蜷川幸雄さんがシェイクスピア戯曲を演出される彩の国シェイクスピア・シリーズ第32弾。5月12日に蜷川さんは亡くなりましたが(⇒【ご報告】)、蜷川作品としてちゃんと幕が開き、上演されていることに感動しました。全37作品上演に向けてシリーズは続くそうです。どなたが演出されるのかも含め、楽しみですね。
沙翁劇の中でも『尺には尺を』は問題劇と分類されるもので、私は2005年に拝見していました。今作も、とても、面白かったです。問題劇、いいなー!
⇒CoRich舞台芸術!『尺には尺を』
蜷川幸雄演出、沙翁の問題劇「尺には尺を」。休憩込みで約3時間。面白かった。蜷川さんのチームのキャスト、スタッフの力、凄い。清家栄一さんのバーナディン役が好き。愛あふる追悼公演だった。舞台写真展やってます。献花台にお花沢山。記帳台も。 pic.twitter.com/PK87V4mXXI
— 高野しのぶ (@shinorev) 2016年5月26日
↑ ×愛あふる ○愛あふれる 失礼いたしました。
以下はほぼ記録のみ。
≪あらすじ≫ 公式サイトより
舞台はウィーン。この街を治める公爵のヴィンセンショー(辻萬長)が、領地での全権をアンジェロ(藤木直人)に委任し、国外に出かけた。実はヴィンセンショーは修道士の姿に変装し国内に留まり、権力が人をどう変えるのか、観察したいと思っていたのだ。ヴィンセンショーの統治下で法に寛容であったことに不満を持っていたアンジェロは、街を厳しく取り締まる。折悪く、クローディオ(松田慎也)という若い貴族が、結婚の約束をした恋人ジュリエット(浅野望)を妊娠させてしまう。厳格な法の運用を決めたアンジェロは、「結婚前に関係を持つことは法に反する」と、彼に死刑を宣告する。クローディオの友人ルーチオ(大石継太)は、修道院にいるクローディオの妹イザベラ(多部未華子)を訪ね、アンジェロに会って兄の死刑の取り消しをするように頼む。兄思いのイザベラはアンジェロに面会し慈悲を求めるが、何とアンジェロはイザベラに恋をしてしまい…。
≪ここまで≫
多部未華子さん、いい女優さんだな~。やっぱり好きです。
ここからネタバレします。
さいたまネクスト・シアターの方々が活躍されていて個人的に嬉しかったです。松田慎也さんのクローディオ役はかわいらしさもあって良かった。妹イザベラ役の多部さんに「お兄様は死ねて幸せよ!」的なことを言われる場面は特に(笑)。
清家栄一さんが演じていた囚人のバーナディンは、イエス・キリストの姿でした(私はそう解釈しました)。キチガイだとか、いつ処刑してもいいとか、ひどい言われよう。時代によって正義は変わるんですよね。
当日パンフレット(1600円)の多部さんの言葉より、すごく気になったところを引用させていただきます。
「初めてのシェイクスピアの台詞は、やはり覚えるのにかなり苦労しました。一つ一つの言葉が自分が納得できないと覚えられない性格だということが、今回初めてわかりました。家で台本を読んでいた時には「ここではこういう感情で言ってみよう」と感情の波を台詞に当てはめて考えていたのですが、稽古場で周りの役者さんに「シェイクスピアの場合は何も考えなくても台詞を立てて話せば伝わるよ」とも言われたんです。確かにあまり考え過ぎずに話すほうが、お客さんの耳に言葉がスッと入りやすいのかもしれません。でもどうしても普段のように考えがちで。「考えない」というハードルは高いです。」
どうなんでしょう…。
≪埼玉、北九州、大阪≫
【出演】
藤木直人: アンジェロ(公爵代理)
多部未華子:イザベラ(クローディオの妹・修道女見習い)
原康義:エスカラス
大石継太:ルーチオ
廣田高志:監獄長/貴族
間宮啓行:エルボー/貴族/客/修道士
妹尾正文:アブホーソン/貴族/客/修道士
岡田正:ピーター(牧師)/貴族/娼婦/修道士/囚人
清家栄一:バーナディン(裸の囚人)/貴族/娼婦/修道士
飯田邦博:トマス/貴族/客/囚人
新川將人:紳士1/修道女/囚人/役人
野辺富三:ヴァリアス/貴族/娼婦/修道士/囚人
周本絵梨香:マリアナ/娼婦/修道女
鈴木彰紀:使者/貴族/娼婦/修道女/役人/囚人
竪山隼太:紳士2/貴族/修道女/役人/囚人
手打隆盛:裁判官/貴族/役人/修道女/囚人
堀源起:召使い/貴族/役人/修道女/囚人
松田慎也:クローディオ
内田健司:フロス/貴族/娼婦/修道士/囚人
浅野望:ジュリエット(クローディオの婚約者)/修道女
小島幸士:少年(ダプル・キャスト)
藤巻勇威:少年(ダプル・キャスト)
立石涼子:フランチェスカ/オーヴァダン
石井喧一:ポンペイ
辻萬長:ヴィンセンショー(牧師に化ける公爵)
脚本:W.シェイクスピア 翻訳:松岡和子 演出:蜷川幸雄 演出補:井上尊晶 美術:中越司 照明:勝柴次朗 衣裳:小峰リリー 音響:友部秋一 ヘアメイク:佐藤裕子 音楽:阿部海太郎 演出助手:大河内直子 前原麻希 日置浩輔 舞台監督:濱野貴彦
主催:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団/テレビ朝日
制作:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団/ホリプロ
企画:彩の国さいたま芸術劇場シェイクスピア企画委員会
【一般発売日】2016年3月19日(土)
S席:9.500円 A席:7,500円 B席:5,500円 U-25:2,000円(25歳以下・B席対象) 劇場会員割引などあり。
http://www.saf.or.jp/arthall/stages/detail/3376
http://hpot.jp/stage/syakusyaku
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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