【ご報告】ひとりで電車に乗って移動できるようになりました(2025年4月1日)

 おかげ様でコロナ後遺症から徐々に回復し、ひとりで電車に乗って移動できるようになりました。拙サイト(このウェブサイト)には全く手を付ける気にならなかったのですが、ようやく向き合えるようになりました。長い文章も書けるようになり、回復を実感しています。

 昨年(2024年)の主な投稿はこちら⇒1月宣伝2月3月4月。5月にX(旧Twitter)に無期限休止の投稿をしました(⇒5月16日)。2024年6月以降の報告など(⇒6月8月11月)もまとめて公開しました。年度末に間に合わず4月1日になってしまいました。

 人生ではじめてと言える長い休息(療養)期間に、多くのことを振り返りました。私は誰か、何かの役に立てるように個人的なことをウェブ上に公開してきました。それは自分に自信がなく、自分のことを好きでもないというのが根底にあり、「役に立った」という実感を支えにして生きてきたのだと思います。でも、もうそれはやめます。自分のためにも、大切な人たちのためにも。

 記録しておきたいと思ったことを以下に羅列します。自分用の備忘録です。

■2025年2~3月のしのぶ

 
 東京地方裁判所の閲覧謄写室に行ってきました(⇒詳細)。

 家庭の事情で4月以降は外出が難しくなるので、3月までにできることを詰め込みました。客席でハラスメントに遭う可能性がありますから、観劇の演目選びは恐る恐るです。舞台を観た感想をネット上に書くことは控えています。二次加害になる可能性もありますし、どうにも気が進まないです。

【観劇】銀プロ『地上最後の冗談』
【観劇】ルサンチカ『楽屋~流れ去るものはやがてなつかしき~』
【観劇】国際演劇協会日本センター(ITI) 『リーディング公演「You Bury Me」』
【観劇】池内美奈子プロデュース『「AFTERPLAY- モスクワにて」ドラマ・リーディング』
【観劇】はえぎわ『幸子というんだほんとはね』
【観劇】文学座『リセット』
【観劇】劇団温泉ドラゴン『痕、婚』
【観劇】summer house『CARNAGE カルナージュ』
【観劇】滋企画『ガラスの動物園』
【演劇配信】劇団印象-indian elephant-『女性映画監督第一号』
【演劇配信】タカハ劇団『他者の国』
【映画】カルチャヴィル「デヴィッド・テナント&クシュ・ジャンボ「マクベス」」
【映画】トランスフォーマー「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」
【映画】キノフィルムズ「教皇選挙」
【映画配信】東風「スープとイデオロギー」
【ドラマ配信】Netflix「アドレセンス」★おすすめ
【ドラマ配信】Netflix「百年の孤独」
【TV】NHK「映画「FLEE」」
【TV】NHK「浦沢直樹の漫勉neo 大友克洋」

■おすすめのテキスト

 
・【理論編】小さな演劇のための制作マニュアル ~ひとりでも、仲間とでも、“もう一度やりたくなる”舞台のつくり方~
https://note.com/blue_sea_moon/n/ne86c3dbc0cf1
 これほどまでの知見が無料で公開されていることに驚くばかり!

・セゾン文化財団ニュースレター「viewpoint最新号(第105号)」
  《特集》マジョリティ/マイノリティ構造を問い直す実践
https://www.saison.or.jp/library/viewpoint-no-105.html

 私はシスジェンダーでヘテロセクシャルの既婚中年女性です。自分がマジョリティになるか、マイノリティになるかは場合によりますが、日本に暮らす日本人である時点でマジョリティと言えます。若いころよりもマジョリティとして認識されることが増えました。マジョリティという属性であることを自覚し、行動で示していきたいです。個人の力は大きいです。

 田村かのこ氏「構造を変えるには、一つ一つの行動を積み重ね、大きな力にしていくしかない。それができるのは、マジョリティという当事者なのだ。」
 橋本ロマンス氏「この怒りが諦めに変わる前に、私は評価の代わりに、変化を望みます。」
 ピンク地底人3号「(略)状況を「知識」として知っているだけではダメなのです。実際に触れ合わないとどうにもならない。だからこそ、あらゆる人にとって開かれた場を作ることが重要なのです。」

■演劇界のハラスメント防止はまだまだ途上で前途多難

 
 昨日、中居正広氏とフジテレビ職員がかかわる性暴力について第三者委員会等の記者会見があり、大きく報道されました。精緻かつ公正な調査と報道が芸能界で広まって、被害者を守り加害者を罰する文化が浸透していって欲しいです。国連から日本には「不処罰の文化」があると指摘されています。恥ずかしく、情けないことです。

 演劇関係者も当然、無関係ではありません。フジテレビは舞台製作もしていますし、テレビドラマに出演したり脚本を書いたりする演劇関係者もいらっしゃいますよね。
 昨年、ある公演でハラスメントの隠ぺいがあったことを知りました。ハラスメント行為者は昔と変わらず今も演劇活動を継続しています。演劇界で権力を持つ方々には危機感を持って、早く行動をしてもらいたいです。

