【ご報告】「アヴィニョン演劇祭2018」に行ってきました(07/19-24)

自撮りしてみた
自撮りしてみた

 7/19(木)-24(火)にかけて、「アヴィニョン演劇祭2018」に行ってきました!

 7/23(月)帰国の予定だったのですが、帰りの便が飛ばないというトラブルがあり、航空会社(ANA)の費用でパリのシャルル・ド・ゴール空港のそばのホテルに延泊し、エアフランスに振替られて帰国しました。(無意味に)パリ経由だったため、アヴィニョンには丸二日間の滞在で、計4つの舞台を拝見しました。

 ⇒Les Bâtards Dorés『MÉDUSE』(⇒公式サイト
 ⇒Anne-Cécile Vandalem『ARCTIQUE』(⇒公式サイト
 ⇒Richard Brunel『CERTAINES N’AVAIENT JAMAIS VU LA MER(THE BUDDHA IN THE ATTIC)』(⇒公式サイト
 ⇒Ivo Van Hove『DE DINGEN DIE VOORBIJGAAN(The Things That Pass)』(⇒公式サイト

城壁内の道路上はいつもパフォーマンス中
城壁内の道路上はいつもパフォーマンス中

 行きの便では韓国映画の「1987 : When the day comes(1987、ある闘いの真実)」と「Forgotten(記憶の夜)」、インド映画「Toilet/Ek Prem Katha」、アムステルダムが舞台のドイツ映画「Arthur und Claire」を拝見。どれも面白かったですが、さすがに4本も見ると疲れましたね(当たり前)。

 映画はやめて「ベストヒットUSA タイムマシンスペシャル」でPOLICE 「Every breath you take」、Spaceship「Nothing’s gonna stop us」などの懐メロ過ぎるミュージック・ビデオを見て、懐かしさと虚しさが混じる悲しい気持ちに。小林克也さんのお姿にも感慨深いものがありました。

 最後は中国の「2018 LSBC countdown concert(だったかな)」。装置があまりに豪華で時代を感じました。巨大なドーム型の会場の中央にドーナツ型のステージがあり、天井から蜘蛛の足のような長細いアームが降りてきて、動きます。くねくね折れ曲がるアームの両側にはムービングライトがびっしり。板状のアームの表と裏がLEDパネルになっており、さまざまな映像と周囲の照明とのコンビネーションは圧巻です。「日本はNo.1」ではないことが一目瞭然でした。

アーティストの頭上にアームが見えてます
アーティストの頭上にアームが見えてます
アームを上から見た図。これが色んな色に変化しながらクネクネ動くの!
アームを上から見た図。これが色んな色に変化しながらクネクネ動くの!

 夕方にパリのシャルル・ド・ゴール空港に到着し、空港にあるお店で朝ごはん用のサラダ、フルーツ、水を買ってから、タクシーでパリのリヨン駅前のホテルへ。夕食は食べませんでした。体力も気力も知力もおぼつかないので、空港からTGVに乗る勇気はありませんでした。次回は必ずや!
 

リヨン駅外観
リヨン駅外観

 翌朝、リヨン駅からTGVに乗ってアヴィニョンTGV駅へ。アヴィニョンTGV駅からアヴィニョン・センター駅への乗り換えもできました。2度目なのでなんとなく景色を覚えていたこともあり、迷わなかったですね~、よかったよかった(嬉涙)。まあ、時間の余裕もかなり取ってたんですけどね。

アヴィニョン・センター駅を出て城壁内を眺めたところ。空が綺麗!広い!
アヴィニョン・センター駅を出て城壁内を眺めたところ。空が綺麗!広い!

 昼前にはアヴィニョン・センター駅から徒歩10分ほどの、大通りに面したホテルに到着。4月初めには予約していたので、安くはないけれど、法外ではないぐらいの値段でした。アヴィニョン演劇祭は概要発表があった時に、なるべく早く宿を予約するべしですね(素人は)。なぜか日本語を話せるスタッフがいらしたり、英語対応もしてくださって快適でした。前回(2014年)は、フランス語でまくしたてる駅員さんとか、いたのでね。親切が身に沁みます。

可愛いお部屋でした。ポットと冷蔵庫がないのが少し不便。
可愛いお部屋でした。ポットと冷蔵庫がないのが少し不便。

 アヴィニョンでは片山幹生さんに本当にお世話になりました!まずは片山さんと日本人の女優さん2人と、アヴィニョン演劇祭の公式グッズ売り場で待ち合わせをして、いい感じのフランス料理店でランチをいただきました。

テント型の屋根の小屋が公式グッズ売り場。裏のカルーセルは子供連れでにぎわっています。
テント型の屋根の小屋が公式グッズ売り場。裏のカルーセルは子供連れでにぎわっています。
一人では絶対に入れないレストラン…ありがとうございました!
一人では絶対に入れないレストラン…ありがとうございました!

