シアタートラム ネクスト・ジェネレーションvol.11に選ばれたのは、南出謙吾さんの戯曲を森田あやさんが演出する劇団らまのだ。今回の『青いプロペラ』は旗揚げ公演の再演です。上演時間は約1時間50分。
≪あらすじ≫ 公式サイトより
山あいの小さな町の老舗スーパー「マルエイ」は、
隣町の大型ショッピングセンターの出店に揺れている。
反対運動も繰り広げるも従業員たちに切迫した様子は無く、
どこかその運命を受け入れているようにすら見える。
だが、かつては、マルエイも、地元商店街に壊滅的な打撃を与え、
ここに出店したのだ。
≪ここまで≫
【シアタートラム ネクスト・ジェネレーション vol.11 らまのだ『青いプロペラ』舞台写真を公開しました】
今年度シアタートラムネクスト・ジェネレーション選出団体、「らまのだ」の舞台写真を公開いたしました。https://t.co/amHctUfZq6— 世田谷パブリックシアター (@SetagayaTheatre) December 21, 2018
石川県にあるスーパーマーケットのバックヤードが舞台です。親しみやすい自然なおしゃべりから登場人物の背景がわかる会話劇で、セリフの組み合わせが上手だと思いました。素直な気持ちを表現する演技にも好感を持ちました。ただ、方言の現代口語劇としてシンプルに上演するだけではなく、演出が目立っていました。
古い扇風機はエアコンにとってかわられ、ひっそりと死んでいく。一方で飛べないはずの年老いた鳩は、飛べると信じて飛んでいく。「えいえいおー」って頑張らなくても、白旗振っちゃえばいい、というのはわかる。けどせめて悲壮な姿は見せず、おもしろおかしく死んでいきたいと思う。#青いプロペラ
— 日下諭 Satoshi Kusaka (@satoshikusaka) 2018年11月29日
ここからネタバレします。
演出例:スティール・パンの生演奏(3名)が転換中に流れ、舞台上では場面と場面をつなぐ無言の演技が続けられる。セールののぼりやクリスマス商品など、バックヤードの小道具を入れ替えて季節の移り変わりを伝える。俳優が大きな丸い時計を入れ替えたり、時計の針を指で動かして、時刻を示す。
ラストはシャッターのような巨大な壁が天井へとのぼっていき、奥にあった森があらわれる。カーテンコールなし。前説、終演の挨拶は演出家のアナウンス(録音)。
題名の“青いプロペラ”とは古くなった扇風機のことでしょうね。最新式のエアコンが登場すると出番がなくなってしまいました。
最後の森は人類が滅びた後に広がる世界なのかしらと想像。壁は、店長とその恋人が会話をしている時から、すでに上がり始める方がいいだろうと思いました。
出演:富川一人(はえぎわ)、田中里衣、林田航平、福永マリカ、今泉舞、斉藤麻衣子、井上幸太郎、猪股俊明
スティールパン演奏:STARS ON PAN
脚本:南出謙吾 演出:森田あや
舞台監督:小野八着 舞台美術:袴田長武(ハカマ団) 照明:富山貴之 音響:佐藤こうじ(Sugar Sound) 音楽:芝田遼 宣伝美術:HAMI 宣伝写真:黒羽政士 舞台写真:古里麻衣 方言指導:南かおり(激嬢ユニットバス) 制作:小宮山雅美
主催:公益財団法人せたがや文化財団 企画制作:世田谷パブリックシアター らまのだ
【発売日】2018/09/30
一般 3,500円
高校生以下 1,750円
U24 1,750円
友の会会員割引 3,000円
せたがやアーツカード会員割引 3,200円
オンラインチケット会員割引 3,200円(オンラインチケット会員先行発売期間のみ)
http://www.lamanoda.com/pages/75520/page_201507121129
https://stage.corich.jp/stage/94970
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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