二兎社『ザ・空気 ver.2 誰も書いてはならぬ』06/23-07/16東京芸術劇場シアターイースト

 記者クラブが舞台の永井愛さんの新作。誰がモデルなのかがはっきりわかる政治ネタに大笑いしながら、なぜ今、劇場でこの時間が作られているのかと冷静に考えざるを得ない。笑いながら冷やっとする約1時間45分。松尾貴史さんの出演そのものが批評的。

 以下、短文レビューです。

≪あらすじ≫ カンフェティより
二兎社「『ザ・空気 ver.2』~誰も書いてはならぬ~」が6月から9月にかけて、東京はじめ全国各地で上演される。

本作は、2017年に初演された「ザ・空気」を、バージョンアップさせた永井愛の新作。今回の舞台は、報道各社の政治部が入居する国会記者会館。そこに集まった5人の記者たちは、ある出来事を巡り、それぞれの立場や考えの違いを明らかにしていく。出演者は、安田成美、眞島秀和、馬渕英里何、柳下大、松尾貴史。
≪ここまで≫

 場所は記者クラブの屋上。記者会見を間近に控える総理に宛てたある文書が見つかり、その取扱い(隠ぺい?公開?)について各新聞社の担当者らがもめる。

 ⇒2017年1月に上演された『ザ・空気』のレビュー
 ⇒雑誌「悲劇喜劇」(2017年5月号)の演劇時評

 ここからネタバレします。

 重要人物たち(安倍総理、麻生大臣、菅官房長官ら)からひっきりなしにスシメディア(松尾貴史)に電話がかかってくる。松尾さんの安倍首相のものまねが上手い! こういうコントをテレビでやっていないから、劇場でやったんじゃないかと想像。ウーマンラッシュアワーの漫才を思い出した。

 ネットメディア(安田成美)が最後につぶやく「メディアを恨むな、メディアを作れ」という言葉は個々人に向けられていて、自分(=私)で発信しろってことだと思った。

公演42
≪埼玉、東京、三重、愛知、長野、岩手、山形二か所、山口、福岡、兵庫、愛知、滋賀≫
出演:安田成美、眞島秀和、馬渕英里何、柳下大、松尾貴史
脚本・演出:永井愛
美術:大田創
照明:中川隆一
音響:市来邦比古
衣裳:竹原典子
ヘアメイク:清水美穂
演出助手:白坂恵都子
舞台監督:増田裕幸
宣伝美術:永瀬祐一
宣伝写真 :西村淳
票券:熊谷由子
制作協力:飯野千恵子
制作:安藤ゆか
【発売日】2018/04/21
【全席指定】前売当日:一般6,000円 25歳以下:3,000円 高校生以下割引:1,000円
http://www.nitosha.net/kuuki2/
http://stage.corich.jp/stage/91433

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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