ご縁がありまして、第60回岸田國士戯曲賞授賞式に出席させていただきました。受賞作はタニノクロウさんの『地獄谷温泉 無明ノ宿』。上演を観られたのは幸運でした。ステージナタリーの授賞式のレポートが充実しています。
本日の岸田國士戯曲賞授賞式はおひらきとなりました。タニノクロウさん、おめでとうございました! 受賞作『地獄谷温泉 無明ノ宿』絶賛発売中です。#kishida60 pic.twitter.com/0o4XohWJBZ
— 白水社 (@hakusuisha) 2016年5月9日
私が初めて観た庭劇団ペニノの作品は2004年の『黒いOL』。野外のテント劇場で、舞台の床は土でした。真剣なものづくりをずっと続けてこられたのだなと、あらためて思いました。タキシード姿のタニノさんはとてもかっこ良かったです。
登壇された方々がおっしゃったことをメモしました。
タニノクロウ:「最新作が最高傑作」という言葉があるが、(たしかに)今作ってるものが一番だと思っていないと、続けられないところがある。(この後、今、大阪で上演中の『ダークマスター』の話をされました)
久野敦子:タニノさんの仕事を見て、芸術家は不可能を可能にする努力がないといけないのだと思った。(『地獄谷温泉 無明ノ宿』はセゾン文化財団が運営する森下スタジオで創作・上演されました)
戌井昭人:これからも変態性を持続させて、楽しい世界を作ってください。
宮城聰:『地獄谷温泉 無明ノ宿』は傑作。世界を代表する芝居。満点。誰が観ても凄いと思う作品。打ちのめされてしまった。数日経って、「また僕もがんばろう」と思えたので良かった。タニノさんは生きているもの・ことを舞台上に出現させることが恐ろしく上手い。額縁という変わらないものの中に生の花を置いて対比させる。たとえばどくろと生花を描いた西洋画のように。変わらないものと、うつろっていくものを置くことで、生命を表してきた。そう思っていたけれど、違った。『地獄谷温泉 無明ノ宿』では額縁さえも日々朽ちていることを描いていた。また、驚くほど絶えざる自己否定をするアーティストだと思う。
本日、岸田國士戯曲賞の授賞式が行われました。関わって頂いた全ての方々に感謝です。ありがとうございました! pic.twitter.com/Ymf7n1gjkp
— 庭劇団ペニノ (@niwagekidan) 2016年5月9日
岸田國士戯曲賞、平田オリザ選評&タニノクロウ挨拶「格闘しながら作品を」 https://t.co/uVi2915rwT pic.twitter.com/Nl0BGfPGMR
— ステージナタリー (@stage_natalie) 2016年5月10日
タニノクロウさん(富山市出身)が第60回岸田國士戯曲賞受賞。受賞式に両親、女優で妻の安藤玉恵さんも駆けつけ。ー 富山の地方紙「北日本」 pic.twitter.com/rN8s5uijUZ
— 上田俊彦 (@jcptou) 2016年5月9日
「地獄谷温泉 無明ノ宿」※私は8/24に拝見しました。
2015年8月27日(木)~30日(日)森下スタジオ・Cスタジオ
出演:マメ山田 辻孝彦(劇団唐組) 飯田一期 日高ボブ美(ロ字ック) 久保亜津子 石川佳代 森準人
声の出演:田村律子
作・演出:タニノクロウ
構成:玉置潤一郎、山口有紀子、吉野万里雄
美術:稲田美智子
照明:阿部将之
音響:佐藤こうじ
舞台監督:久保勲生
演出部:河合達也
演出助手:松本ゆい
音楽監督:奥田祐
胡弓指導:川瀬露秋
宣伝デザイン:奥秋圭
影絵・切り絵:チャンキー松本
制作助手:北澤芙未子
制作:小野塚央
企画・製作:庭劇団ペニノ
主催:庭劇団ペニノ/合同会社アルシュ
共催:公益財団法人セゾン文化財団
http://niwagekidan.org/performance_jp/374
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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