まじんプロジェクト「くれない坂の猫」4/10まで@ザ・ポケット
長田育恵さんの戯曲が素晴らしい。それが伝わる上演でした。新国立劇場演劇研修所の修了生4人が出演。ベテラン俳優も魅力的。前売り4500円の人情喜劇。高くない。驚いた。https://t.co/JuNOXWSDB9— 高野しのぶ (@shinorev) 2016年4月8日
⇒CoRich舞台芸術!『くれない坂の猫』
≪「くれない坂の猫」が生まれた背景≫ CoRich舞台芸術!より
大阪生まれのわたしにとって、子供の頃に体験したエキスポ・大阪万博の思い出は大きい。
小学校の遠足でも行った。
山を切り開いて万博会場を作り、新興住宅地・千里ニュータウンが出来た。
「人類の進歩と調和」に向かって様々なものが開拓され、科学に啓蒙された一時代である。
反面、わたしが生きた下町では、あいも変わらぬ生活が待ち受けており、
そこに隣人としての在日韓国人が数多く居た。
同じ街で生きていても文化の違いは大きくて、隣り合っているからこそ互いが反面教師になることもあった。
科学や生活様式がどんどん進む一方で、同じ速度で隣人との溝を埋めるのは難しかった時代だ。
子供の頃のわたしの周囲には日韓の国際結婚が多かったが、若い男女の情熱だけではままならぬ事もあったとみえて、離婚する人もまた多かった。
大人も子供も互いに何気ないふりをして、実は煩雑な心の手続きを各自こっそりやりながら小さな国際交流をしていた気がする。
そんな面倒臭い子供時分のあれこれを、子供のわたしの目でなく、親の世代の物語として残してみたくなった。
東京の劇団では過去に「新宿梁山泊」や、故・マルセ太郎さんらが朝鮮人側から日本生活を描いた作品はあるが、日本人が感じる朝鮮人との関係を描いた作品はほとんど無かったのではないかと思う。
朝鮮人側からであれば笑い話や冗談ですむ話も、日本人側から書く場合は、必要以上に差別的にならぬよう非常に神経を使う。
けれど、気を使いすぎるとそれは嘘の表現になる。
ハードルが高いのである。
だから長田育恵さんも苦労しながらこの作品を書き上げて下さった。
しかも相当に切り込んで下さった。
わたしや在日の友人の体験談を丹念に聞き取り、感動作に仕上げて下さった長田育恵さんの勇気と才能に敬意を表するばかりである。
わたしが子供の頃に感じた「隣人との進歩と調和と不調和」を少しでも共感してもらえたなら幸いである。
奈良谷優季
≪ここまで≫
■感想ツイート
「「くれない坂の猫」感想まとめ」をトゥギャりました。 https://t.co/vitKfaKjZd
— キダハシワークス (@kidahasiworks) 2016年4月7日
@atsushi_terau 迷い、てらいゼロの演技、素晴らしかったです。一心不乱または純粋一直線、もしかするとバカ丸出し…すなわち人間。捨て台詞が刺さりました。マチソワ連続ですね、どうぞ千秋楽までスリリングな舞台を見せてくださいませ!
— 高野しのぶ (@shinorev) 2016年4月8日
中野ザ・ポケットで『くれない坂の猫』を観てきました。
大阪万博を控えたとある街の整骨院が舞台で、在日問題というデリケートで難しいテーマを扱った作品。作る側演じる側双方に大変だったんだろうなぁって思った。主人公の琴実に感情移入して観ていて辛くなる部分も多々あったけど→続く— 花見酒雪見酒 (@rumpineestm1973) 2016年4月8日
↓そう、『焼肉ドラゴン』と同じ時代、テーマでもあるんだよね。日本人側の日常が土台になってるから、光の当て方が違う。万博を控えた関西は、オリンピックを控えた東京と当然重なるから、その意味の臨場感もあった。
— 高野しのぶ (@shinorev) 2016年4月8日
■演出家、出演者のツイート
今、もっとも勢いのある劇作家のひとり長田 育恵の傑作「くれない坂の猫」稽古も折り返し。ものすごく真摯な俳優が集まった。ベテランが若者を、若者がベテランを尊敬し合う稀有な現場。
— 田中圭介 (@keisuke_tanaka) 2016年3月18日
「くれない坂の猫」稽古も佳境。未だに発見があり、良い意味で仕上げにかからない。トライ&エラーとディスカッション、検証を繰り返す。こんな健全な稽古場なかなか無い。全員がより深いところへとダイブしようと、空気をいっぱいに吸って、飛び込む。良いチームが生み出す作品は良いに決まってる。
— 田中圭介 (@keisuke_tanaka) 2016年3月31日
セリフが、そしてト書きにそう書いてあるから、がほんとに起きるかどうかわからない稽古場。通し稽古だからってほんとに最後まで通されるかどうかわからない稽古場。なんてスリリングで疲れる、そしておもしろい稽古場なんだろう。人生は一寸先は闇。芝居もほんとは一寸先は闇のはず。
