ナショナル・シアター・ライヴ2018「エンジェルス・イン・アメリカ 第2部 ペレストロイカ」03/16-22 TOHOシネマズ日本橋

 第1部に続いて第2部を拝見。第1部は4/6(金)~4/12(木)に吉祥寺オデオンで上映あり。
 パンフレット(800円)が完売でした…。通販してくださいますように。

 「ナショナル・シアター・ライブ5周年記念シンポジウム」が開催されます!
 7月21日(土)13:00~

≪作品紹介≫ 公式サイトより。
『エンジェルス・イン・アメリカ』2部作
ピュリツァー賞やトニー賞など数々の賞に輝く、トニー・クシュナーの傑作戯曲。1980年代のNYでエイズの恐怖にさらされた人々の姿を通し、アメリカ社会が抱える苦悩や葛藤を浮き彫りにした大作だ。『ウォー・ホース』のマリアン・エリオット演出のもと、アンドリュー・ガーフィールドやラッセル・トヴェイ、ネイサン・レインら豪華実力派キャストが熱演する。
≪ここまで≫

 なぜこんなに笑えて、同時に熱い涙がこぼれてくるのか。矛盾を抱えた人間がそのまま舞台にいるからではないか、つまり、そんな演技を見せてくれる俳優が揃っているからではないか…。戯曲はもちろん、演出、美術、照明、音響、衣装、ヘアメイクなどのスタッフワークも素晴らしいのですが、やはり私にとっての一番の要因は俳優だろうと思いました。

 ここからネタバレします。セリフは全く正確ではありません。

 壁や家具をかたどった蛍光色の光の線が光ります。ピンク色に光るはしごを上ったりも。80年代っぽいな~と、少し懐かしくもなりました。第1部は3つの盆が回るのが目立ちましたが、第2部は(おそらく)“天使の影”役の方々が家具などを手動で移動させて場面転換するのが多かった気がします。カンパニーデラシネラみたい♪

 プライアーは天使から無理やり渡され、体に入り込んだ“本”を、天上界(天国?)に返しに行きます。そこでは6人の(?)天使たちが、地上で起きたチェルノブイリ原子力発電所事故(1986年4月)の把握に追われていました。「冷戦下で原発の管理がおろそかになっていた云々」というニュースも聞こえます。天使たちは未来をおそれ、おびえていました。彼らの気持ちに寄り添いつつ、プライアーが「それでも僕を祝福して欲しい(僕は生きる、命を認めて欲しい)」と言い切ったことに少々驚き、ショックを受けながら(私も彼と同じ人間なので)、受け止めました。「それでも生きていく」ってことですよね。ただし、決して狂わずに。井上ひさし作『少年口伝隊一九四五』でも、哲学じいたんが「狂ってはいけない」と言います。

 最後の幕は1990年。プライアーは「エイズとつきあって5年になる」と言い、ルイスたちはゴルバチョフ(ペレストロイカ(革命)を推進し、1989年のベルリンの壁崩壊のきっかけにもなった旧ソ連の政治家)の話をしています。ロイ・コーンは死んだし、冷戦も終わった。ここはクソいまいましい、ひどい世界だけれど、変わることがある、変えることができる、つまり“革命”は起こるのだということ。最後にはプライアーが観客全員を祝福してくれました。

原題:Angels in America Part 1 : Millennium Approaches / 尺:3時間58分(休憩15分が二回) 
上演劇場:ナショナル・シアター リトルトン劇場
作:トニー・クシュナー
演出:マリアン・エリオット
出演:アンドリュー・ガーフィールド、ネイサン・レイン、デニース・ゴフ、スーザン・ブラウン
※本作はインターバルが2回入る長丁場です。
濃密な約4時間28分をお楽しみください。
上映尺 4時間28分
冒頭~2分33秒まで) プレゼンタートーク&前回のあらすじ
~1時間41分33秒) 第一幕
~1時間56分32秒) インターバル
~3時間15分21秒) 第二幕
~3時間31分21秒) インターバル
~4時間23分31秒) 第三幕
~4時間24分56秒) カーテンコール
~4時間28分6秒) エンドクレジット& NT Liveクレジット
一般3000円 学生2500円
https://www.ntlive.jp/angelsinamerica2

Cast:
Stuart Angell (Angel Shadow), Mark Arnold (Understudy Roy Cohn), Arun Blair-Mangat (Understudy Belize), Susan Brown (Hannah Pitt), Laura Caldow (Angel Shadow), Andrew Garfield (Prior Walter), Denise Gough (Harper Pitt), Kate Harper (Understudy Hannah Pitt), John Hastings (Understudy Joseph Pitt / Louis Ironson), Claire Lambert (Angel Shadow), Nathan Lane (Roy Cohn), Amanda Lawrence (The Angel), James McArdle (Louis Ironson), Becky Namgauds (Angel Shadow), Mateo Oxley (Understudy Prior Walter), Nathan Stewart-Jarrett (Belize), Joseph Pitt (Russell Tovey), Paksie Vernon (Understudy Harper Pitt), Stan West (Angel Shadow), Lewis Wilkins (Angel Shadow).

Production team:
Director: Marianne Elliott; Set Designer: Ian MacNeil; Costume Designer: Nicky Gillibrand; Lighting Designer: Paule Constable; Choreographer and Movement: Robby Graham; Music: Adrian Sutton; Sound Designer: Ian Dickinson; Puppetry Director and Movement: Finn Caldwell; Puppet Designers: Finn Caldwell and Nick Barnes; Illusions: Chris Fisher; Aerial Director: Gwen Hales; Associate Director: Harry Mackrill; Staff Director: Miranda Cromwell; Fight Director: Kate Waters; Dialect Coach: Hazel Holder; Company Voice Work: Jeanette Nelson and Charmian Hoare; Associate Set Designer: Jim Gaffney
http://ntlive.nationaltheatre.org.uk/productions/61491-angels-in-america-part-two-perestroika

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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