【提案/ハラスメント31】朝日新聞の連載「声をつなげて~文化芸術界から#MeToo」

 【ハラスメント】カテゴリーの31番目です(⇒前回の投稿)。2021年末のまとめ投稿の下の方に、【ハラスメント】投稿の過去リンクを羅列してあります。

 朝日新聞の連載「声をつなげて~文化芸術界から#MeToo」全13回のツイートを転載しておきます。
 この連載でも採り上げられているNetflixジャパンのドラマシリーズ「極悪女王」の撮影中に、主演のゆりやんレトリィバァ氏が緊急入院しました。Netflixが実施しているリスペクト・トレーニングを受講しても、高圧的な態度をする人はいるという話も耳にしていたので、暗澹たる気持ちになります。何事も一朝一夕に解決するものではないですね。

・連載に登場する人々
水原希子(俳優)
ヤン・ヨンヒ(映画監督)
深田晃司(映画監督)
北原みのり(著作家、実業家)
原田眞人(映画監督)
唐津絵理(愛知県芸術劇場エグゼクティブプロデューサー)
木下千花(映画研究者)
馬奈木厳太郎(弁護士)
西川美和(映画監督)
松崎悠希(俳優)
小沢禎二(Netflixプロダクション部門日本統括ディレクター)
睡蓮みどり(俳優)
本木克英(映画監督、監督協会理事長)
高松霞(連句人)
グループ「ひととひと」

■【声をつなげて 文化芸術界から#MeToo①】
水原希子氏「正直、役者が何か言っても、弱くて。監督が言う言葉というのが、すごく大きいと思うんです。映画制作の構造としてパワーバランスがあって、そこには監督、プロデューサー、配給会社がいて、さらに芸能事務所、タレントがいる。いろいろなパワーバランスが存在する環境の中で、役者って一番弱い立場だと思うんです。特に日本だと、芸能事務所は役者よりも大きな存在で」

■【声をつなげて 文化芸術界から#MeToo②】
性暴力にNOと言って蹴飛ばす、あの日からの教訓 ヤン ヨンヒ監督

■【声をつなげて 文化芸術界から#MeToo③】
助監督の涙で「パワハラセクハラ禁止」 行動起こした深田晃司監督

■【声をつなげて 文化芸術界から#MeToo④】
性被害の声上げ続けた先に 北原みのりさんが感じる「聞く側の変化」

■【声をつなげて 文化芸術界から#MeToo⑤】
映画の現場の絶対者が怒鳴るとき 原田眞人監督「僕も意識改革を」

■【声をつなげて 文化芸術界から#MeToo⑥】
ダンス界のハラスメント、密室の指導の危うさ 唐津絵理さんの提言
・常にいやらしい視線を浴びていると感じたことは、私がダンサーをやめた原因の一つです
・日公演も行っている「モーリス・ベジャール・バレエ団」(スイス)の芸術監督ジル・ロマンがパワハラを、世界的に有名なベルギーの現代美術家で振付師のヤン・ファーブルがセクハラを訴えられました
・『この振付家の作品は素晴らしいから、人として問題はあるけれどいいよね』と許していくことは、結局、その人の行為自体も肯定する『共犯者』になってしまう

■誰もが嫌な思いをせずにダンスを DaBYが求める健全な創作環境(2022/11/05加筆)

・唐津絵理氏「誰もが嫌な思いをせず、健全な環境でダンス作品を生み出していきたい」
・DaBYでは、ダンサーなどが、照明や美術の裏方作業も兼務する業界の現状も疑問視。作品制作にあたり、ダンサーはダンサー、制作スタッフは制作に、と分業制を徹底する。
・鈴木竜さんは、分業により、自分で振り付けをして躍っていた時には気づかなかった「振付家として、ダンサーを踊らせることの優位性」に気づいた

【声をつなげて 文化芸術界から#MeToo⑦】
ハラスメントを芸術家の「神話」にしない 映画研究者・木下千花さん
・被害があったときの窓口を作ったほうがいい
・本来であれば、(大手映画会社4社でつくる)日本映画製作者連盟や、日本映画監督協会などが、こういったときに率先して動くべき
・怒号とか暴力とか魅惑とか、互いにひかれ合わないとできないとか、ハラスメントのような態度を神話化して、芸術家の立派な振る舞いであるかのようにもてはやすことは、やめましょう

