【提案/ハラスメント44】元大学院生のセクハラ訴訟/渡部直己氏と早稲田大学に対し賠償命じる判決

 【ハラスメント】カテゴリーの44番目です(⇒前回の投稿)。2022年末のまとめ投稿の下の方に、【ハラスメント】投稿の過去リンクを羅列してあります。

 早稲田大学文学学術院の元教授で文芸批評家の渡部直己氏からセクハラを受けたとして、元大学院生で詩人の深沢レナ氏は、渡部氏と早稲田大学に対し660万円の損害賠償を求める訴訟を起こしていました。去る4月6日、東京地裁は渡部氏と同大に計55万円の支払いを命じました。
 深沢氏とその支援者による「大学のハラスメントを看過しない会」のウェブサイトに詳細があります。公式ツイッターでは深沢氏が頻繁に発言されています。

 ⇒「早大名物教授「過度な求愛」セクハラ疑惑 別の教授は「口外するな」と要望か」(2018/06/20)
  「早大セクハラ疑惑「現役女性教員」の告白 組織ぐるみで「口止め」を図ったか」(2018/06/22)
  「早大セクハラ疑惑”口止め教員”の怠慢授業 「授業の半分くらいは休講」の疑い」(2018/06/28)
 ⇒福嶋亮大氏「文壇の末期的状況を批判する」(2018年8月18日)
 ⇒「大学のハラスメントを看過しない」 繰り返される指導装ったセクハラや暴言…被害受けた元大学院生が会を設立(2022年07月18日)
 ⇒国公立大教員がセクハラ行為で懲戒処分を受けた事例
  「過去5年間で78人の教授らがセクハラやわいせつ行為で懲戒処分を受けていた」
 ⇒【提案/ハラスメント1】舞台の稽古場でパワハラ、セクハラなどのハラスメントについての講習を行ってはどうか(2019年6月12日)

■女子学生にセクハラ発言等をした渡部直己氏と早稲田大学に対し賠償命じる判決

「俺の女にしてやる」早稲田大学教授(当時)のセクハラ訴訟 教授側に賠償命じる判決 東京地裁
 「東京地裁は、教授だった男性と早稲田大学に55万円の賠償を命じる」
 「当時の教授・渡部直己氏(71)から、「俺の女にしてやる」「卒業したら女として扱ってやる」と発言をされたほか、頭や肩に触れられるなどのセクハラがあった」

・深沢レナ氏「セクハラはたった一度の過ちなどではありません。被害者のその後の人生を決定的に変えてしまいます」「大学にも関係者にも傍観者の方々にも、どうかこの件から何か学んでほしいと願っています」

・【判決について早稲田大学コメント】
 「極めて慙愧(ざんき)に堪えません。本学としましては、ハラスメントはあってはならないものと考えており、再発防止に向け全学をあげて取り組んでおり、再び同じような事案を起こさぬよう、今後も全力で再発防止策を講じて参る所存です。被害者の方に対しては、本学の元教員がセクシャルハラスメントにあたる言動を行ったことについて、心から深くお詫び申し上げます」

教授「俺の女にしてやる」肩・背中にも触る…論文や進路へ影響不安、学生逆らえず沈黙
 深沢レナ氏「被害者が声を上げなければ、教員の意識や大学の対応は変わらず、処分も甘いままになる」
 「大学のハラスメントを看過しない会」を20年に設立し、大学でのセクハラ問題などについて情報を発信
 「大学が教職員を懲戒処分しても、公表するかどうかは大学の判断に任される」
 吉武博通名誉教授「大学側は世間の評判を気にして、被害者への配慮を理由に公表を避けるケースも少なくないと考えられる。だが、学生が安心できる学習環境を確保し、組織を健全化するためにも、大学は公表を原則とすることが望ましい」