 以下は2024年9月の投稿です。「↓」の先はどんな投稿だったか忘れました。

 ハラスメント防止ガイドラインがあっても、実際は守られていないという事例はあります。こんな状況ですから劇場に行く気が失せてくるのは自然なことです。

 相馬千秋さんがご指摘されていたとおり、フジテレビ取締役相談役を退任した日枝久氏は東京都歴史文化財団の理事長、東京文化会館の館長です。財団に調査を求めようと思います。
https://www.rekibun.or.jp/about/outline/greet/
https://www.t-bunka.jp/about/aisatsu01.html

・文春「《退任へ》「俺が知らない奴は局長にしない」総資産13億、中居正広問題の裏では…日枝久氏(87)が“フジテレビの天皇”になるまで」
https://bunshun.jp/articles/-/77948

■チケット代の高騰

 
 「マダム ヴァイオラ」さんとX(旧Twitter)上でやりとりしました。
※マダム ヴァイオラ「チケット代と観劇の将来」
http://madam-viola.tea-nifty.com/blog/2025/03/post-85594e.html

 私には演劇関係者がまとまって社会運動をする未来が思い浮かびません。イスラエルによるパレスチナ人に対するジェノサイド(民族浄化)に「NO」「やめろ」という声を上げるどころか、イスラエルへのボイコットを呼びかける大勢の人々を無視する公共劇場があるくらいですから。しかも演劇関係者はその公共劇場を何事もなかったかのように使い続けています。

 観客の声を束にする方が早く何かしらの変化を起こせるのではないでしょうか。でも観劇から離れる人が増えるスピードの方が早いかもしれませんね。物価高も止まらないし、ハラスメントが蔓延する業界に貢献する気にもなれないですし。

■日本人の「通俗道徳」と「客分(他人事)」

 
 どうやら江戸時代から明治にかけて、日本人には「質素・勤勉・倹約、清貧こそ美徳」「お上にたてつく奴が悪い」といった通俗道徳が浸透したらしく、被害者無視、不処罰の文化等は、いま始まったことではないようです。‬

■日本人は権威主義国家(中国やロシア)の影響力工作に弱い

 
■日本人は権威主義国家のナラティブに広く説得されることが明らかに
― 民主主義国の主流ナラティブでは十分に対抗できない可能性―
https://www.waseda.jp/inst/research/news/80118

「日本人は自由や人権に基づく民主主義国で主流の考え方よりも、中国やロシアのような権威主義国が影響力工作に使うメッセージに説得されやすいとの調査結果を、早稲田大の小林哲郎教授らのチームがまとめ、比較政治学の学術誌「デモクラタイゼーション」に発表した。」
https://nordot.app/1274995904107872365?c=39550187727945729

■日本人はデモへの忌避感が他国より強い/民主主義の脆弱性につながる

 
・早稲田大学「日本人の「デモ嫌い」が生むプロパガンダへの脆弱性を解明― 超イデオロギー的に受容される親中ナラティブ―」
https://www.waseda.jp/inst/research/news/80233

「デモが嫌いな人々は、海外の民主化運動が権威主義化に対する自発的な抵抗であったという解釈を受け入れない傾向がある」

「そもそも、日本ではデモや社会運動、さらにはその参加者に対して忌避感を抱く傾向が強い」
「日本人はデモや社会運動に対する忌避感が他国よりも強い」

「このことは国内の政治参加を抑制するだけでなく、民主化運動を貶めようとする権威主義国のプロパガンダに対する弱点ともなる」
「「デモ嫌い」が民主主義に対する脅威への脆弱性ともなりえる」

「日本固有の要因として「デモ嫌い」が海外の民主化運動や権威主義体制に対する抵抗に関する理解を歪め、結果として権威主義体制に好意的な態度を形成する土壌となっている」

「権威主義国によるプロパガンダに対抗するためには、デモや社会運動など、投票以外の政治参加の民主的価値を積極的に評価していくことが重要」

■日本人は批判的思考が低く、マスメディアへの信頼度が高い

 
・舞田敏彦(教育社会学者)「マスメディアへの信頼度が高い日本は「思想統制」されやすい国?」
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2025/03/543501.php

■日本人は同情心、共感的関心に欠ける

 
・「日本人は「同情心が低い」 困っているのは「自業自得」と考える心理」
https://digital.asahi.com/articles/AST3V20ZRT3VULLI004M.html

記者:共感的関心を高くする方法は
石井敬子教授:読書に効果があることを示した研究は結構あります。演劇も同様です。冒頭に話した「視点取得」の話ともかかわってくるのですが、登場人物の立場に立って考える行為だからだと思います。

藤田直哉氏:読書や演劇、それから映画や、対話、カウンセリングなどの力で、多くの他者の視点を取得し、共感的関心を多く持つようになっていけば、助けを求めやすくなっていき、人々の相互交流や理解や助け合いや恋愛や結婚なども増えていくのではないか。

 個人的な感想ですが、上記のご指摘には頷くものの、どんなに困っても憤っても「お上には逆らわない(それどころかお上に逆らう人を叩く)」という日本人の性質について広く知られていないと、変化は起こりづらい気がします。市民的不服従を身につけたいです。

・市民的不服従(civil disobedience):みずからの良心が不正とみなす国家・政府の行為に対しては,法律をあえて破っても抵抗するという思想と行動をさす。 行動の代表に納税や兵役の拒否がある。
https://kotobank.jp/word/%E5%B8%82%E6%B0%91%E7%9A%84%E4%B8%8D%E6%9C%8D%E5%BE%93-169820