昨年の「12月の気になる舞台」で以下のように紹介した公演です。
日韓の俳優が出演するKAAT×東京デスロック『外地の三人姉妹』は、傑作『가모메 カルメギ』を生み出したソン・ギウン(翻案・脚本)×多田淳之介(演出)の再タッグ。
ありがたいことに韓国の動画配信サービスで無料で全編拝見することができました(⇒こちら)。面白かった…カーテンコールでは私もテレビの前で拍手しました。お薦めです。4/11までは無料、4/12から7/11までは有料配信という噂です(未確認)。
KAAT×東京デスロック『外地の三人姉妹』を配信で。噂によると4/11まで無料、その後有料(未確認)。https://t.co/ipVwDHUpxn
大筋は原作に忠実で、いわゆる「生きていかなくちゃ」の後が濃厚。長男の妻役のアン・タジョン(안다정)さんが素晴らしい。彼女が泣く度に大笑いし、歌と踊りにも魅せられた。— 高野しのぶ🌹(しのぶの演劇レビュー) (@shinorev) April 10, 2021
チェーホフ作『三人姉妹』を日本統治時代の朝鮮に置き換えた日韓合制作の舞台。家のテレビで映像を見た感想ですが、すごく面白かったです。とってもおすすめです。国旗の使い方も、POPSと懐メロの選曲も、舞台上に置かれた茶色い小道具たちも。
— 高野しのぶ🌹(しのぶの演劇レビュー) (@shinorev) April 10, 2021
その後有料というのはこのサイトに書いてあるようでした。ただ、他の作品の購入手続きを見てみたところ、日本で使えるカードは選択できない=買えないかもしれません。https://t.co/ivRrXusFEu
— h a t o (@hatoincident) April 11, 2021
※レビューは記録のみ。
≪あらすじ≫ https://www.kaat.jp/d/ThreeSisters2020
1930年代、朝鮮半島の北部にある日本軍が゙駐屯している都市、亡くなった将校の息子と三人姉妹が住んでいる屋敷。息子は朝鮮の女性と結婚し、姉妹はいつか故郷である東京に戻ることを夢見ている。戦争へ向かう帝国軍人達の描く未来像、交差する朝鮮人の想い、姉妹達の日本への望郷の想いとは・・・
≪ここまで≫
2013년 <가모메>로 동아연극상을 수상했던
성기웅, 타다 준노스케가 다시 만났습니다!👯♂️외지의 세 자매
2021.4.9(금)~4.11(일) @플레이슈터 https://t.co/MEfdoAdv9C#온라인무료상영원작. 안톤 체홉 ‘세 자매’
재창작. 성기웅
연출. 타다 준노스케 pic.twitter.com/2br8rZ3Uim— 두산아트센터 (@DoosanArtCenter) April 4, 2021
わあ、本当だ!韓国で配信されるって、そういやそんな話を耳にしてた、『外地の三人姉妹』が配信されてるよ!https://t.co/vxD4dIKkB8
会員登録が必要ですが、4月11日まで無料で観れて、4月12日〜7月11日は有料配信みたい。
— うえむらじゅんこ(劇団衛星) (@junkosans) April 9, 2021
KAATで収録された「外地の三人姉妹」、登録すれば日本からも無料で視聴できました。字幕は韓国朝鮮語しか出ないけど。公式のツイートによれば4/11までみたい。https://t.co/cUiAQhpczk
— h a t o (@hatoincident) April 9, 2021
ちなみに無料だよ。
チェーホフ「三人姉妹」の舞台を1930年代の朝鮮半島北部に置き換えて、日本軍将校の娘たちの話になってるの。日韓の俳優で上演。詳しいストーリーはここ↓https://t.co/lBnvOpLqO7
— h a t o (@hatoincident) April 9, 2021
↓2021/04/11加筆
ソン・ギウン翻案/多田淳之介演出『外地の三人姉妹』は「舞台をロシア帝政末期の田舎町から1930年代の朝鮮北部」日本軍駐屯地に置き換え、亡くなった将校の息子と三人姉妹が、現地の日本人・朝鮮人たちと織りなす物語として再構成。韓国のサイトで今日まで観られるみたい。https://t.co/yBQwIXib2d
— Miho Morioka 森岡実穂 (@MoriokaM) April 11, 2021
