欠かさず見るようにしているナショナル・シアター・ライヴ(⇒前回のレビュー)。ロリー・キニアさん主演の舞台「ヤング・マルクス」は、映画「マルクス・エンゲルス(原題:ヤング・マルクス)」とは全く違う物語でした。
上演前の演出家(ニコラス・ハイトナーさん)インタビューによると、描かれているエピソードのほとんどが史実だそうです。マルクスのダメ人間っぷりがヤバイ(苦笑)。パンフレット(800円)を購入。
11/23公開のNTLive『ヤング・マルクス』では、いよいよロリー・キニアの登場です!と、大げさにロリー・キニアに言及してすみません。でも、やはり素晴らしい役者さんです。コメディからシリアスなシェイクスピアまで、演じるキャラに引き込まれる高い演技力は『ヤング・マルクス』でも健在です。 pic.twitter.com/bHer8dv8z2
— ナショナル・シアター・ライブ (@ntlivejapan) 2018年11月13日
11/23(金)公開『ヤング・マルクス』英語字幕付予告編です。各上映館のHP(中洲大洋を除く)で上映日2日前から御座席ご購入いただけます。各上映劇場へはこちらから https://t.co/MH8wWc3Vty pic.twitter.com/IouhNY5T52
— ナショナル・シアター・ライブ (@ntlivejapan) 2018年11月20日
11/30からは「ジュリアス・シーザー」が始まります。連チャンですね!
『ジュリアス・シーザー』
11/30(金)~12/6(木)
作=W.シェイクスピア / 演出=ニコラス・ハイトナー / 出演=ベン・ウィショー、デヴィッド・モリッシー、ミシェル・フェアリー、デヴィッド・カルダー ほか
ブリッジ・シアター
2時間15分(休憩なし)予定https://t.co/BBF79RF9h7— Aomi Hyodo (@ao3hyo) 2018年11月7日
≪解説(https://eiga.com/movie/88308/より)≫
イギリス国内で上演された舞台から厳選した公演をカメラに収めて映像化し、世界各国の映画館で上映する「ナショナル・シアター・ライヴ」シリーズの1作。ナショナル・シアターの元芸術監督のニコラス・ハイトナーと元事務局長のニック・スターが2017年に設立した新たな劇場「ブリッジ・シアター」のこけら落としとして上演された喜劇「ヤング・マルクス」を上映。1850年のロンドンを舞台に、ドイツ人哲学者のカール・マルクスの若かりし日々を描く。マルクス役は、「オセロ」でローレンス・オリビエ賞を受賞し、「007」シリーズなど映画でも活躍する実力派のロリー・キニア。
≪ここまで≫
ドイツ語なまりの英語など、細かいところまで行き届いた演技が、私にとっての見どころでした。人物造形(キャラクター・ビルディング?)が確かなんですよね。端役にもいちいち魅せられます。
演出家のニコラス・ハイトナーさんは「稽古場ではロリーが最も賢い(clever)。とても頼もしい」といった発言をされていました。
11/23(金)日本公開『ヤング・マルクス』出演者がNTLiveについて語る
(英語字幕で恐縮です)
スクリーンで演劇を観ると生では体験できない身近さを感じられることなどなど・・・
日本の上映劇場はこちらから。https://t.co/MH8wWc3Vty
https://t.co/2bQ9888o8l @YouTubeさんから— ナショナル・シアター・ライブ (@ntlivejapan) 2018年11月20日
NTLive『ヤング・マルクス』誰が観に行く?トーク https://t.co/jKzJkZS2t3 @YouTubeさんから
— ナショナル・シアター・ライブ (@ntlivejapan) 2018年11月20日
11/23(金)より公開『ヤング・マルクス』のプログラム(800円税込)が整いました!寄稿は小田島恒志氏。
本作のセリフ(冗談)などを解説くださっていて、読むと「なるほど?」って本作の深さに感動します!きっと本編を2倍お楽しみ頂けます!
過去作のオンライン販売は:https://t.co/YamHebRuaE pic.twitter.com/7e1EgLWGp6— ナショナル・シアター・ライブ (@ntlivejapan) 2018年11月21日
ナショナルシアターライブ「ヤング・マルクス」冒頭にニコラス・ハイトナーのインタビュー、ブリッジシアターについてや次作ジュリアスシーザーについても少し。幕間にキャスト製作陣のインタビュー。見所はハイトナーさんのマルクスくんの自己中さの表現力だよ??