 その日は舞台を3本鑑賞。1本目は一人で『MÉDUSA』を、2本目は片山さん、女優さんとバスで数分かかる劇場“La Fabrica”で上演中の『ARCTIQUE』へ。3本目がお目当ての、竹中香子さん出演の『CERTAINES N’AVAIENT JAMAIS VU LA MER(海を見たことがなかった女もいた)』です。ちょうど終演後に嵐が!そのまま夜遅くまで4人でお酒をご一緒しました。空いているお店を探すのには少し苦労しましたが、まあ24時以降ですしね…。

 2日目は休憩しつつ、散歩とお買い物。当日券を狙った演目が「今日は初日だから当日券も出ない」と門前払いされてしまったんです(涙)。インではなくオフ(fringe)の公演にチャレンジしようかと思ったのですが、いろいろタイミングが合わず断念。

右がオフの劇場の入り口で、左が上演演目のポスター。
右がオフの劇場の入り口で、左が上演演目のポスター。
オフの劇場では時間ごとに出演団体が変わります。ポスターの上に開演時間が書かれています。
オフの劇場では時間ごとに出演団体が変わります。ポスターの上に開演時間が書かれています。

 演劇祭期間中のアヴィニョン城壁内では、そこら中でパフォーマンスが繰り広げられています。ジャンルは音楽、ダンス、エクササイズ、芝居、民族舞踊など、さまざま。日差しに当たるとかなり暑いのですが、日陰に入れば涼しいので、過ごしやすいです。日焼け止めと大き目の水のボトルは必携ですね。

演奏しながら歌う二人の右側に、脚立に乗ったパフォーマーがいます。
演奏しながら歌う二人の右側に、脚立に乗ったパフォーマーがいます。
ふらっと少し歩くと、修道院などの古い建物に出会えます。
ふらっと少し歩くと、修道院などの古い建物に出会えます。

 夕方は片山さんにご紹介いただき、モロッコ料理店「le Riad」へ。「le Riad」は片山さんがSPAC俳優の吉植荘一郎さん、布施安寿香さんとご一緒されたお店ですね。
 ⇒【インタビュー】アヴィニョン演劇祭で見えた景色

クスクスの豪華セット。多すぎて半分も食べられず…ごめんなさい。
クスクスの豪華セット。多すぎて半分も食べられず…ごめんなさい。

 夜はもう1つの目的だったイヴォ・ヴァン・ホーヴェ演出『DE DINGEN DIE VOORBIJGAAN』へ。前夜に続き野外公演で、強風がちょっと辛かったですね。期待していた感じではなかったですが、ホーヴェらしい強烈な場面を観られてよかったです。その後、公演終了後の竹中さんと待ち合わせをしました。徒歩数分の距離に劇場が乱立していますので、城壁内が“ユートピア”のよう。

夜もにぎやかな細い道を歩いていると、2014年に泊まったアパートを発見!1階が店舗に変わっていました(それで見つけづらかったのか…)。
夜もにぎやかな細い道を歩いていると、2014年に泊まったアパートを発見!1階が店舗に変わっていました(それで見つけづらかったのか…)。

 3日目の朝、日本語を話せるホテルのスタッフに日本のお土産をプレゼントして、早々とチェックアウト。順調に、かなり早めにパリの空港に着いたのは良かったのですが、長々と(12時間も)待った結果、なんと、飛行機が飛ばないというトラブルが…。しかし、さすがは全日空(ANA)です。豪華なホテルを用意してくださり、振替の便も手配してくださいました。しかし、やはり、辛い…。着替えも基礎化粧品も底をついてましたし、帰国が遅れると仕事が…。

「コートヤード バイ マリオット パリ ロワシー シャルル ド ゴール エアポート」
コートヤード バイ マリオット パリ ロワシー シャルル ド ゴール エアポート
ホテルの中庭でピクニックできそう
ホテルの中庭でピクニックできそう

 以下はあまりにプライベートで、恥ずかしい出来事なのですが、記録と御礼のために書き記して公開しておこうと思います。振替になったエアフランスで、「狭いことが怖くて息苦しくなり、座席に座っていられない」状態に陥りました。通路席から他人に挟まれる席に変更になったことが、私には致命的だったようです(動きづらいので)。まさか自分が、こんな状態になるなんて…というショックと申し訳なさとで、症状は悪化。自席に戻れず、到着までの5時間ほどは、客室乗務員が待機する機内最後尾に居すわることに…。

 日本人の女性客室乗務員のお二人が、ANAからエアフランスにやってくるまでの私の不運な出来事にじっくりと耳を傾け、共感し、褒めつつ、励ましてくださいました。航空会社のノウハウなのでしょうけれど、実際に現場でこのようなトラブル対応ができることに感動します。思いやり深い、そしてユーモアのある、積極的な接し方に救われました。

 「デヴィッド・ボウイと、ムーミンと、紅茶が好き」という面白すぎる女性は、パキスタン航空で働いていた経験もあり、インドの恋愛映画の楽曲を、踊りながら歌ってくださいました(本当です)。
 とうとう着陸という時に、また二人で私の席まで来てくださって、面白い方の女性が「デヴィッド・ボウイとムーミン、どっちがかっこいいと思いますか~?あ、デヴィッド?じゃあこちら、阪急電車に乗ってるデヴィッドの写真です~♪」と、ハガキ大の写真を見せてくださいました…(本当です)。なんで阪急電車やねん!(そういうスナップ写真があったそうです)。…可笑しいし嬉しいしありがたいし…どうしていいやら…とにかく笑顔でお礼を言いました。エアフランスの客室乗務員さん…すごすぎる!!

 羽田空港からは無事に帰宅できました。とっ散らかってますが、ご報告は以上! 写真をいくつか貼り付けておきます。

ホテルの建物の上になぜかピンクの熊
ホテルの建物の上になぜかピンクの熊
「Superdry(R)極度乾燥(しなさい)」はフランスのブランドなんですね←イギリスのブランドだそうです(2018/08/01修正)
「Superdry(R)極度乾燥(しなさい)」はフランスのブランドなんですね←イギリスのブランドだそうです(2018/08/01修正)
ハンサムなアヴィニョンTGV駅
ハンサムなアヴィニョンTGV駅

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