新国立劇場演劇『赤道の下のマクベス』①約2時間45分、休憩15分を含む。鄭義信さんの直球がズーン!1947年のシンガポール、チャンギ刑務所。BC級戦犯の日本人、朝鮮人が告白する南方戦線の悲惨、そして報復としての死刑。3/25まで。A席6480円 B席3240円 Z席1620円https://t.co/et7w9OGcmU
— 高野しのぶ(しのぶの演劇レビュー) (@shinorev) 2018年3月6日
↓ロビーで戯曲掲載の雑誌を販売中。
≪あらすじ≫ 公式サイトより
1947年夏、シンガポール、チャンギ刑務所。
死刑囚が収容される監獄・Pホールは、演劇にあこがれ、ぼろぼろになるまでシェイクスピアの『マクベス』を読んでいた朴南星(パク・ナムソン)、戦犯となった自分の身を嘆いてはめそめそ泣く李文平(イ・ムンピョン)、一度無罪で釈放されたにも関わらず、再び捕まり二度目の死刑判決を受けるはめになった金春吉(キム・チュンギル)など朝鮮人の元捕虜監視員と、元日本軍人の山形や黒田、小西など、複雑なメンバーで構成されていた。
BC級戦犯である彼らは、わずかばかりの食料に腹をすかし、時には看守からのリンチを受け、肉体的にも精神的にも熾烈極まる日々を送っていた。
ただただ死刑執行を待つ日々……そして、ついにその日が訪れた時……。
≪ここまで≫
『赤道の下のマクベス』②囚人たちの告白は史実を踏まえたもののはずで、情報として知ってはいても、肉声を聞くとショックを受ける。五族協和、八紘一宇への疑いから、ある人物の戦争責任に迫る場面は特に。上司に忠実な小西(木津誠之)の無実の主張に胸が痛む。無為は時に罪になる。
— 高野しのぶ(しのぶの演劇レビュー) (@shinorev) 2018年3月6日
『赤道の下のマクベス』③「いつか誰かが、このやりきれない思いを理解してくれたなら…」という無数の死者の願いを受け取ったように感じ、震えた。同劇場の鄭義信三部作(『焼肉ドラゴン』『たとえば野に咲く花のように』『パーマ屋スミレ』)にも通じる。こうやって何度でも知り直したい。
— 高野しのぶ(しのぶの演劇レビュー) (@shinorev) 2018年3月6日
『赤道の下のマクベス』④山形大尉役の浅野雅博さんは悪役(?)が素敵!尾上寛之さんのピュアな存在感、看守3人組の軽薄さも良かった。パンフの解説でインド人捕虜への言及があり、ホー・ツーニェン『一頭あるいは数頭のトラ』を思い出した。https://t.co/GMQq1PYtoZ
兵庫、豊橋、北九州公演あり。— 高野しのぶ(しのぶの演劇レビュー) (@shinorev) 2018年3月6日
ここからネタバレします。
パンフレットによると、日本版では小西の役が追加されたそうです。以下、戯曲より。
南星:捕虜監視員の試験を受けない道、野口部隊の訓練に耐えない道、鉄道隊に病気の捕虜を渡したりしない道、どんなことがあろうと、捕虜を殴ったりしない道……独立運動に身を投じる道だってあったはずだ。
春吉:(さえぎって)みんな不可能だ!
↓2018/03/09加筆
シンガポール、チャンギ収容所博物館。展示は次の証言から始まる。
「日本軍は皆飢えていた。私の家にやってきた兵隊は食べ物を要求した。その時、タバコをさし出そうとした私の祖父を兵隊はいきなり平手打ちした。私は驚いた。日本人は老人を大切にすると聞いていたからだ」 pic.twitter.com/gBd4X7yQH7— 清義明 (@masterlow) 2018年3月9日
午前中だから社会見学の小学生しかいない。
「日本軍は疑わしいとされた人を連行して殺していった。特に中国人はスパイ扱いされ何万人も殺された。これを『粛清』(チーク?)と呼んでいます」
ガイドの先生?が説明してるのが後ろから聞こえていたたまれない。日本人だと入口で言うんじゃなかったよ pic.twitter.com/F6nyfWXkBd— 清義明 (@masterlow) 2018年3月9日
基本は英豪の捕虜に関する展示だが、もうなんというか捕虜の虐待から泰緬鉄道工事の悲惨さ、「ケンペイ」の拷問の仕方、病院襲撃殺戮事件、軍票でのインフレ等々、日本統治の恐怖政治をあますところなく網羅していて、本当に韓国人とか入る時言っとけばよかったと大後悔。 pic.twitter.com/aPCr0MO3Ds
— 清義明 (@masterlow) 2018年3月9日
彼らの基本ポリシーは、
「赦しましょう、しかし忘れません」(エリザベス女王)
だからね。
まあこっちも忘れたり、すっとぼけたりするわけにはいかない。 https://t.co/kB0TtCZQHC— 清義明 (@masterlow) 2018年3月9日
白人の観光客の皆さんが続々とやってきたので撤退します。
受付のおばちゃんに、隣の教会で祈ってから帰ってねと言われてしまった。
このろうそく立ててる砂はチャンギビーチのもの。
捕虜も民間人もここで多数処刑された由 pic.twitter.com/re4P8xz38U— 清義明 (@masterlow) 2018年3月9日
お土産に板垣征四郎サイン入り日本軍降伏調印文書を買っていきます。 pic.twitter.com/k5sv86kRhb
— 清義明 (@masterlow) 2018年3月9日
≪東京、兵庫、愛知、福岡≫
【出演】朴南星(朝鮮人・捕虜監視員だった):池内博之 山形武雄大尉(日本人・大本営をまだ信じている):浅野雅博、李文平(朝鮮人・泣き虫で毎晩看守に暴行を受けている。母に手紙を書くが、母は自殺):尾上寛之、金春吉(朝鮮人・一度釈放されたが上海から連れ戻される。懲役20年に減刑され違う部屋に移動):丸山厚人、黒田直次郎(日本人・2人殺したと告白):平田満、小西正蔵(日本人・大尉を尊敬):木津誠之、ナラヤナン(シンガポール人看守リーダー):チョウヨンホ、看守A:岩男海史、看守B:中西良介
脚本・演出:鄭義信
美術:池田ともゆき
照明:笠原俊幸
音楽:久米大作
音響:福澤裕之
衣裳:半田悦子
ヘアメイク:川端富生
擬闘:栗原直樹
振付:吉野記代子
演出助手:城田美樹
舞台監督:北条孝
方言指導:岐部公好 井上祐子
韓国語指導:金世一
英語指導:鈴木なお
擬闘助手:西村悟
プロンプ:岩男海史
制作助手:冨永直子
制作:永田聖子
プロデューサー:井澤雅子
芸術監督:宮田慶子
【発売日】2018/01/20
A席:6,420円 B席:3,240円 Z席1,620円
『1984』2公演セット券(S席):10,000円
※就学前のお子様のご同伴・ご入場はご遠慮ください。お子様も1人1枚チケットをお求めください。
http://www.nntt.jac.go.jp/play/performance/16_009660.html
http://stage.corich.jp/stage/89515
https://www.facebook.com/ryosuke.nakanishi.125/posts/1507053512711834?pnref=story
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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