欠かさず見るようにしているナショナル・シアター・ライヴ(⇒前回のレビュー)。今回も母と行けました…!がんばった!
『フォリーズ』は1971年初演のスティーヴン・ソンドハイムさん作詞・作曲のミュージカルで、トニー賞最優秀楽曲賞受賞作です。ナショナル・シアターで2017年にドミニク・クックさんの演出で上演されました(映画冒頭のインタビューより)。同劇場では1987年(だったかな?)以来の上演だったとのこと。
10/19(金)より公開『フォリーズ』の上映時間は2時間37分、休憩なしです。
冒頭〜3:57
プレゼンター挨拶&ディレクターインタビュー
3:57〜10:24ソンドハイム インタビュー
00:10:24〜02:33:02 フォリーズ本編
02:33〜02:36:31 エンドクレジットぜひ多くの方に観て頂けたらと思います♪ pic.twitter.com/vrnPpKAGRS
— ナショナル・シアター・ライヴ (@ntlivejapan) 2018年10月15日
パンフレット(800円)によると、出演者37人、ミュージシャン21人という大きなプロダクションで、装置も衣装も豪華!2018年のローレンス・オリヴィエ賞で最優秀ミュージカル・リバイバル賞、最優秀衣裳デザイン賞(ヴィッキー・モーティマー)を受賞しています。2019年2/4~3/26までオリヴィエ劇場で再演予定。
2時間35分(休憩なし)はちょっときつかったですが、もともとの上演が休憩なしだったんですね。
≪あらすじ≫
ワイスマン劇場が取り壊されることになった1971年、『ワイスマンズ・フォリーズ』というショーに出演していた女性たちの同窓会が開かれる。夫と一緒に参加する者もあり。かつて恋人同士だった2組の夫婦が再会し…。
≪ここまで≫
1941年に19歳だった男女が、30年後の同窓会で再会します。演出のドミニク・クックさんが冒頭のインタビューで「自分が50歳になったこともあって、この作品を上演した」…的なことをおっしゃっていました。なるほど、登場人物たちがまさにその年齢なんですね。私自身もその年齢に近いので、ぐっと自分に引き付けて鑑賞することになりました。
初老の登場人物を演じる俳優のそばに、それぞれの若い頃を演じる俳優が現れます。1人の人物を2人の俳優で見せる趣向です。メインキャスト4人だけでなく、ほぼ全キャストに対してその演出がなされるので、普遍性のある群像劇になっているように思います。※「2人1組のキャスティングが大変で、1年かけた」とドミニク・クックさん。
若い俳優の美しいこと!初老の俳優の可愛らしいこと!人間はいつも、いくつになっても愚か(=フォリー)で、悲しい存在だと思います。だからこそ、特に若者には、好きなことをめいっぱいやってもらいたいなぁと思いました。それを邪魔しないでいたいです。
サリー役のイメルダ・スタウントンさんと、日本の女優の大方斐紗子さんは、似てるな~と思ったのは私だけ?
【本日初日】10/19よりミュージカル『フォリーズ』がTOHOシネマズ 日本橋ほかで上映始まります♪
上映劇場では、プログラムももちろん販売します!!https://t.co/tudCvswp9X pic.twitter.com/X5Qvu9UHTy— ナショナル・シアター・ライヴ (@ntlivejapan) 2018年10月19日
ちなみに @ntlivejapan 「フォリーズ」の振付は、『TOP HAT(トップ・ハット)』でローレンス・オリヴィエ賞最優秀振付家賞に輝いたビル・ディーマー(現在日本版の稽古に参加中)。「フォリーズ」でも同賞にノミネートされました☆
— Aomi Hyodo (@ao3hyo) 2018年10月6日
ここからネタバレします。セリフなどは不正確です。
インタビューでソンドハイムさんが「何かを書く人は、先人を知る必要がある」とおっしゃっていました。まったくもってその通り!と首を縦に振りまくり、共感を伝えたい気持ちです。
『フォリーズ』は色んな作品がモチーフになっており、「私はそれらを観て育ったから、たくさん盗んだ(笑)」的なご発言も。聴いたことがあるかも…と感じることが多かったですね。
主婦サリーと夫バディには(おそらく成人した)2人の息子があり、バディには出張先に若い愛人がいます。これはアーサー・ミラー作『セールスマンの死』でしょうか。
ナショナルシアターライヴ「フォリーズ」試写会。開演前に演出ドミニク・クックへのインタビュー、スティーヴン・ソンドハイムがこの作品を語る映像が流れる。楽曲についてパスティーシュ(模倣)と言っていた。20年代30年代のコール・ポーター、ガーシュウィン、ロジャース&ハートを思わせる曲。
— 工藤索太郎 (@kudosakutaro) 2018年10月4日
セクシーな青いドレスを着ていた白髪のソランジュ(ジェラルディン・フィッツジェラルト)が歌う「Ah, Paris!」が一番好きでした。その後の、ぽっちゃり体型のハティ(ダイ・ボッチャー)が歌う「broadway Baby」もポジティブで良かったな~。元気はつらつ、バカ丸出し、我が道を行く…といった老人の姿が微笑ましくて好きですね。私もああなりたいと思います。
NTLiveスクリーン・ディレクターのティム・ヴァン・ソーメレンのインタビューです。10/19(金)公開『フォリーズ』の映像も手がけました!彼が体感した感動を世界の人へ届けるため映像を創っています。ぜひ映画館でご鑑賞ください。https://t.co/tudCvswp9X pic.twitter.com/1x3YHJeu1r
— ナショナル・シアター・ライヴ (@ntlivejapan) 2018年10月16日
10/19(金)よりTOHOシネマズ日本橋にて公開が始まるNTLive『フォリーズ』。上演時には絶賛レビューが続出だった必見舞台です!https://t.co/tudCvswp9X
以下の媒体は軒並み★★★★★(5つ星)!
