元劇団員の末廣大知氏が、かつて所属していた劇団の運営会社「エアースタジオ」に未払い賃金の支払いをもとめた訴訟の控訴審において、東京高等裁判所は2020年9月3日、会社に約186万円の支払いを命じました。
「劇団員も労働者」 劇団の運営会社に「未払い賃金」の支払い命じる…東京高裁https://t.co/NYyzB25zfL
— 弁護士ドットコムニュース (@bengo4topics) September 4, 2020
劇団員が“労働者”としての権利を主張しやすくなるのは画期的なことだと思います。ただ、劇団といっても本当にさまざまで、劇団員全員を労働者として扱うと、たちまち活動が立ちいかなくなる場合もあると思います。とはいえ、芸術界でやりがい搾取が横行する現実も看過できることではありません。劇団と劇団員のあいだで契約書を作成する規則を設けるなど、集団内で具体的な行動を起こせるのではないかとも思います(もちろん契約書で万事解決ではないですが)。
すばらしい判決👏🏻
「劇団活動は労働」異例の判決確定
公益社団法人・日本芸能実演家団体協議会の福島明夫さん「芸術を労働と認めた判決は『人間らしい権利』を芸術家に保障することにつながる。保障がなければ芸術の才能をつぶし、社会に潤いがなくなってしまう」https://t.co/eHtS4Dqe9Q— 亀石倫子sexworkにも給付金を訴訟 (@MichikoKameishi) October 21, 2020
【主張】俳優は労基法の労働者かhttps://t.co/eBMldj52Yb
東京高裁がエアースタジオ事件で、劇団の演劇公演に出演する俳優を一律に労働基準法上の「労働者」と認定し、稽古や公演時間に対応した時間給を支払うよう命じた判決は不適切といわざるを得ない。…
— 労働新聞社 (@RodoShimbun) October 8, 2020
この件についてのツイッター上の反応を転載します。9月からまとめはじめて、随時加筆してきました。
※タイトルを修正しました(2020/12/10)。
このケースは同じ経営の飲食店勤務も組み込まれ、自主的な範囲を超えた労働者性が認められる。一方で本当に収益のない劇団や、会計上の理由だけで法人化する劇団も多い。「劇団員も労働者」だけが独り歩きしないことを願う。丁寧な説明と契約書の締結でお互いを守ってほしい。https://t.co/19cFzeRz95
— fringe (@fringejp) September 5, 2020
私の場合、劇団員には公演ごとに収支報告をしていた。いまカンパニーにどれだけお金があり、なににどれだけ使われているかを全員で共有すれば、「やりがい詐欺」は起こり得ない。かすめ取る原資自体の有無がわかるのだから。外部スタッフのギャラもわかるが、劇団員が独立する際の参考になっただろう。
— fringe (@fringejp) September 8, 2020
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— fringe (@fringejp) September 8, 2020
判決が出たときも書いたが、このケースは同じ経営による飲食店勤務も組み込まれ、自主的な範囲を超えた労働者性が認められる。一方で本当に収益のない劇団や、会計上の理由だけで法人化する劇団も多い。「劇団の稽古や出演は労働」だけが独り歩きするのは間違っていると思う。https://t.co/3tQgoDClnW
— fringe (@fringejp) October 22, 2020
そもそも違和感を覚えるのが、劇団員と運営会社が対立していること。本来、劇団は劇団員全員で運営するもので、会社はその制作部が独立しただけの存在。劇団員なら自分で劇団を変えていけるはず。これは小劇場演劇で言う「劇団」ではなく、劇団員という肩書だけの「劇団型ビジネス」ではないだろうか。
— fringe (@fringejp) October 22, 2020
↓横内謙介さんの日記はぜひご一読を。井上ひさしさんにも言及されています。
今回のことについて。日記を書きました。
長いです。https://t.co/reakq9GV8x— KENSUKE YOKOUCHI 横内謙介 (@KensukeYokouchi) October 23, 2020
↓2020/10/24加筆
横内さんがblogで仰ることは骨身に滲みて分かるけど。劇団公演は赤字で、商業や他の仕事で得た金を充てるのが当たり前な演劇の構造自体が大小問わず破綻をとっくにしてて、コロナで浮き彫りになり、観劇人口(2.5や商業を除く)が増えてない閉塞感、今まで業界全体の取捨選択が間違ってると思う。
— ayumumumu (@ayumumumu) October 23, 2020
演劇が労働かどうかという判決の話の延長にあるけど、労働に出来なかったシステムや、推してきたり評価してきたものが世間にハマらないから業界が伸びず、イノベーションを誰も起こせない蛸壺化に問題があると思う。結果ファン優先で成り立つ2.5や商業だけが隆盛してしまった10年。いや、それ以上か。
— ayumumumu (@ayumumumu) October 23, 2020
制作者を名乗る年長者として、小劇場演劇の観劇人口が30年前とほとんど変わらないことに対し、申し訳ない気持ちで一杯です。私の目の黒いうちは、出来る限りの活動を続けたいと思います。連載「演劇の創客について考える」 https://t.co/vym9T7QllQ も最低100回まで続けます。https://t.co/08iW1u1NHS
— fringe (@fringejp) October 24, 2020
↓2020/12/08加筆
長いスレッドの一部だけ転載しています。
少し前に話題になった「劇団員は労働者にあたるか?」の判決、ようやく読めたので簡単にまとめておきます。
なかなか興味深く、モデルやタレント、グラドルの方々、クリエイターの卵の方など多くの方にも影響がありそう。