この設定の面白さの一例としてイリーナをめぐる人物造形を。ソリョーヌイは外地で国粋主義が強化された日本の軍人。トゥーゼンバブは日朝の両親を持つ良家の息子でエスペラント語を学び最後は日本名に改名し彼女と共に日本企業で働こうとしていた。原作とアジア史の共鳴、そして現代に連なるエコー。
— Miho Morioka 森岡実穂 (@MoriokaM) April 11, 2021
これはぜひ日本でも全編の映像を公開してほしいものですが、とりあえず今日なら観られるので、チェーホフ好きな方はぜひ。国際交流基金があらすじも出しています。https://t.co/LADIGsoHDr
— Miho Morioka 森岡実穂 (@MoriokaM) April 11, 2021
外地の三人姉妹のBTSに驚いたみんなへ、過去はこんな感じです https://t.co/VGKm87xAtG
— h a t o (@hatoincident) April 11, 2021
韓日の歴史とチェーホフ「三人姉妹」が重なる構成、そして現代へ。
作成を担当した当日パンフレットでは年表や用語集なども盛り込みましたが、劇中にもガイドが引かれているので難しいということはないと思います。配信だと自分で調べたりもしやすいのは良いところだなと! https://t.co/4iarGR3NWc— Momoko Kawano * 河野桃子 (@momo_com) April 11, 2021
外地の三人姉妹 외지의 세 자매
情報を得てみて良かった。
案外、怪作だった。チェーホフの三人姉妹が基底にあるので出来事が静的な悲喜劇だが、韓国の劇作家さんは一筋縄でない。
ハングル字幕は台詞以外に、一部歴史用語も簡易解説を時折入れていたようだ。
(以下、多少ネタバレあり) https://t.co/Jks7Mf749F— しぇんて (@shiente) April 11, 2021
舞台は日本が統治時代の朝鮮の日本人のお屋敷がメインだが、床に太極旗の陰陽(青赤)、奥には日の丸が映る。時代を映し朝鮮人蔑視な台詞も出たり、嫁いだ朝鮮人の妻の鬱憤が出たり。
— しぇんて (@shiente) April 11, 2021
HGウエルズの未来小説から未来を予想する逸話があるが、その場面を見ながら、過去の史実が分かっている観客には朝鮮にいる日本人(家族)に真っすぐ幸福は訪れはしないことを予期させる二重効果がある。
— しぇんて (@shiente) April 11, 2021
前半に朝鮮人の恋人がいる兄がK-POPで登場するのは演劇あるあるだけど、冬ソナ風の曲かけながら旭日旗の円がハート型からの実らぬ恋のシーンてのは日韓合作で了解済みとは言えやり過ぎな感はある。
— しぇんて (@shiente) April 11, 2021
ただその旗の演出は終戦(朝鮮からは解放)した後に朝鮮人役の俳優が舞台を片付けて綺麗にし朝鮮民族舞踏する演出。
朝鮮にとってこの家族と屋敷は(当人たちに加害意識が投じなかったとしても)本来はあってはならないモノだったことが示される。— しぇんて (@shiente) April 11, 2021
日本人側には歴史に翻弄される言い訳な甘さは残るが、旭日旗が出てきても鬼滅とは異なり、歴史の暗部たる加害国に日本の象徴としてだと劇終までに異議が判明し、現代日本人にも朝鮮に対しやらかしたことをきちんと突き付けている。
— しぇんて (@shiente) April 11, 2021
日韓・韓日の俳優が演じ、韓日・日韓どちらもネットで鑑賞でき、劇場の観客(ほとんど日本人だろう)が拍手しているのを見る。観た方により感想は異なろうが意義がある作品・配信だろう。
— しぇんて (@shiente) April 11, 2021
↓2021/04/12加筆
【外地の三人姉妹】配信を視聴。チェーホフ作「三人姉妹」の設定を1930年代の朝鮮北部に。1960年代のビアフラ戦争下のナイジェリアを舞台にしたNTのイヌア・エラムズ版と切り口は同様だが、「가모메 カルメギ」コンビのソン・ギウンと多田淳之介が大胆かつ緻密に自らの国々の物語として馴染ませた。
— katsuki (@katsuki_london) April 11, 2021
【外地の三人姉妹】周囲の人々に厚みを持たせた同プロダクションで散見されるのは、統治する側の日本人から使われる側である朝鮮人、そして帝国軍人である男性から女性に対する蔑視的、嘲笑的な言葉や行動の数々。また、第4幕における昌子(マーシャ)の感情の発露などはかなりデフォルメされていて