「卒業したら俺の女」教え子にセクハラ発言、早大元教授の渡部氏らに賠償命令…東京地裁判決
セクハラで元教授と早稲田大に60万円余の賠償命じる 東京地裁
早大と元教授に賠償命令 「俺の女に」セクハラ認定―東京地裁
「俺の女にしてやる」早稲田教授 “セクハラ”で賠償命じる判決
早大と渡部氏に賠償命令 - 元院生のセクハラ訴訟、東京地裁
原告Aでなく、詩人として ハラスメントの傷知って
 「判決では、渡部氏とは別の男性教授が「隙がある」との趣旨の発言をしたことなどが不法行為と認められた」
 「渡部氏だけが悪いのではない。それを許してきた周囲の存在にも問題があることを知ってほしかった」

■「第一審・東京地裁判決 記者会見の報告」/控訴

■沈黙を続ける人たち

■告発前から事件のこと知ってた人たち

■その他

・AbemaTV

・松尾潔氏「私もかつて暴言受けた」早大元教授のセクハラ裁判にコメント
https://rkb.jp/contents/165455/
1.賠償命令は55万円「あまりにも低い」
2.渡部氏からかつて暴言を受け文学から遠ざかる
3.加害者は覚えていない
4.告発しなかったことに自責の念

■ハラスメントについて【内田樹の研究室】
 「教師たる者は、学ぼうとする者が自己刷新のために、傷つきやすく、脆弱な段階を経由する時には、全力を尽くして彼らを外傷的経験から守らなければならない。」
 「私はこれを教育に携わるすべての人間が誓言すべきだと思う。教師というのは医療者と同じくらいに太古的な職業である。その最も重要な戒律がこれである。」

↓2023/04/13加筆

■詩人の伊藤比呂美氏が深沢レナ氏を批判し同僚を擁護

■二次加害、三次加害をしないために

 ↓2023/04/14加筆

・松尾潔氏「早稲田大学セクハラ事件のコメントに反響…あー地獄、もう傍観者になるのはやめよう」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/321530
 「#深沢レナ #早稲田大学 #セクハラ #パワハラ #アカハラ #早稲田文学 #渡部直己 #蓮實重彦 #柄谷行人 #伊藤比呂美 #川上未映子」
https://twitter.com/kiyoshimatsuo/status/1646673376398962690

 ↓2023/04/15加筆

・【ポリタスTV 4/14】1報道ヨミトキFRIDAY #100/津田大介&浜田敬子

 ↓2023/04/16加筆

↓2023/04/19加筆

・2023年4月19日:伊藤比呂美氏への要望書——第一審判決後10日間の出来事の報告とともに
http://dontoverlookharassment.tokyo/2023/04/19/writtenrequest/

・伊藤比呂美氏が「助太刀いたす」ツイートを削除

↓2023/04/22加筆

・栗田隆子氏「ハラスメントの被害者、支援をする方々に大学や社会が仕事を負わせていると思います」
https://twitter.com/kuriryuofficial/status/1649005680144302080
・世界は無償労働で回っている――有償労働と無償労働の違いって?
https://webheibon.jp/hatarakenai
 「セクシュアル・ハラスメントを行った被告の渡部直己元教授は講義中もセクハラをしていたし、裁判では認められなかったが、そもそも入学選考の段階から深沢さんにハラスメントを行っていた。そして渡部直己元教授のみならずハラスメントを矮小化した大学側の調査や、二次加害を行った他の教授たちにも、考えてみれば仕事として賃金が発生しているのだ」

↓2023/04/26加筆

↓2023/04/27加筆

↓2023/05/03加筆

・睡蓮みどり氏「映画のなかの不機嫌そうな顔――トマーシュ・ヴァインレプ&ペトル・カズダ監督『私、オルガ・ヘプナロヴァー』、センゲドルジ・ジャンチブドルジ監督『セールス・ガールの考現学』」
http://www.toshoshimbun.com/books_newspaper/week_description.php?shinbunno=3590&syosekino=17039

↓2023/05/06加筆

↓2023/06/10加筆

・2022年9月に東京地裁で行われた本件尋問についての文芸批評家の川口好美さんによる解説「ハラスメント裁判をめぐるノート」を公開
https://twitter.com/dontoverlookha1/status/1667337543833247744