【コロナ禍96】寺田倉庫/緊急事態舞台芸術ネットワーク「緊急舞台芸術アーカイブ+デジタルシアター化支援事業(EPAD)」オンライン・シンポジウム03/13YouTubeライブ配信(無料アーカイブあり)

 寺田倉庫と緊急事態舞台芸術ネットワークが文化庁から受託した事業「緊急舞台芸術アーカイブ+デジタルシアター化支援事業(EPAD)」(⇒EPADポータルサイト)の成果として、貴重な映像や戯曲がウェブ上に収集、公開されました。⇒前回のコロナ禍投稿

 早稲田大学演劇博物館の「Japan Digital Theatre Archives(JDTA)(約1300本)」、一般社団法人日本劇作家協会の「戯曲デジタルアーカイブ(553本)」で検索・閲覧できます。お宝の山です!ぜひご覧ください!!

 3月13日に寺田倉庫のライブハウスKIWAからライブ配信された、EPADの事業報告を目的としたオンライン・シンポジウムを拝見しました。↓アーカイブが無料公開されています。

 実績報告の後に、福井健策さんによる講演、岡室美奈子さんと高萩宏さんの発表と対談、そして吉見俊哉さんの進行のもと、野田秀樹さんらが登壇するトークという豪華な内容でした。

 「EPADはアーカイブ事業であると同時に支援事業」であり、映像提供団体にも対価が支払われます。2020年9月の情報公開から半年足らずで、既に総事業費の72%(5.4億円)を現場に還元済みとのこと。凄いですね!!

 第三部のトークで、舞台芸術のアーカイブは「積年の夢だった」「舞台芸術の文化を担う次の、次の、次の世代の、未来の可能性」とおっしゃる方もいらっしゃいました。「劇場に来るのはハードルが高い。映像が入口になることは間違いない」「(大都市を経由せずとも)各地域が世界とつながる」「(オンライン演劇を創作したことで)老人ホームにいるお年寄りとつながった感があった」など、コロナ禍で否応なしに進化したオンライン・インフラのメリットが挙げられました。

 一方で「舞台は空間で行われ、(観客と)共有するのが大前提」「オンライン、配信、デジタルは魔法じゃない。中身(舞台そのもの)が面白くなくちゃいけない」というご指摘もありました。「そこ(ライブ)にしがみついて生き残れるか。(コロナのせいで)数年は現実的に無理だろう」というシビアな見方も。「今年はアーカイブ元年。2020年を前後に大きく変わっていく」と見据えた上で、舞台芸術関係者は「どうやって住み分けて、共存していくか」を模索されています。

 「デジタルアーカイブはお墓。“幽霊”が出てきて話ができる」というたとえ話がとても面白かったです。福井健策さんが「5年間は(EPADの)各事業の運営・ケア・拡充を続けること。5年続けると時代が追いつき、改善されて、味方が増えていく」とおっしゃっていました。アーカイブは保全、蓄積されていくことが肝要で、それには人員も資金も不可欠です。作り手にとっても、観客にとってもメリットばかりのアーカイブ事業を、国が支援し続けてくださいますように。舞台芸術に励まされ、支えられて生きてこられた一観客として、その必要性を訴えていきたいと思います。 

 ↓2021/04/09加筆

■第一部「事業報告」

・EPAD の実績報告
発表者:伊藤達哉(EPAD 事務局長)
三好佐智子(EPAD 事務局)

・舞台×権利処理 2.0~配信の「壁」と各団体協力の成果
発表者:福井健策氏(弁護士・EPAD 実行委員)

■第二部「 デジタルアーカイブの意義」

・早稲田大学坪内博士記念演劇博物館におけるアーカイブの活用方法
発表者:
岡室美奈子氏(早稲⽥大学坪内博士記念演劇博物館 館長)

・今後の舞台芸術資料の収集方法への提案
発表者:
岡室美奈子氏(早稲⽥大学坪内博士記念演劇博物館 館長)
高萩宏氏(東京芸術劇場 副館長・EPAD実行委員)

■第三部「ポストコロナにおける<集い>の場 オンラインの可能性と、舞台芸術の未来」

進行:吉見俊哉氏︎(東京大学情報学環教授) 
登壇:
松田誠氏(ネルケプランニング)
菅原直樹氏(「老いと演劇」OiBokkeShi主宰)
溝端俊夫氏(NPO法人ダンスアーカイヴ構想)
伊藤雅子氏(日本舞台美術家協会)
野田秀樹氏(舞台演出家・緊急事態舞台芸術ネットワーク 代表世話人)

【オンラインシンポジウム開催概要】
https://epad.terrada.co.jp/pdf/PR20210305.pdf

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。

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