ゴーチ・ブラザーズが継続開催している「英国演出家による俳優ワークショップ」の、ジョナサン・マンビィさんが講師をつとめる回にお邪魔させていただきました。もう5度目なんですね!(過去⇒2013年・2014年・2015年・2017年のレポート)。
私が見学するのは2014年、2015年、2017年に続き4度目ですが、今回はマンビィさんと創作をしてきた俳優が多く集う時間帯に伺いました。
事務机と椅子が四角い枠状に並べられ、テーブル稽古が行われました。取り組んでいた戯曲はキャリル・チャーチル(Caryl Churchill)作『Love and Information』です。
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キャリル・チャーチル戯曲(⇒CoRich舞台芸術!の検索結果)といえば日本で人気なのは『クラウドナイン』『トップガールズ』でしょうか。その他だと私はTPTで『A Number(ア・ナンバー)』を観ています。
『Love and Information』は7つの章から成る戯曲で、各章は複数の短編で構成されています。ごくごく短い場面の集合体といっていい作品です。各短編の長さは色々でト書きは最小限。話者の記述がないので、誰のセリフなのか、どういう関係の人々の会話なのかは、パっと見ただけでは全くわかりません。皆で読んで演じてみて、謎を探っていく時間でした。た、たたた…楽しい!!
マンビィさんが配役を決めて、一度読んでみたら皆で議論をし、再び読んでみる。一度目とは全く違う世界が立ち現れると、一緒に驚いて、感想をシェアして理解を深めていく…♪ 突拍子のないアイデアや逸脱も歓迎されますが、マンビィさんのファシリテートで各章のテーマや基本構造に立ち返り、主観と俯瞰を行き来しながら誠実に読解していきます。テーブル稽古は一見、地味ですが、俳優が自ら提案し、議論を経て速やかに変化していく様子はすごくドラマティックです。
公募のワークショップではなく自主参加の勉強会で、本番のための準備や稽古でもありません。各人がのびのびと自由に、活発に、挑戦する場でした。Bunkamuraでの『るつぼ』、『民衆の敵』の上演も経て、“チーム・マンビィ”はますます充実しているようですね。いつかこの座組で『Love and Information』が上演されたら嬉しい!
↓来年、ロンドンのBridge Theatreで上演されるキャリル・チャーチル作品。
Bridge Theatreが2020年~21年に上演予定の4プロダクションを発表。キャリル・チャーチル作「A Number」(2020年2月14日~3月14日)。ポリー・フィンドリー演出でロジャー・アラム、コリン・モーガン出演。https://t.co/Y8kJwxAkpThttps://t.co/yWIDMDS0nF
— katsuki (@katsuki_london) November 12, 2019
ゴーチ・ブラザーズ「英国演出家による俳優ワークショップ(講師:ジョナサン・マンビィ)」
期間:11月5日(火)~9日(土)16時30分~19時30分
https://shinobutakano.com/2019/10/17/13797/
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