— 窪田壮史 (@mizkurage) 2016年3月27日
明日から公演が始まる(と、言っても10日には終わる。。)「くれない坂の猫」は4年前に初演、今回は再演になる。このくらいの歳になると、4年は意外とあっと言う間なんだけど、自分演劇史的には様々な出来事があって、だから、全く新しい作品を作っている感覚だった。
— 田中圭介 (@keisuke_tanaka) 2016年4月5日
端的に言うと、演出・戯曲を重要視していた初演よりも、ずっとずっと俳優を重要視するようになった。なんとも不思議なことに、俳優を重要視した結果、戯曲の、言葉の深さに改めて気づかされた。
— 田中圭介 (@keisuke_tanaka) 2016年4月5日
1969年、大阪、万博の前年、在日問題、許されぬ恋…。その世界に生きようと、ディスカッションと稽古を繰り返してきました。年度初めのお忙しい時期かと思いますが、もしご都合つきましたら、ぜひお越しください。
— 田中圭介 (@keisuke_tanaka) 2016年4月5日
「くれない坂の猫」本日、初めて全容が見えました。通し稽古、という名の全てのシーンを本番と同じように繋げて稽古する、という日でした。こんなにも新鮮で、こんなにも生き生きとした通し稽古を自分は初めて経験した。勇敢な俳優たちに感謝!
— 田中圭介 (@keisuke_tanaka) 2016年3月23日
【ブログ更新】くれない坂のごあいさつ https://t.co/pBoRMqBk3T #ametwi
— 荒巻まりの (@mar_ino) 2016年4月18日
■出演者と飲む会が開催されました(私も参加)
『くれない坂の猫』3日目。
作家の長田さんの言葉もあってわたしの中でようやく無理せず繋がったかんじ。まだまだ発見する。
終演後、観に来てくれた新国の1、5、6、7、8、9、10、11期がいるというとても楽しい飲み会!提案してくれたしのぶさん、来てくれた皆様ありがとうございました!— 荒巻まりの (@mar_ino) 2016年4月8日
【新国立劇場演劇研修所の集い】
こういう出会いの場所を作る、何かを始めるひとでありたい。
この機会を作ってくれた方々に感謝!すんばらしい夜でした pic.twitter.com/hlGFDaf6en— 黒住尚生 (@kuro9623130) 2016年4月8日
【ブルージャケットリオ】
左から新国立劇場演劇研修所7期 寺内さん、10期 海史さん、11期 自分何かが起こる前兆やと思うし、大好きな人達。出会いに感謝! pic.twitter.com/W5QdwNKNAV
— 黒住尚生 (@kuro9623130) 2016年4月8日
【出演】琴実(主人公)・医師のめい:荒巻まりの 怪我をした在日朝鮮人・琴実が思いを寄せる:窪田壮史 医師:剣持直明 落語家(帰化した元在日朝鮮人):田代隆秀 医師の妻・琴実の姉:常石梨乃 中華料理屋の店主:てるやひろし 佐久間亮平(患者・肉体労働者):大久保洋太郎 怪我をした在日朝鮮人の同胞(パク・ヨンチョル):寺内淳志 高橋浩一(エリート医師・琴美の婚約者)関幸治 浩一と琴美の仲人:二木咲子 怪我をした在日朝鮮人の妹(ホン・イファ):西園ゆうゆ 整骨院の大家:遠藤哲司 佐久間露子(佐久間の娘):荒木知佳 琴実の母:奈良谷優季
脚本:長田育恵(てがみ座) 演出:田中圭介
舞台監督:田中聡 照明:赤石諭 音響プラン:近藤達史 舞台美術:遠藤てつじ 衣裳:阿部美千代 演出助手:中島陽香 小針翼 Web・宣伝美術:大沼修一 タイトル題字:おかめ家ゆうこ スチール撮影:石崎五義雄 映像撮影:PLASTIC RAINS たきしまひろよし
制作:J-Stage Navi 早川あゆ
協賛:株式会社ステージリンク
大阪弁監修・指導:奈良谷優季
総合企画:奈良谷優季(まじんプロジェクト主宰)
主催:まじんプロジェクト
前売り4500円 当日4800円 リピーター割引2000円
公式:http://www.majin-project.jp/2015/10/12/%E3%81%8F%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E5%9D%82%E3%81%AE%E7%8C%AB/
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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