世田谷パブリックシアター「地域の物語ワークショップ2019「家族をめぐるささやかな冒険―11月の土日編」」11/24-25世田谷パブリックシアター稽古場

 6月に続き、世田谷パブリックシアターの「地域の物語ワークショップ」に参加しました。※6月の詳細感想は書けていません。ツイートのみです。すみません。

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 顔見知りが増えたのと、少しコツがわかったおかげか、2度目はかなりリラックスして参加できました。参加者一人ひとりが個性的で、才能豊かで、感動します。それにしても、「事実は小説より奇なり」ですね…。何度も目が開かれた心地がしました。

 参加者の興味や実体験をもとにしたエピソードを段階的に演劇化していきました。題材は同性愛者のカップルのカミングアウト、コミュニケーション・レスの老齢夫婦の決別、ポリアモリー的恋愛関係、300年続く一族の「とり子とり嫁」など。
 家族について自分が考えていることを自主的に披露したり、家族とお金をテーマにしたラップを全参加者が披露したりもしました。

 父子家庭で育ったという人が4人いらっしゃいました。私は母子家庭の知人が多いので少し意外でしたね。同性愛者であると表明した方が複数名いらして、性的マイノリティの方々が置かれている状況を疑似体験し、とらえ直すいい機会になりました。他には、男性の頑なさや暴力に耐えてきた/耐えているという発言が少なくなかったように思います。

参加者が出したエピソードの題名を壁に貼りだす
参加者が出したエピソードの題名を壁に貼りだす

 私が披露したエピソードが最終段階で演劇化されました。私が自分の失態を吐露し、それが許されるという内容だったんです。稽古をする度に「そういうことあるよね」「あるあるだよ(気にしないでいいよ)」と慰めていただき、心の傷が本当に癒されていきました。物語の効用であり、実感をともなうフィクションの力だと思います。

 演劇は身近な出来事や実体験を使って手軽に始められる楽しい遊びですが、実は過激で、刺激が強く、のっぴきならない地点へと導かれる可能性も大いにあります。
 個人が私的なことを他者と共有する場の大前提は、安全であることです。ファシリテーターはじめ通訳、制作スタッフの方々がプロフェッショナルでなければ、実現できないことだと思います。世田谷パブリックシアターが築いてきた約20年の実績の恩恵を、たっぷりと享受させていただきました。心から感謝します。

 参加者の感想:とダイアリー「日記-ワークショップに参加しました-

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2018年11月24日(土)、25日(日)13:00~18:00(全2回)
場所:世田谷パブリックシアター稽古場A(地下4階)
進行役:柏木陽(演出家/NPO法人演劇百貨店)
 関根信一(演出家・劇作家・俳優/劇団フライングステージ)
 花崎攝(シアタープラクティショナー/演劇デザインギルド)
 セレーナ・ホー(演出家/ネセサリーステージ)、ジュリアス・フー、カルメン・ウォン
対象:どなたでも ※性自認、性的志向、年齢、演劇経験、婚姻関係の有無、障害の有無は問いません。
参加費:1,000円(全2回分)
定員:20名程度 ←約30名でした。2日目は来なかった人が数名いました。
[主催]公益財団法人せたがや文化財団[企画・制作]世田谷パブリックシアター [後援]世田谷区 [協賛]東レ株式会社
https://setagaya-pt.jp/workshop_lecture/chiki201811.html

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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