松竹『十一月新派特別公演 犬神家の一族』11/14-11/25新橋演舞場

≪あらすじ≫ 公式サイトより
日本ミステリー史上最大の人気作「犬神家の一族」が新派130年に登場!
遺産相続をめぐり、巻き起こる骨肉の争い…。
過去と現在に張り巡らされた謎に、名探偵・金田一耕助が挑む!!

【あらすじ】
「犬神家の一族」は、雑誌「キング」に1950年1月号から1951年5月号まで掲載された小説作品。その後、幾度も映画化やドラマ化、舞台化された日本を代表する超人気ミステリーが2018年11月、新作として登場。
物語は一通の手紙から始まる。私立探偵の金田一耕助は、信州でその名を馳せる犬神財閥で顧問弁護士を勤める古館の部下から助力を求める便りを受け取る。その内容は、財閥の創始者・犬神佐兵衛の莫大な遺産相続にまつわる一族の不吉な争いを予感し、力を貸してほしいというものだった。
那須湖の湖畔に鎮座する通称「犬神御殿」にて、一族の前で佐兵衛の遺言状が読み上げられる。佐兵衛の腹違いの三人娘、松子、竹子、梅子は神妙な面持ちで静かに聞いていた。遺言状には、佐兵衛が生前大変に世話になった大恩人の孫娘・珠世に条件付きで全財産を相続する、と書かれていた。その条件とは佐兵衛の3人の孫息子・佐清・佐武・佐智のいずれかと結婚することだった。
しかし翌朝、何者かによって佐武が花鋏で殺されているのが発見される。この事件を皮切りに連続殺人事件は幕を開けた―――。
≪ここまで≫
 
 エンタメ作品でありながら戦争の傷跡が色濃く描かれるのは、松本清張作品っぽい気もしました。そういう時代背景なのかもしれませんが。「戦争から帰って人が変わってしまった帰還兵」の描き方などに、脚色・演出の齋藤雅文さんの切実さが感じられました。

 大がかりな周り舞台で衣装も豪華絢爛。贅沢~♪ 舞台下手の花道に近い方の桟敷席で鑑賞しました。自分も見世物のひとつのようになった感覚があり、全く新しい体験ができました。チケット代は高いですけど、その価値がありますね。

 ここからネタバレします。

 前半終了直前(休憩前)に犯人(波乃久里子)がわかるのですが、色んな謎は後半でじわじわと明かされていきます。

 『桜の園』『ハムレット』(のオフィーリア)等から引用がありました。時代の流れとともに忘れ去られそうになっても、そうさせてはいけない貴重で確かなものは存在します。それらを描いて見せようとしていたように思います。たとえば日本の着物文化や戦争の記憶など。「新派」もそのひとつなのかもしれません。

≪大阪府、東京都≫
出演:水谷八重子、波乃久里子、瀬戸摩純、河合雪之丞、浜中文一、春本由香(交互出演)、河合宥季(交互出演)、喜多村緑郎、田口守、佐藤B作
※私が拝見したのは河合宥季さんの回です。
原作:横溝正史
脚色・演出:齋藤雅文
1等席:¥12,000
2等席:¥8,500
3等A席:¥4,500
3等B席:¥3,000
桟敷席:¥13,000
https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/2018_inugamike_enbujyo-2/
https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/2018_inugamike_shochikuza/
https://stage.corich.jp/stage/94899

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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