新国立劇場演劇研修所第9期生公開授業発表『七本の色鉛筆』02/26-27芸能花伝舎内・新国立劇場演劇研修所実習室

 修了を間近に控えた新国立劇場演劇研修所第9期生による、公開授業発表の初日を拝見。約2時間、休憩なし。田中麻衣子さん演出の無料公演です。

 ≪あらすじ≫ 当日配布のチラシ兼パンフレットより
 喜多家は、大学教授の父と末娘が双生児の七人姉妹。ものがたりは、家族を支えていた母・みちるの死から始まります。次女・菊の言葉を発端に次々と明らかになっていく家族の内情。それを家族全員で受けとめていく喜多家の八人。八年後、姉妹がそれぞれの道を歩み始めたころ、小さなバッグをぶらさげた末娘の巴絵が帰省する。再び姉妹の人生が転がり出す…。
 ≪ここまで≫

 発表会ですから照明、美術の助けはほぼなく、俳優の演技だけで戯曲を立ち上げています。座組み全体で戯曲を研究して、真剣に取り組んでいるように感じました。研修所内ならではの至近距離で、まさに素っ裸といえる若い俳優の今を見せていただけました。出番が少ない目の俳優は照明オペ等も担当してるそうです。

 観ている間は物語に集中でき、終わってから「いい戯曲だ…」としみじみ思えました。個々には様々に課題があるでしょうし、まだまだこれからというところでしょうけど、戦後を生きた、ある平凡な七姉妹とその父母の人生に触れて「ああひとのしあわせなんてわからない」と物悲しく笑みを浮かべて帰路につけるのは、観客にとっての幸運だと思います。

 いい女優が大勢揃っていた時代の文学座で上演され、あて書きだったとのこと。七姉妹が登場する戯曲は珍しいし(七姉妹そのものが珍しい!)、上演自体も貴重なのでは。※俳優養成所での上演はよくありようです。

 タイムテーブル:
 2/26(金) 18:45
 2/27(土) 13:00/18:00

 以下、私と同じ回をご覧になったお客様のツイートです。

【出演】
父(大学教授・喜多):清水優譲
恵子(長女):加茂智里
菊(次女):岡崎さつき
みな子(三女):髙橋美帆
まり(四女):宇田川はるか
明子(五女 23歳):岩澤侑生子(7期生)
文代(六女 20歳):竹内香織
巴絵(七女 20歳):八幡みゆき
みちる(母 30歳):竹内香織
田所(40歳):草彅智文
みな子の夫:草彅智文
宮島(35歳):村岡哲至
女子修道院院長:宇田川はるか
少女時代の菊:加茂智里

作:矢代静一 演出:田中麻衣子(新国立劇場演劇研修所アソシエイト・ディレクター)
協力:矢代静一事務所 矢代朝子
照明・音響操作:9期生
大道具・小道具製作:9期生
チラシイラスト:髙橋美帆
協力:竹内正史 国広和毅
無料、要予約
https://www.facebook.com/nnt.dramastudio.tokyo/posts/1100576803297218

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガ↓も発行しております♪

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台

   

バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