人形劇団望ノ社『グリーンマン(GREEN MAN)』10/25-10/27プーク人形劇場

 『宇宙カバ』が面白かったので、再び望ノ社(もちのしゃ)の公演に伺いました。

≪あらすじ≫ https://stage.corich.jp/stage/103265
時は中世。ヨーロッパのある深い森の中、美しい魔女によって、その姿を木へと変えられてしまった男がいた。ふたたび人間の姿に戻るため、一度は恋に落ちたその魔女を、男はひたすら探し求める。その存在はやがて伝説となり、人々の間で「グリーンマン」として語り継がれる。
そして現代。あれから1000年の時を経て、誰も知らないグリーンマンの秘密を、今ここで解き明かす。
≪ここまで≫

 ここからネタバレします。時系列を間違っている可能性大です。急いでメモしたせいもあり、正確性は全く保証できません。

 キリスト教世界を広めるため、身近に敵を捏造して民意を煽ってきた教皇軍は、ある兵士に、森に住む魔女を殺せと命じる。兵士は森で迷い(犬の案内を勘違いし)、自分で崖から落ちてしまう。怪我をした兵士を助けたのは魔女だった。彼女は目が見えなくなった兵士を献身的に看病し、男女の関係も結ぶ。彼女は兵士に「息を吸って、吐くこと」を教えた(ヨガのよう)。やがて両目の視力も回復した兵士は、彼女に自分の任務の何もかもを打ち明けた。一緒に教皇の元へ行き、許しを請おうと持ちかけるが、彼女は激怒する。

 兵士が森に出かけてもう一年が経っていた。とうとう他の兵士たちが森に入ってきて、彼女の家を焼き尽くした。魔女を守れなかった兵士は街に戻るが、自堕落な生活しかできない。再び森の中の魔女の家を訪れると、灰しか残っていない…と思いきや、怒った彼女が現れ、彼を木にしていまう。

 兵士は巨木に成長し、やがて人間だった時を忘れるが、ずっと魔女に会いたいと思っている。木は彼女に教えてもらった「息を吸って、吐くこと」を思い出し、木から霊魂のみ脱出する技を身につけた。木は木の葉に覆われた人間=グリーンマンとなった。

 ある時、自分の根元に少年がいることに気づく。貧しい村から逃げてきたのだ(親に売りとばされそうになったので)。グリーンマンは少年に食べられる木の実の場所を教えるなどして、生き抜く術を与えた。少年は家族のもとに帰り、村を救う。村では「グリーンマン祭り」が開かれるようになった。

 助けられた少年は絵本「大きな木」のように、よく木(=グリーンマン)を訪ねるようになる。しばらく来ない時期があったが、少年は大人になって「グリーンマン」というパブを開店していた。少年は年老いて、孫娘を連れてやってきた。それがグリーンマンと少年が会った最後だった。孫娘が再びやって来た時、少年は骨壺に入っていた。木はその後、何十年もかけて、やっと少年にしてあげたかったことができた。枝を伸ばして骨壺を抱きしめたのだ。

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 グリーンマンは空を飛び、いろんな場所で魔女を見つける。彼は、戦争に行く夫を止める妻や絶滅寸前の大亀の世話をし続けた男など、心優しい庶民の中に、魔女の姿を見いだしていたのだ。「君が見える」という歌が素晴らしい。

 時が経つ。車が行き交い、電飾が煌々と輝く都市で、グリーンマンの周囲の木々は次々に切り倒されていった。邪魔な木を刈ってしまいたいと目論む金持ちがいた。金持ちは政治家になってその願いをかなえようとするが、選挙で大敗。逆上した金持ちはチェーンソーを持ち出し、グリーンマン(木)を根元から切ってしまう。木(=グリーンマン)は倒れる際に、金持ちを下敷きにしてしまった(グリーンマンは金持ちにやめるように優しく言っていたのに)。

 帰るべき体(=木)を失ったグリーンマンは霊魂のまま浮遊していた。獣類、菌類と再会し、彼らに「魔女の名前を思い出せば会える」と教えてもらう。人類はどうやら絶滅したようだ。どこも廃墟だらけになった、朽ち果てた地球を飛び回った。そこで花を見つけた。魔女の家にいた時、彼女に初めてプレゼントしようとした花だ。魔女は「花を抜いたりしないで、そこで咲いていてほしいから」と言っていた。そしてグリーンマンは魔女の名前を思い出した。「フローラだ!」 その瞬間、目の前に魔女が現れた。

 魔女は「あなたは本当は兵士ではない。あなたは自分の幹で首を吊って死んだ兵士の心を覗いているうちに、自分が兵士だと思い込んでしまったの」と衝撃の事実を伝える。グリーンマンは人類が滅びてしまったことを悲しみ、後悔していた。魔女は「あなたは自分が想像した未来にいるだけ。だから戻ればやり直せる」と言う。このまま残れば魔女と一緒にいられるのだが、グリーンマンは戻ることを選んだ。

 時間をさかのぼると、都会で金持ちがチェーンソーを振り回しているところだった。グリーンマンは倒れてくる木から金持ちを守った。警察が捕まえに来ると、金持ちは「誰かが自分を助けてくれた、ほら、あそこにいる…!」と指をさす。すると大きな切り株の上にグリーンマンの姿があった。警察にもその姿が見えたようだ。

 グリーンマン(の着ぐるみを着た演者)が舞台上に現れ、人間(観客)に「息を吸って、吐くこと」を伝える。「あなたたちの中に(魔女の優しい心が)ある。それが(希望の)光だ」「今ならまだ間に合う」とも。スクリーンに映る影絵の森には朝日が昇っていた。

出演:ダニエル・ウィッシーズ 矢内世里 タマ伸也(WAHAHA本舗) エリオット・ロラン
脚本:ダニエル・ウィッシーズ
演出:矢内世里
音楽:エリオット・ロラン
制作:清水聡美
宣伝美術:岸田僚子
小道具・衣装:ヤノミ(小心ズ)
主催:望ノ社
協力:WAHAHA本舗
助成:芸術文化振興基金、Canada Arts Council
【発売日】2019/08/25
前売券 3,000円
当日券 3,500円
前売+ワークショップ参加券 4,000円
10月26日(土)10:30-12:00 影絵体験ワークショップ
※チケット購入時、「前売+ワークショップ参加」券を選択ください。公演前日までのお申込みとなります。
https://www.mochinosha.com/greenman
https://stage.corich.jp/stage/103265

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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