Independent
Daily Telegraph
Guardian
Financial Times
Time Out
Metro
Sunday Times
Observer pic.twitter.com/D7dXV7m2MC— ナショナル・シアター・ライヴ (@ntlivejapan) 2018年10月11日
音楽評論家・安倍寧先生が、ぴあ電子版の連載ページで @ntlivejapan 「フォリーズ」について書いてくださいました。ありがとうございます 🙇 東京・川崎・名古屋・大阪は10/25(木)まで、福岡は26(金)までです❗https://t.co/XqXNGpmF8v
— Aomi Hyodo (@ao3hyo) 2018年10月22日
なお、各劇場で販売中の「フォリーズ」のプログラムには音楽評論家・中島薫氏にご寄稿いただきました☆https://t.co/slt2qhnoEI
— Aomi Hyodo (@ao3hyo) 2018年10月22日
👧フォリーズに出てたイメルダ・ストーントンって凄くない?
👉凄いです。他にもミュージカル出てないのかな〜と思ったら、大大大傑作の「Gypsy」をぜひ! 伝説のバーレスクスター、ジプシー・ローズ・リーの自伝を基にした作品で、強烈な毒親を演じています。シャーロックのララ・パルヴァーも出演。 pic.twitter.com/EuxCmNJyrT— hato (@hatoincident) October 23, 2018
原題:Follies / 尺: 2時間35分(休憩なし)
上演劇場:ナショナル・シアター オリヴィエ劇場
収録日:2017年11月16日
【出演】
サリー(2人の息子を持つ、大きな家に暮らす主婦):イメルダ・スタウントン
フィリス(子供はない):ジェイニー・ディー
バディ(サリーの夫、29歳の女性マージと浮気中のセールスマン):ピーター・フォーブス
ベン(フィリスの夫、成功者):フィリップ・クワスト
ヤング・サリー:アレックス・ヤング
ヤング・フィリス:ジジ・ストラレン
ヤング・バディ:フレッド・ヘイグ
ヤング・ベン:アダム・リズ-チャールズ
ディミトリ・ワイスマン:ゲイリー・レイモンド
ケヴィン:ジョーダン・ショー
ハイディ・シラー:ジョセフィン・バーストウ
ロスコー(歌が上手な太っちょの男性):ブルース・グラハム
ステラ:ディームス:ドーン・ホープ
サム・ディームス:エイドリアン・グローヴ
ハティ・ウォーカー:ダイ・ボッチャー
ソランジュ・ラフィート:ジェラルディン・フィッツジェラルト
カーロッタ・キャンピオン(売れない女優、26歳の男性と同棲中):トレイシー・ベネット
セオドア・ホイットマン:ビリー・ボイル
エミリー・ホイットマン:ノーマ・アタラ
ディーディー・ウエスト:リズ・アイゼン
クリスティーン・ドノヴァン:ジュリー・アームストロング
サンドラ・クレイン:ジェマ・ペイジ
ヤング・ハイディ:アリソン・ランガー
ヤング・ハティ:エイミー・ホドネット
アング・ソランジュ:サラ-マリー・マックスウェル
ヤング・サンドラ:ケイト・バー
ヤング・ディーディー:クリスティーン・タッカー
ヤング・ステラ:レイシャ・モリニュー
ヤング・カーロッタ:エミリー・ランガム
ヤング・エミリー:アノースカ・イートン
ヤング・セオドア:バーナビー・トンプソン
ヤング・クリスティーン:エミリー・グッドイナフ
カメラマン:エドウィン・レイ
TVのインタビュアー:イアン・マクラーノン
ワイスマンの個人秘書:リズ・ユーイング
アンサンブル:ジェレミー・バット、マイケル・ヴィンセン
脚本:ジェームズ・ゴールドマン
音楽:スティーヴン・ソンドハイム
演出:ドミニク・クック
美術(衣裳も含む):ヴィッキー・モーティマー
振付:ビル・ディーマー
音楽スーパーバイザー:ニコラス・スキルベック
編曲:ジョナサン・チュニック&ジョシュ・クレイトン
音楽監督:ナイジェル・リレイ
音響:ポール・グルースイス
ボイスコーチ:ジャネット・ネルソン
方言指導:ペニー・ダイヤー
美術デザイン補:マット・ヘリヤー
振付補:カイリー・アン・クルークシャンクス
音楽監督補:ジェニファー・ホワイト
照明デザイン補:ロブ・ケイシー
スタッフ主任:ジョシュ・シーモア
一般3000円 学生2500円
https://www.ntlive.jp/follies
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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