— ハルCOMITIA126/う14b (@haru_halll) 2018年11月23日
ここからネタバレします。セリフなどは正確ではありません。
マルクスが妻を取り合う相手と決闘をしたのは史実とのこと。でも実際の場所はアントワープだったそうです(幕間の解説より)。妻だけでなくメイドとの間にも子供をもうけて、そのまま一緒に暮らしたのも史実なのかしら。マルクスの「資本論」執筆には、エンゲルスだけでなく妻や他の女性(この映画ではメイド)も協力していたんですね。その場面で終わるのは、映画と同様でした。
「資本主義の奴隷である金(money)が人間の生活を壊す」という主張は予言ですよね。「金のせいで、弱者を搾取する強者の顔が見えなくなる」という指摘にも納得。国が資本家の存在を隠し、制度という形で国民は搾取されていますよね。
この10年で25%も売り上げが増加したというイギリス演劇界。それを受けて新劇場ブリッジ・シアターが建設されたそうです(冒頭の演出家インタビューより)。すごいなぁ…。巨大かつフレキシブルな劇場で、芸術性と娯楽性を兼ね備えた舞台を作っていくとのこと。公的助成を必要としない商業施設で、ストレート・プレイが上演されていることに驚愕します。世界中からロンドンに観客が集まっているんでしょうね…。
「ヤング・マルクス」と続く「ジュリアス・シーザー」は同じブリッジ・シアターの作品ですが、前者はプロセニアム形式、後者は1Fの客席を取り払ったアリーナ形式(立ち見の観客は群衆役を担う)で上演されました。異なるスタイルのステージングを、ぜひお楽しみいただきたいです! @ntlivejapan
— Aomi Hyodo (@ao3hyo) 2018年11月20日
原題:Young Marx
尺:160分、休憩20分込み(パンフレットより)
上演劇場:ブリッジ・シアター(ロンドン)
収録日:2017年12月7日
【出演】
カール・マルクス:ロリー・キニア
フリードリヒ・エンゲルス:オリヴァー・クリス
ジェニー(マルクスの妻):ナンシー・キャロル
ニム(メイド):ローラ・エルフィンストーン
フォークシー(マルクスの息子):ローガン・クラーク、ルパート・ターンブル、ジョゼフ・ウォーカー
キキ(マルクスの娘):ディクシー・エジェリックス、マチルダ・シャプランド、ハリエット・ターンブル
質屋のフリース氏:ダンカン・ウィスビー
サヴェッジ巡査部長:ジョゼフ・ウィルキンス
シュミット医師(黒幕):トニー・ジャワルディナ
シュラム(マルクスを崇拝する新・ライン新聞の編集長):エビン・フィゲイレド
借金取立人のグラビナー氏:スコット・カリム
貝売りのミュレット夫人:アラナ・ラムジー
プロイセン王国のスパイ、ヘルムート:フォド・シンボ
アウグスト・フォン・ヴィリヒ(ジェニーに横恋慕):ニコラス・バーンズ
アマニュエル・バルテレミー(革命家):ミルトス・ウェロレムー
クリンプ巡査:ウィリアム・トルートン
図書館にいた髭を生やした男性:ダンカン・ウィスビー
図書館ノホワイトホッド夫人:ソフィ・ラッセル
シンジ巡査:スコット・カリム
フリント牧師(息子が死んだ時):フォド・シンボ
作: リチャード・ビーン、クライヴ・コールマン
演出:ニコラス・ハイトナー
美術:マーク・トンプソン
照明:マーク・ヘンダーソンス
音響:ポール・アルディッティ
音楽:グラント・オールディング
アクション:ケイト・ウォーターズ
キャスティング:トビー・ウェール
衣裳監修:ルーシー・ゲイガー
小道具監修:クリス・マーカス&ジョナサン・ホール
ヘアー&かつら:キャンベル・ヤング・アソシエイツ
演出補:ショーン・リネン
一般3000円 学生2500円
https://www.ntlive.jp/youngmarx
http://ntlive.nationaltheatre.org.uk/productions/ntlout25-young-marx
https://eiga.com/movie/88308/
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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