「東京芸術祭2018」の「東京芸術祭直轄プログラム」を拝見。イタリア人演出家ジョルジオ・バルベリオ・コルセッティさんによる『野外劇 三文オペラ』では、フル・キャスト・オーディションが実施されました。選ばれた出演者による約2時間の野外劇です。外側から覗き見できますよ~!
東京芸術祭『野外劇 三文オペラ』約2時間強、休憩なし。寒い!でもコート、ストール、貼るカイロで乗り切れた。野外劇場入り口は巨大ディスプレイを載せたトラックの背後あたり、PRONTの対面側。池袋西口公園を通りがかれば、客席と反対方向から無料で観られます♪ 舞台上手外側に立ち見の人だかり。 pic.twitter.com/AO84QDUCSx
— 高野しのぶ(しのぶの演劇レビュー) (@shinorev) 2018年10月18日
東京芸術祭『野外劇 三文オペラ』ポリー(淺場万矢)とルーシー(水口早香)が歌も演技も上手で嬉しい!2人のデュエットは約1時間10分後あたりから。終演間際の大合唱も聴きどころ。無料券の観客は桟敷席でレジャーシートや簡易ベンチ持参の人あり。上演中の撮影・録音は不可。写真は終演直後の芸劇前 pic.twitter.com/bTufyGgEuP
— 高野しのぶ(しのぶの演劇レビュー) (@shinorev) 2018年10月18日
今回の新訳の書籍↓が発売中(2018/10/22加筆)。
≪あらすじ≫ 公式サイトより
自由ってなに? それ美味い? ストレスフリー 金次第
金融恐慌とナチス台頭の時代に一世を風靡した痛快風刺音楽劇が池袋西口公園に登場!
東京芸術祭2018では、直轄プログラムとしてイタリアを代表する演出家ジョルジオ・バルベリオ・コルセッティによる『野外劇 三文オペラ』を池袋西口公園にて上演いたします。この公演にあたっては、2017年12月にコルセッティ氏が250名を対象に7日間に渡ってオーディションを行い、全キャストを自分自身の目で見て選出しました。選びぬかれた15人の出演者とともにおくる池袋西口公園での『野外劇 三文オペラ』、チケット代はなんと破格のワンコイン。野外での公演のため、客席以外のエリアからは無料でこの上演を眺めることも可能です。これまで演劇を見たことがない人、劇場に足を運んだことがない人も、池袋西口公園というひらかれた空間でこの演劇作品と偶然出会うことになります。まさに”ひらく”プログラムとして、みなさまにお楽しみいただけたらと思います。
池袋のビルの谷間でネオンを借景に繰り広げられる、痛快風刺音楽劇『野外劇 三文オペラ』をお見逃しなく!
≪ここまで≫
休憩なしの約2時間ということは、かなりカットされていますね。野外劇なのでありがたいです。
広大な演技スペースをこれでもかと走り回るキャストの皆さん、どうぞ千秋楽まで怪我無くつとめられますように!
近藤良平&矢崎広が観た「野外劇 三文オペラ」稽古場 | こんな経験ができるなんて、役者としてうらやましい [Power Push公開中] https://t.co/zzDBEPiIrH pic.twitter.com/ccaIXVWifl
— ステージナタリー (@stage_natalie) 2018年10月17日
ここからネタバレします。
上手奥に設置された巨大なディスプレイには政治的主張を含む、挑発的なデジタル映像が映写されます。舞台中央奥には本物のショベルカー。マッキーの絞首刑台にもなります。
役人物は戯画的に造形され、にぎやかしの大笑いが多かったです。私にとっては、もうちょっと芝居をしっかり見せてくれた方がよかったかも。
セリフは現代的…というか「超~」「やばい」「ウケル」などの流行の口語を多用しており、軽薄さが強調されていたように思います。卑猥な演技表現が多かったです。
ピーチャム夫妻とマッキー&ポリーの衣裳がなぜか少し和風。ピーチャム夫人は関西弁で、娘のポリーも、悪党たちに凄味を利かせる時は関西弁になっていました。
マッキーの恋人の“娼婦ジェニー”は3人の娼婦としてまとめられていました。暴力をふるわれ、顔にひどいあざができた3人の様子を巨大ディスプレイに映していたのは、me too運動とも受け取れました。
〈東京芸術祭直轄プログラム〉上演言語:日本語
出演(登場順)
ジョナサン・ジェレマイア・ピーチャム:廣川三憲(ナイロン100℃)
フィルチ/イード:泉陽二
シーリア・ピーチャム:森山冬子
ジャラ銭のマサイアス:宮下泰幸
マックヒース:後藤英樹
ポリー・ピーチャム:淺場万矢(柿喰う客)
曲がり指のジェーコブ:小長谷勝彦
のこぎりのロバート/警官:綾田將一
ジミー/スミス:沼田星麻(アマヤドリ)
しなしなのウォルター/警官:菊沢将憲
タイガー・ブラウン:柳内佑介
酒場のジェニー/娼婦:榊原有美
酒場のジェニー/娼婦:葛たか喜代
酒場のジェニー/娼婦:篠原和美
ルーシー:水口早香( (株)CRG)
演奏:廻由美子(ピアノ)、シュテファン・フッソング(アコーディオン)、阿部大樹(電子ピアノ)、原田敬子(指揮、打楽器)
[作]ベルトルト・ブレヒト
[訳]大岡淳
[音楽監督]原田敬子 [衣裳デザイン]澤田石和寛
舞台監督:有限会社ニスケステージワークス
舞台美術:坂本遼
大道具:有限会社フルスケール
重機オペレーション:(株)サンコウ
映像:吉田佳弘、奥住彩夏、リネア・ワールン(エディスグローヴ)
音響:小畑亨(エディスグローヴ)
衣裳:天野泰葉
ヘアー:JIMI FUJIU
メイクアップ:TOMOYA MOTEGI
演出助手:古川真央(syuz’gen)
歌唱指導、音楽監督助手:フランツ奈緒子
通訳:石川若枝、本谷麻子
制作:植松侑子、前原拓也(syuz’gen)
宣伝美術:椚田透(nix graphics)
チケット担当:東京芸術劇場
総合ディレクター:宮城聰
直轄事業ディレクター:横山義志
主催:東京芸術劇場・アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
共催:合同会社syuz’gen
自由席 (整理番号付)500円
※観覧無料エリアあり
※小雨決行
※0歳から入場可能
※ひざ上鑑賞可能
※車いすで観劇をご希望の方は東京芸術劇場ボックスオフィス(TEL:0570-010-296 [10:00~19:00、休館日を除く] )までお問合せ下さい
※チケットは1人2枚まで
http://tokyo-festival.jp/2018/program/1686/
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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