ニ兎社『ザ・空気』01/20-02/12東京芸術劇場シアターイースト

 永井愛さんが作・演出されるニ兎社の新作ツアー。2014年の『鴎外の怪談』でハヤカワ「悲劇喜劇」賞などを受賞されています。
   

 『ザ・空気』は現代の大手テレビ局を舞台にした、出演者5人だけの会話劇です。上演時間は約1時間45分。パンフレット(800円)には、米国人ジャーナリストのマーティン・ファクラーさんと永井さんとの対談あり。ご一読をお勧めします。

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≪あらすじ≫  エンタステージより
舞台は、とある大手テレビ局の報道局の一角。局の看板ニュース番組では、ある特集が組まれていた。海外にも取材をするなど力を入れ、デリケートな内容ゆえに慎重に扱われてきたその特集だったが、放送の数時間前になって、局の上層部から内容変更を命じられ、現場は大混乱に陥る。
「いったい、なぜ今になって・・・」
様々な思惑が交錯し、現場の“空気”が徐々に変わっていく中で、対応を迫られるテレビクルーたち。果たして、無事に放送することができるのか?オンエア開始時間は、刻一刻と近づいてくる―!
≪ここまで≫

 舞台は灰色の高い壁とドアに囲まれた社内。シャープなデザインで生活臭が全くなく、ちょっと息苦しさも感じます。登場人物はエレベーターや各部屋のドアを出入りして、オフィスの色んな部屋に移動します。ドアの上に表示される非常口のマークなどが、今、どこにいるのかのヒントになります。

 現政権下で、日本の報道の自由は脅かされています。ただ、題名の通り、私たち自身がなんとなく周囲の空気を読もうとすることも原因ですので、政権だけのせいではないですよね。なぜ、空気を読むようになってしまうのか。このお芝居の登場人物の行動を見ていると、その理由がわかってきます。大切な人を守るために、社員を守るために、生きるために、よかれと思って、そうせざるを得ない状況に追い込まれていくのです。そういう状況を作らないために、何ができるのかを考えたいですね。

 配役というのか、キャスティングが見事だと思いました。俳優さん個人の雰囲気が、各役人物に合っています。“かっこいいだけ”の薄っぺらい役がありませんでした。

 ここからネタバレします。後日公開予定。

 ■「電波停止」発言をした高市早苗総務相について

 ■安倍政権とメディアの癒着

 ■共謀罪

2017 都民芸術フェスティバル参加公演
≪埼玉、東京、三重、愛知、長野、山形2か所、宮城、岩手、兵庫、滋賀≫
出演:田中哲司、若村麻由美、江口のりこ、大窪人衛、木場勝己
脚本・演出:永井愛
美術 ┈ 大田創
照明 ┈ 中川隆一
音響 ┈ 市来邦比古
衣裳 ┈ 竹原典子
ヘアメイク ┈ 清水美穂
演出助手 ┈ 鈴木修
舞台監督 ┈ 澁谷壽久
宣伝美術 ┈ 永瀬祐一
宣伝写真 ┈ 西村淳
票券 ┈ 熊谷由子
制作協力 ┈ 飯野千恵子
制作 ┈ 安藤ゆか・山田茜音
主催 ┈ 二兎社
共同制作 ┈ 富士見市民文化会館キラリふじみ/穂の国とよはし芸術劇場PLAT
助成 ┈ 芸術文化振興基金/都民芸術フェスティバル
一般5,600円 25歳以下割引3,000円
高校生以下1,000円 ※未就学児童の入場不可。
http://www.nitosha.net/kuuki/
https://www.facebook.com/nitosha1981/
http://www.kirari-fujimi.com/program/view/489
http://enterstage.jp/news/2016/10/005837.html

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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