【宣伝】雑誌「悲劇喜劇」にて河合祥一郎さんと「演劇時評」を担当させていただきます(第三回最終回・2017年9月号・8月7日発売)

 5月号7月号に続き早川書房の雑誌「悲劇喜劇」2017年9月号にて、東京大学大学院教授で翻訳家、演出家でもいらっしゃる河合祥一郎さんと「演劇時評」を担当させていただきました(2017年5月号、7月号、9月号の計3回で終了)。

悲劇喜劇 2017年 9 月号
悲劇喜劇 2017年 9 月号

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早川書房 (2017-08-07)

 9月号にも戯曲が2つ(『オーランドー』『幻の国』)掲載されています。お買い得だと思います。テーマは「演劇とジャーナリズム」。表紙にある「劇評 イキウメ『天の敵』、KAAT『春のめざめ』、他」とは「演劇時評」のことです。自分の仕事が表紙で紹介されていることがとても嬉しく、また、気が引き締まりました。劇評とはジャーナリズム(報道・解説・批評…)なんですよね。『天の敵』は約3500字、『春のめざめ』は約2800字のボリュームです。河合先生との対談は議論を戦わすことより、2人で作品を紹介する言葉を補完していくことが多かったと思います。

 9月号は「2017年演劇界上半期の収穫」として作品、スタッフ、俳優を挙げ、印象に残った出来事もお話ししております。私の印象に残った出来事は以下の3つです。理由なども書いていますので、よかったらお読みいただければ幸いです。
 ・共謀罪ことテロ等準備罪法案の(中間報告という形の)強行採決
 ・新国立劇場の企画「かさなる視点―日本戯曲の力―」
 ・SPAC『アンティゴネ ~時を超える送り火~』のアヴィニョン演劇祭オープニング上演

■演劇時評(2017年9月号)
河合祥一郎 (東京大学大学院教授)×高野しのぶ (現代演劇ウォッチャー・「しのぶの演劇レビュー」主宰)第三回・最終回

【合評】
天の敵』(イキウメ)
春のめざめ』(KAAT)
屠殺人 ブッチャー』(名取事務所)
ミュージカル「パレード」』(ホリプロ)
『マリアの首―幻に長崎を想う曲―』(新国立劇場)
ダニーと紺碧の海』(TBS/パルコ)
東海道四谷怪談―通し上演―』(木ノ下歌舞伎)
Little Voice リトル・ヴォイス』(ホリプロ)
青べか物語』(文学座アトリエの会)
これはあなたのもの 1943――ウクライナ』(地人会新社)
ふしぎの国のアリス』(カンパニーデラシネラ)
君が人生の時』(新国立劇場)

【高野単独評】
『俺節』(TBS)
『愛死に』(FUKAIPRODUCE羽衣)

【河合単独評】
『その人を知らず』(新劇交流プロジェクト)
『熊楠の家』(民藝)
『ベター・ハーフ』(ニッポン放送/サードステージ)

赤枠を引いてみました
赤枠を引いてみました

 隔月発売なので、合評12本の場合は月6本について詳細なレビューを書き、全てを読み上げ用の原稿に仕上げてから、合評の日に臨みました。河合先生は準備を全くされていないこともしばしばで(!)、パンフレットと参考資料を見ながらスラスラとその場で話す言葉が、そのまま原稿になっても問題ないほどの美しさ! まるで講義を受けているかのような贅沢な時間でした。私は河合先生のようには全くできませんので(汗)、文章を作って、それを読み上げる形にさせていただきました。

 もちろん議論やおしゃべりの時間もたっぷりあり、1回の「演劇時評」に費やした合評の時間は6~8時間はあったと思います。編集部の方々は大量のテキストを構成し、修正、校正、確認という丁寧な行程を取ってくださいました。単独評(それぞれ約400字)はもっと多く取り上げてもいいと言われていたのですが、体力も知力も記憶力も全く持たず(涙)、少な目にさせていただきました。至らないことで申し訳ございません。

 よかったら5月号7月号もお買い求め下さいませ!