■【声をつなげて 文化芸術界から#MeToo⑧】
性被害の声、「消費」して終わりか行動するか 馬奈木厳太郎弁護士
「演劇界でも、劇団や公演の稽古場に招かれ、ハラスメント講習を行っています。主催者には、講習を行ったことを外部に発信してほしいとお願いしています。講習を受けるのが当たり前、という空気を作りたいからです」
「声を上げた方たちが被害に遭った事実は、消えることはありません。でも、その声を受け取った人が、それぞれの立場で何ができるか考える。そうしないと、ただ『話題』として消費した……ということになりかねない。私たち一人一人の行動が問われています」

■声をつなげて 文化芸術界から#MeToo⑨
ハラスメントなくすため「用意」すべきことは 西川美和監督の危機感
・有志 日本版CNC「ハラスメント防止措置ガイドライン草案」
https://www.action4cinema.org/post/7-business-strategy-tips-from-successful-entrepreneurs
・映画業界全体がきちんとした環境、予算で映画を作っていこうという考え方になっていかないと、個々の努力だけでは救えない
・個々が尊厳を保たれ、豊かな技術で誇れる作品作りを経験していくこと
・知らないふりをして働き手を放置した人と、知らないままで働き続けてきた人、双方に責任がある
・自分も結婚、出産を経ていませんが、そういう女性のみがロールモデルであり続けるのは危険
・何もかもを断罪する姿勢で目を光らせていくと、それこそ技術の伝承や深い信頼関係が損なわれる部分もある

■声をつなげて 文化芸術界から#MeToo⑩
ハリウッドから見える日本の俳優の「弱すぎる立場」 松崎悠希さん
・俳優の立場が弱すぎて、精神的に病んだり、ハラスメントを受けたりして辞めたケースを多数知っています
・(米国では)ワークショップは教育目的ならばお金をとることは許されますが、オーディションでお金をとることは違法
・芸能、映画産業で働く人も、世間一般の労働者と同じような権利や保護が受けられるようにするべき
・まず、俳優の最低賃金を決める
・日本では監督がパワハラ的な演出などで、入ってきてほしくない心の領域に無理やり入って防御装置を壊してしまう。これもまた、俳優を辞めてしまう人が挙げる理由の一つ
・最終的には政治の場で法律をつくって、俳優たちを守らないといけない

■【声をつなげて 文化芸術界から#MeToo⑪】
ハラスメント防ぐ「訓練」しませんか ネットフリックス小沢禎二さん

・初めてトレーニングをしたのは18年に制作した『全裸監督』の現場
・よく聞くのは『現場で笑顔が増えた』『意見が言いやすくなった』というフィードバック
・撮影は原則1日12時間までにとどめること、次の撮影までは10時間空けること、週1回は休むこと
・現場でハラスメントを受けた時のホットラインと、撮影に関係ないことでも不安があったら連絡してもらうためのメンタルサポートホットラインも用意
・韓国は週の労働時間の上限を52時間にする制度を導入/公の施策にも期待したい

■【声をつなげて 文化芸術界から#MeToo⑫】
「封印した記憶」を語る理由 性被害を告発した俳優・睡蓮みどり

■【声をつなげて 文化芸術界から#MeToo⑬】
ハラスメントやめぬ監督は淘汰される 監督協会理事長・本木克英さん

■【声をつなげて 文化芸術界から#MeToo⑭】
・短歌や俳句の会のハラスメント 連句人・高松霞さんのもとに届いた声
・「この活動って今じゃなくて10年後、20年後にこの世界にいる人たちのためにやっているんです。目指しているものは『今』じゃない。だから今は何を言われてもいいんです。ここから10年後、20年後にどういう結果になるかを見て欲しいと思います」

■【声をつなげて 文化芸術界から#MeToo⑮】
・狭い人脈に潜む危険、美術界にもある性被害 グループ「ひととひと」
・ひととひと:リサーチを軸にしたインスタレーションを手がける工藤春香さん(44)、映像やインスタレーションを制作する神谷絢栄さん(26)、インスタレーションや絵画を手がけるジン・ヨウルさん(32)、自身の体験やリサーチをもとにした執筆を行う高橋ひかりさん(27)からなるコレクティブ(美術家のグループ)

~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガ↓も発行しております♪

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台

   

バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