました。
【NEWS】新潮3月号、いよいよ本日発売開始です!◎髙樹のぶ子「格闘」(新連載)◎野田秀樹「足跡姫」(長篇戯曲)◎創作・諏訪哲史/円城塔/滝口悠生◎対談・瀬戸内寂聴+梯久美子「ふたりの「狂うひと」――島尾敏雄とミホの闘い」◎評論・小野正嗣/川本直ほか、今月も全力編集! pic.twitter.com/bWkOAHVI3A
— 新潮 (@Monthly_Shincho) 2017年2月7日
ここからネタバレします。公演終了後に公開予定。
【宣伝】雑誌「悲劇喜劇」にて河合祥一郎さんと「演劇時評」を担当させていただきます(第一回・2017年5月号・4月7日発売)
こちら↑に書かせていただきました。
「肉体を使う芸術、残ることのない形態の芸術」――。#中村勘三郎 さんや #坂東三津五郎 さんへの思いが響き合う舞台「#足跡姫」に迫ります。#野田秀樹 #NODA・MAP
▶野田秀樹 「足跡姫」にみる勘三郎への思い https://t.co/iRGBFJNZEc pic.twitter.com/TXuGMWFLiC— NIKKEI STYLE (@nikkeistyle) 2017年2月10日
ノダマップ『足跡姫』観劇レビュー。#東京芸術劇場 https://t.co/u2xgpRGCnh
— 東京芸術劇場 (@geigeki_info) 2017年2月12日
【勘三郎さんだ!勘三郎さんがそこにいる!】亡き勘三郎さんからの「贈り物」〜消えることのない足跡と記憶 https://t.co/4DGbQpl72G #現代ビジネス
— 現代ビジネス (@gendai_biz) 2017年4月5日
第21回公演
【出演】宮沢りえ 妻夫木聡 古田新太 佐藤隆太 鈴木杏 池谷のぶえ 中村扇雀 野田秀樹
秋草瑠衣子 秋山遊楽 石川朝日 石川詩織 大石貴也 上村聡 川原田樹 末冨真由 鷹野梨恵子 手代木花野 土肥麻衣子 西田夏奈子 野口卓磨 野村麻衣 花島令 福島梓 本間健太 前原雅樹 松崎浩太郎 的場祐太 モーガン茉愛羅 吉田知生 吉田朋弘
作・演出/野田秀樹
美術/堀尾幸男
照明/服部基
衣裳/ひびのこづえ
作調/田中傳左衛門
サウンドデザイン/原摩利彦
音響/zAk
振付/井手茂太
映像/奥秀太郎
美粧/柘植伊佐夫
舞台監督/瀬﨑将孝
協賛 住友生命
共催 東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
主催・企画・製作 NODA・MAP
【チケット料金】(全席指定・税込)
S席9,800円 A席7,800円 サイドシート5,500円 特設シート9,000円
※特設シートは、1階席に設置したハイチェア(浅い背もたれあり、ひじ掛けなし)です。
本席とは異なりますので予めご了承ください
※未就学児はご入場いただけません。
※A席とサイドシートは客席の都合上、舞台が一部見えづらい可能性がございます。
http://www.nodamap.com/ashiatohime/
http://www.geigeki.jp/performance/theater136/
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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