悲劇喜劇 2017年 5 月号
悲劇喜劇 2017年 5 月号

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早川書房 (2017-04-07)

 

悲劇喜劇 2017年 7 月号
悲劇喜劇 2017年 7 月号

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早川書房 (2017-06-07)

 
 この半年間、長い、長い、長すぎる(汗)レビューを書いて気づいたことは、物語(ストーリー、事の起こりと顛末)がとても大事だということ。あらすじを詳しすぎるほど詳しく書いてみることで、精密な戯曲の素晴らしさをしみじみと噛みしめ、劇作家の仕事の偉大さ(=大変さ)を少しだけ感じ取れたような気がします(気のせいかもしれないけど)。

 編集部からお電話でこのお仕事のご依頼を頂いた時は、しばし絶句し、電話口で「ええぇぇえええ?!」と悲鳴に近い声を挙げてしまいました。誇張じゃなく、本当に驚きました。青天の霹靂ってこういうことなのかなと。高すぎるハードルでしたが、河合先生はじめ編集部の皆様が温かく、優しくご指導くださり、最終回までなんとかやり切ることが出来ました(あぁ、こういう文章を書いてることがもう夢の中みたいだ…)。心から感謝申し上げます。

 以下は記録として、公式サイトの商品詳細のテキストを貼り付けます。

【商品詳細】
悲劇喜劇二〇一七年九月号

特集=創刊70周年 演劇とジャーナリズム

創刊70周年 祝辞/トム・ストッパード 黒柳徹子 赤川次郎 

劇評ジャーナリズムの「現在地」――三世代の視点から/永井愛×谷賢一×矢野誠一 

「忠臣蔵」と演劇/別役実 

戦後七十年の演劇ジャーナリズム/大笹吉雄 

ジョン・オズボーンは怒れる若者だったか/喜志哲雄 

「演劇共和国」再構築のために/鹿島茂 

『悲劇喜劇』と同い年、トニー賞70年の歩み~ミュージカルを中心に/萩尾瞳 

演じ続けることで見えてくること――ミュージカル『にんじん』と演劇への思い/大竹しのぶ 

演劇記者による大座談会――批評とは究極のお節介焼き/林尚之(日刊スポーツ新聞社)×祐成秀樹(読売新聞社)×濱田元子(毎日新聞社)×山根由起子(朝日新聞社)×木村隆(元スポーツニッポン新聞社) 

新聞劇評は絶滅危惧種?/江原吉博 

戦後演劇雑誌盛衰記/後藤隆基 

●エッセイ
OFF-OFF悲劇喜劇/谷賢一 

わたしの衣・食・遊・住/玉川奈々福 

歌舞伎座にはもう足を運ばないだろう/坪内祐三 

わが愛しき故郷/嵐圭史 

「劇場らしい劇場」考/上田美佐子 

●新連載
愛しき面倒な演劇人/中根公夫 

シーン・チェンジズ 長谷部浩の演劇夜話/長谷部浩 

●追悼 日下武史
実感を持って表現する姿/野村玲子

味わい深い声、明晰なせりふ術/杉山弘

●インタビュー
『ペール・ギュント』をめぐる旅――梁正雄(ヤン・ジョンウン)との対話から/西堂行人 

■戯曲掲載に寄せて
戯曲『オーランドー』について/小田島恒志・小田島則子 
ドキュメンタリー風の緊張空間/結城雅秀 

■戯曲
『オーランド―』 原作=ヴァージニア・ウルフ/作=サラ・ルール/翻訳=小田島恒志・小田島則子
『幻の国』 古川健

■演劇時評
河合祥一郎・高野しのぶ(最終回)
『天の敵』(イキウメ)
『春のめざめ』(KAAT)
『屠殺人 ブッチャー』(名取事務所)
『ミュージカル「パレード」』(ホリプロ)
『マリアの首―幻に長崎を想う曲―』(新国立劇場)
『ダニーと紺碧の海』(TBS/パルコ)
『東海道四谷怪談―通し上演―』(木ノ下歌舞伎)
『Little Voice リトル・ヴォイス』(ホリプロ)
『青べか物語』(文学座アトリエの会)
『これはあなたのもの 1943――ウクライナ』(地人会新社)
『ふしぎの国のアリス』(カンパニーデラシネラ)
『君が人生の時』(新国立劇場)
『俺節』(TBS)
『愛死に』(FUKAIPRODUCE羽衣)
『その人を知らず』(新劇交流プロジェクト)
『熊楠の家』(民藝)
『ベター・ハーフ』(ニッポン放送/サードステージ)

●時評 
「NEWシネマ歌舞伎vol.2 四谷怪談」、株式会社キューブの二十周年記念パーティなど演劇ニュース、など

表紙:早川書房デザイン室 
本文デザイン(六十七~七十五頁):仁木順平

以上。

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