tgSTAN「パブリック・エネミー」①男女4人と、ト書き&プロンプ1人の計5人で約1時間50分(休憩10分込み)という超特急のイプセン。集会のシーンしかゆっくり聞かせる気ないよねコレ!(笑) 観客に雑に話し掛け、演じる役を何度も変え(主役以外)、小道具はずさんなマイムのみ(笑)。
— 高野しのぶ (@shinorev) 2016年12月6日
tgSTAN「パブリック・エネミー」③tgSTANはベルギーの俳優だけのカンパニーで、俳優がドラマトゥルグで演出家。興奮!
12/9に昼にシンポジウム(https://t.co/paciS4q46F
)、夜にレクチャー(https://t.co/IAgLJtBFXr
)あり。— 高野しのぶ (@shinorev) 2016年12月6日
⇒CoRich舞台芸術!『パブリック・エネミイ 人民の敵』
【ネタバレ】tgSTAN「パブリック・エネミー」②自由奔放そうな俳優たちがト書きに服従/反抗する様は社会を映すよう。「たった一人で立つ人間が最も強い」というメッセージさえ茶化すラストが痛快。最後、新聞記者らは「義父との温泉株の操作をバラす」と医師を脅してたのね。やっとわかった。
— 高野しのぶ (@shinorev) 2016年12月6日
メルマガ2016年12月号のお薦めNo.1でした。その部分を転載します。
●お薦めコメント●
tgSTAN(ティージー・スタン)は俳優で構成されたカンパニーです。
ヨーロッパのフェスティバルによく招聘されているようですね。
2013年の初来日公演『Nora(人形の家)』(動画↓)が凄ったんです!
https://www.youtube.com/watch?v=9r420KNXGgo レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/1127220054.html
美術、衣装、演出は現代的で洗練。俳優は演技もダンスも巧みで、
観客に対して大らかに開かれた姿勢でありながら、会話劇は緻密。
人間関係をアクロバティックな身体表現のみで示す技にも感服しました。
俳優や、俳優を目指す方にもお薦めしたいです。残席あり!
他の作品の映像↓もぜひご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=0762UDo1_k8 (2003年)
https://www.youtube.com/watch?v=Vv6aukvSzg4 (2005年)
https://www.youtube.com/watch?v=UVJSJAMgd_w (2011年)
https://www.youtube.com/watch?v=865f6lU3UWQ (2015年『桜の園』)
トーマス・オスターマイヤー演出『人民の敵』では、終盤が観客参加型
になっていました。下記動画↓の1分40秒あたりからです。
https://www.youtube.com/watch?v=zFVb45AvMps
雷ストレンジャーズ版とtgSTAN版で『人民の敵』を見比べるのも一興!
以下、当日配布のパンフレットより。
■解説
ティージースタンはアントワープコンセルヴァトワールの演劇学校生であったフランク、サラ、ヨレンテ、ダミアンの四人が既存の劇団組織制度に属するのを望まなかったゆえ1989年に設立。カンパニ一名のスタン(STAN)は(名前を考えるのは止めよ)(Stop Thinking About Name)の頭字語であり、階級組織の中で特定の役割があるのではなく、個々が役者であり、芸術監督、同時に演出家であるという民主的な考えで活動している。この作品は、アジブロのスタイルで民主主義の誠実さの欠落や民衆の策略、虚偽、脅迫、そして彼らの不寛容さを我々に示している。
■藤井慎太郎(早稲田大学文学学術院教授)「tg STAN 演出家なき俳優集団」
tgSTANは、アントワープ(ベルギ一)の演劇コンセルヴァトワールで知り合ったヨレンテ・ドゥ・ケースマイケル(振付家アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルの妹である)、サラ・ドゥ・ロ一、ダミアーン・ドゥ・シュリバー、フランク・ヴェルクルイセンらによって、l989年に結成された劇団である。tgはオランダ語でtoneelspelersgezelschap(「演劇のプレイヤー/俳優のカンパニー」)、STANは英語でStop Thinking About Names(「名前を気にかけるのをやめろ」)を意味する。戯曲を前提としないポストドラマ的な演劇が全盛であるヨーロッパにおいて、つねにテクスト(戯曲)を演劇の中心に位置づけているところに特徴がある。そのために一見すると音通の演劇に見えかねないのだが、しかしきわめて独特な創造の方法をとっている。演出家やドラマトゥルクをおかずに俳優だけで作品をつくる(俳優がみな演出家でありドラマトゥルクである)点、いわゆる「読み稽古」にはたっぷりと時間をかけるが「立ち稽古」はほとんど行わない点、俳優全員が平等に創造過程に参加するなど、民主的な組織運営が意識されている点、母語であるオランダ語だけでなく、フランス語や英語でも作品を上演したり、創造したりしている点などに特徴がある。
オランダ語上演・日本語字幕付
約1時間55分(休憩あり)
(1幕:50分 休憩:15分 2幕:50分)
ロビー開場:開演の45分前
【出演】
トマス・ストックマン博士:フランク・ヴェルクルイセン Frank Vercruyssen
ぺーテル・ストックマン、モルテン・ヒール、ホルステル船長:グミアーン・ドゥ・シュリバー damiaan De Schrijver
ストックマン夫人、ホヴスタ、ビリング、アスラクセン:ヨレンテ・ドゥ・ケースマイケ Jolente De Keersmaeker
ぺートラ・ストックマン、ホヴスタ、ビリング:サラ・ドゥ・ロー Sara De Roo
プロンプター:ロビー・クライレン Robby Cleiren
原作:ヘンリック・イプセン
テクニカル:ティム・ヴォウタース
照明デザイン:トーマス・ヴァルグレイヴ
プロモーター:シグリ・ヤンセンス
制作・技術:ティージースタン
台本翻訳:井内千紗
初演:1993年5月19日 アントワープにて、モンティ
フランス語版初演:1995年4月24日 ベルギーブラッセルカーイシアター
https://setagaya-pt.jp/performances/201612ibsen.html
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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