夢に向かって頑張ってる方にぜひお読みいただけましたら。
超長文です。— 海老澤美幸 ebisawa_miyuki (@ebisawa_miyuki) December 6, 2020
この判決は、正直、結構影響力が大きいのではないかと思います。
劇団以外にも、モデルやアイドルの事務所なども、出演以外に裏方をやらせたり、事務所が色々細かく指示を出して拘束することも少なくないように思います。
今回の判断からすれば、労働者と判断される可能性もありそうです。— 海老澤美幸 ebisawa_miyuki (@ebisawa_miyuki) December 6, 2020
この判決には「自分の意思で好きなことしてるのに給料が欲しいなんて」「多くの劇団がつぶれてしまう」といった批判も耳にするところです。
難しいところですが、やりがい搾取が横行する業界ではあると思うので、これをきっかけに業界がよい方向に進むといいですね。
今後の裁判例の動きに要注目です。— 海老澤美幸 ebisawa_miyuki (@ebisawa_miyuki) December 6, 2020
直接は関係しませんが、俳優やアニメーターなどのいわゆるフリーランスも労災加入OKとの報道。
フリーランス保護への動きが広がりつつありますね。https://t.co/8ONtaFm6mk— 海老澤美幸 ebisawa_miyuki (@ebisawa_miyuki) December 6, 2020
↓全文のまとめはこちら
ご利用ありがとう!海老澤美幸 ebisawa_miyukiさんの「少し前に話題になった「劇団員は労働者にあたるか?」の判決、よ…」のスレッドはこちらです。 https://t.co/lICmDfmakW
— すまとめ (@matomesu) December 7, 2020
悲願の労災保険🙏夢が叶いますように‥ https://t.co/hNDRAoLvt7
— 森崎めぐみ(Megumi Morisaki JAU) (@megitter) December 7, 2020
実現しました❣️https://t.co/GHWor8Q8QJ
— 森崎めぐみ(Megumi Morisaki JAU) (@megitter) December 8, 2020
↓2020/12/09加筆
【フリーランス関連NEWS】
12/9 日本経済新聞
芸能従事者、アニメーター、柔道整復師が労災保険対象になりますhttps://t.co/YOafZfo9ZF▼詳細はこちらhttps://t.co/1yrUS47UhD#フリーランス
— フリーランス協会 (@freelance_jp) December 8, 2020
12/9読売新聞「労災保険俳優らOK」❣️バレエダンサーの方が喜んでくださり、とっても嬉しいです。すべての芸能実演家を含む制度設計を要請し続けて、本当によかったです。 pic.twitter.com/6ZJOhLjPxc
— 森崎めぐみ(Megumi Morisaki JAU) (@megitter) December 9, 2020
↓2020/12/10加筆
マネージャーさんや、スクリプターさんの膀胱炎を労災適用してほしい願いが叶いました😊❣️❣️
12/9 京都新聞「フリーランス労災保険適用へ」「芸能従事者‥俳優、演出家、舞台監督、撮影、美術制作、マネジメント従事者など」「主な傷病活動を重ねることによる喉のポリープ、椎間板損傷、膀胱炎など」 pic.twitter.com/St6iahuJiO— 森崎めぐみ(Megumi Morisaki JAU) (@megitter) December 9, 2020
↓2020/12/12加筆
【方針固める】俳優やアニメーターも労災加入OK 厚労省が対象拡大へhttps://t.co/TnN33VcTmz
個人事業主が特別加入できる制度を拡大する。意見募集では、「過労による腱鞘炎」「長時間労働による精神疾患」など傷病の具体例が寄せられた。 pic.twitter.com/InIx8paMB4
— ライブドアニュース (@livedoornews) December 5, 2020
↓2020/12/14加筆
私が訴えられたんじゃないです。 そして雑感。 横内謙介Diary https://t.co/VoGNNzSBzt
— KENSUKE YOKOUCHI 横内謙介 (@KensukeYokouchi) October 27, 2020
日記を更新しました。
10knocks 千穐楽の前説でお話したことを
中心に。https://t.co/zwBJJ8q5xl— KENSUKE YOKOUCHI 横内謙介 (@KensukeYokouchi) December 14, 2020
↓2020/12/19加筆
— 森崎めぐみ(Megumi Morisaki JAU) (@megitter) December 18, 2020
【一方的な報酬減額や納期変更は違法になると明記。実質的に取引先の下で働く雇用関係にある労働者と判断されれば、最低賃金などの労働関係法令が適用されることも改めて示した】 https://t.co/n8ik6tlY6w
— Taisuke Shimanuki (@nukisuke) December 18, 2020
↓2020/12/20加筆
元劇団俳優の男性2人に労災認定 小道具など設置の際にアスベスト被害 #ldnews https://t.co/y4WOaYoaeU
— 森崎めぐみ(Megumi Morisaki JAU) (@megitter) December 19, 2020
↓2020/02/12加筆
発言:芸能界に安全な労働環境を=森崎めぐみ・日本俳優連合国際部長 – 毎日新聞 https://t.co/IycA7CYy1u
— 森崎めぐみ(Megumi Morisaki JAU) (@megitter) February 4, 2021
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