【非公式レポート】舞台芸術制作者オープンネットワーク[ON-PAM]「2016年度第1回テーマ委員会」04/24芸能花伝舎

 私は舞台芸術制作者オープンネットワーク[ON-PAM]の正会員で、なるべく活動に参加するようにしています。ブログに記録は残せませんでしたが、京都で開催された3/19(土)の総会、報告会、3/20(日)のシンポジウム(⇒詳細)にも出席しました(ツイート⇒12)。

 今日参加したのは「2016年度第1回テーマ委員会」。1年間を通じて1つのテーマについて議論をします。昨年度の年間テーマは「『あたらしい制作者』像を考える」でした。こちらで昨年のまとめのレポートが読めます。

[内容]
・昨年度の議論のまとめと今年度の方向性
・ON-PAMにおける政策提言の位置づけ
・3月20日に開催されたON-PAMシンポジウムからの展開
・他団体における提言の事例
・グループワーク:ON-PAMからの発信とその方法を考える

 ひとくちに舞台芸術の制作者といっても、作品のジャンルが異なるだけでなく、劇場(財団)職員、独立行政法人職員、劇団座付制作者など、さまざまな職能の個人が集まった組織なので、ON-PAMから定まった政策提言を発信するのは困難であることは、これまでの活動の中でもわかってきていたことでした。でも3月の総会などで、ON-PAMがまだ具体的なアクションを起こしていない(政策提言をしていない)ことは、複数の会員から指摘があり、今年度からは予算をつけることも確認されました。困難なのはわかってる、でも、やってみよう、ということです。

 理事の方々が議論の材料になる複数のテーマについて準備・発表してくださり(18:30~20:30、10分の休憩挟む)、2つのグループに分かれて「公共」についてディスカッションしました。斎藤啓さん(鳥の劇場)の課題設定と誘導の仕方がとても巧みで、また、参加者が他者の意見をしっかり聴いた上で積極的かつ簡潔に意見を言うので、気持ちいいぐらいに充実した30分間になりました(21:50終了で22:00完全撤収)。

2013年、2014年の各年間の活動をまとめた冊子
2013年、2014年の各年間の活動をまとめた冊子

 私は制作者ではありません。一観客です(ON-PAM参加資格の意味では演劇ライターです)。ON-PAMに入った主な理由は、面白いお芝居を作ってくださる制作者の皆さんが、健やかに仕事を継続できる労働環境づくりのお役に立ちたいと思ったから。だから政策提言というと私の第一印象は「アーツマネージャーの地位向上」とかなんですよね(下心丸見え)。

 でも「公共」について意見を出し始めたら、私のグループではまず「表現の自由」へと収斂されていったんです。議論の前提として「我田引水にならないようにする」「常に第三者を意識する」というルールがあったとはいえ、議論中は常に社会とかかわる姿勢を保っていて、私欲の方向に進む人は皆無。言葉を慎重に選びながら、それでいて率直で、ともに前に進もう、上へと手を伸ばそうと協力し合っている…!議論の結果をホワイトボードで発表し合うと、違うグループの成果から新たに学んだり、内容の相違点からまた発見があったり。最後に1人ずつ全員が感想を述べていくと、またまた新しい気づきが!もう、感動的でした。

 3月の京都では、理事長の橋本祐介さんが「このようにスムーズにディスカッションができている状態を目の当たりにして、ON-PAM設立時からは隔世の感がある」という意味の発言をされていました。やはり人と人とが会って、話してきた時間は、無駄ではないどころか、確実に積み重なり、実を結ぶのだと思います。私は東京在住ですが、なるべく他地域での委員会にも参加したいと思います。

 ※今年度の年間テーマは「ON-PAMから何を提言をするのか?なぜ、どうやって?」に決まりました。

20160424_onpam

【意見・感想例】
・30分間のディスカッションで成長できた。
・とても楽しい時間だった。これならON-PAMから提言を出せるんじゃないか。
・初めての参加だったが疎外感は全くなく、議論にも積極的に参加できた。こういう場こそが数少ない“公共の場”だと思う。すなわちマイノリティーである。だからこそON-PAMは小回りが利くフラットな提言ができるのではないか。

・社会の中には「違い」「分断」「隔たり」がある。世代の差、知識の差など。それに気づくこと、それを知ることが公共。
・今ここに20代の若者が居ない。仕事をする世代がいない。ON-PAMにもまた分断がある。
・ON-PAMが何なのかが曖昧で伝わっていない。だから若者は「なぜ入会しなきゃいけないのかわからない」。もっとON-PAM自体について言葉にして発信すべき。
・ON-PAMは芸術が生み出すイノベーションを知っている者同士の集まりだから、どうしてもそこに甘えが出てくる(知らない人に伝わっていない)。
・「わかる人とだけ一緒に前にすすむ」のは舞台芸術ではない。曖昧さを言葉にしていく必要があることを再確認した。

・制作者の世代間でも「断絶」があることには同感。我々が上の世代がやってきた仕事について勉強が足りない気もする。
・「公共」について学ぶ必要があるし、舞台芸術業界についても勉強不足。提言の中身を考えることと、提言のテクニックを身につけることをこの一年でやりたい。
・「分断」「隔たり」があることこそが価値である。そんな我々が議論していくことにこそ可能性がある。ON-PAMらしい提言が出来るような実感を得られた。

~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガ↓も発行しております♪

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台

   

バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