— katsuki (@katsuki_london) April 11, 2021
【外地の三人姉妹】悲劇に酔うコメディエンヌ的な様相すら呈しており、3人の姉妹は観客が共感を寄せる対象としてのみ描かれてはいない。むしろ登場人物たちが次々と舞台を去り、最後に残った数人の声なき思いが舞台上に漂い、心に染み入った。
— katsuki (@katsuki_london) April 11, 2021
【外地の三人姉妹】「外地の~」とエラムズ版「三人姉妹」ともに戦争の影響が色濃く投影されており、登場人物たちの立場の違いと複雑さが際立つ。なかでもナターリア(前者ではソノク、後者ではアボセデ)は国や民族の違いによる孤独・孤立が彼女の発言や行動、強さにつながっていることが見て取れる。
— katsuki (@katsuki_london) April 11, 2021
「外地の三人姉妹」を鑑賞して面白いと思った人、現在、NTの配信サーヴィス「National Theatre at Home」でイヌア・エラムズ版「三人姉妹」がレンタル可能なので、観比べてみても。https://t.co/ueUVyveuux
— katsuki (@katsuki_london) April 11, 2021
【出演】
長女・福沢庸子(独身/電気のない漁村で教頭になる):伊東沙保
次女・倉山昌子(大佐に惚れる):李そじん
長男・福沢晃(内地の大学教員になれず朝鮮で議員に/妻を寝取られる):亀島一徳
三女・福沢尚子(若い兵士たちにモテまくる/電信局、カフェでの労働に疲労/朴と婚約するが決闘で死ぬ):原田つむぎ
長男の妻・董仙玉(トン・ソノク、とう・せんぎょく):アン・タジョン(안다정)
次女の夫・倉山銀之助:夏目慎也
老医師・千葉哲人:高橋ひろし
大佐・磯部史郎(次女と相思相愛):大竹直
朴智泰(ぼく・ともやす、パク・ジテ/軍人をやめて三女と結婚/混血)田中佑弥
中佐・相馬僚(三女に横恋慕/南方への出兵が決まり朴と決闘):波佐谷聡
東北出身の若い兵士・木戸伝平(火事ですべてを喪う/南方へ出兵):松﨑義邦
仙玉の愛人ヤナイハラの使用人・黄斗伊(ファン・ドゥイ):イ・ソンウォン(이성원)
高齢の家政婦サヨ(長女とともに漁村へ移住/後半から認知症っぽい):佐山和泉
カンナン(長男の妻・仙玉が連れてきた若い朝鮮人家政婦):鄭亜美
翻案・脚本:ソン・ギウン
演出:多田淳之介
ドラマトゥルク:イ・ホンイ
翻訳:石川樹里
美術:乘峯雅寛
照明:岩城保
音響:星野大輔
衣裳:阿部朱美
ヘアメイク:国府田圭
演出助手:相田剛志
通訳・字幕製作:藤本春美
方言指導:桂吉坊(大阪弁)、佐藤誠(津軽弁)、田中美希恵(長州弁)
プロダクション・マネージャー:佐藤大祐 山田貴大
舞台監督:橋本加奈子 小金井伸一
演出部:横川奈保子
照明オペレート:神山真輝
字幕操作:大島智恵
衣装部:木下明美 柿野彩 寺岡寛恵 藤林さくら
衣装協力:東京衣装株式会社 世田谷パブリックシアター技術部
大道具:美術工房拓人 C-COM
小道具:高津装飾美術
宣伝美術:畑ユリエ
記録映像監督・編集:須藤崇規
記録映像撮影:須藤崇規 樋口勇輝 宮田真理子
制作:林有布子
制作助手:本郷麻衣
広報:森明子 菅原渚 佐藤想子 中嶋幸
営業:大沢清
票券:東妙成巳
プロデューサー:澤藤歩 服部悦子
事業部長:堀内真人
芸術監督:白井晃
制作協力:第12言語演劇スタジオ
企画製作・主催:KAAT神奈川芸術劇場 一般社団法人unlock /東京デスロック
助成:芸術文化振興基金 公益財団法人日韓文化交流基金
【発売日】2020/11/21 全席指定
一般:5,000円
U24チケット(24歳以下): 2,500円
高校生以下割引:1,000円
シルバー割引(満65歳以上):4,500円
※未就学児童はご入場いただけません。
https://www.kaat.jp/d/ThreeSisters2020
http://deathlock.specters.net/index.php?e=91&PHPSESSID=4206c9f647c3b9520a2cb8037eb4d373
https://stage.corich.jp/stage/109928
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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