私ったら人生初・岩波ホール。神保町駅はコトブキシーティングに伺う時に降りましたが、いい街ですね。
映画「マルクス・エンゲルス」はフランス・ドイツ・ベルギー合作のラウル・ペック脚本・監督・製作作品です。計らずしてNTLive「ヤング・マルクス」の予習になりました。
≪あらすじ≫ 公式サイトより
若きマルクスとエンゲルスの友情は世界の未来を大きく変えた…
永遠の名著『共産党宣言』(1848)が誕生するまでの激烈な日々を描く歴史的感動作
1840年代のヨーロッパでは、産業革命が生んだ社会のひずみが格差をもたらし、貧困の嵐が吹き荒れ、人々は人間の尊厳を奪われて、不当な労働を強いられていた。20代半ばのカール・マルクスは、搾取と不平等な世界に対抗すべく独自に政治批判を展開するが、それによってドイツを追われ、フランスへと辿りつく。パリで彼はフリードリヒ・エンゲルスと運命の再会を果たし、エンゲルスの経済論に着目したマルクスは彼と深い友情をはぐくんでゆく。激しく揺れ動く時代、資本家と労働者の対立が拡大し、人々に革命的理論が待望されるなか、二人はかけがえのない同志である妻たちとともに、時代を超えて読み継がれてゆく『共産党宣言』の執筆に打ち込んでゆく――。
≪ここまで≫
私は中学生時代によくハリウッド映画を見ていました。映画館の雰囲気も含め、その時の感覚が蘇るようで、懐かしさと新しさが同居する不思議な感触でした。「マルクス・エンゲルス」は当時よく見たものと同様の、衝突あり、恋愛あり、時代の変転ありの評伝劇としてわかりやすい娯楽作品でした。
マルクスは貴族の娘と結婚し、ブルジョア階級のエンゲルスはプロレタリアートの娘に恋をします。食べるためには仕事が要るし、恋はままならず、幼い命は唐突に与えられます。人生はどう転んでも清濁併せ吞む覚悟が必要で、常にどっちつかずの状態を耐え忍ぶことになるのだなと思いました。楽はできないということですよね。
ドイツ語、フランス語、英語などを独学しで、本を読んで、本を書いて…。自分に正直に、真剣に書いた文章でつながる信頼のコミュニケーションは、今にも通じるものだと思います。勇気づけられます。
「真面目な歴史映画~『マルクス・エンゲルス』」 https://t.co/PzYyWZ32VC 同じ監督ラウル・ペックの『私はあなたのニグロではない』と同様、考えて発言するという知的プロセスを丁寧に追った映画だと思った。
— saebou (@Cristoforou) 2018年6月16日
ここからネタバレします。
マルクスとその妻、エンゲルスとその妻の4人で「共産党宣言」の執筆をする場面でほぼ終了。その後、ボブ・ディランの楽曲「Like A Rolling Stone」をBGMに(字幕あり)、記録映像のコラージュが流れます。戦争、サッチャーとレーガン、ネルソン・マンデラ…。これはやりすぎだろうと思いました。
晩年のマルクスは貧困と病を抱えながら「資本論」を書いていたそうです。
“The Young Karl Marx”
マルクス生誕200年記念作品
岩波ホール創立50周年記念作品
キャスト:
マルクス:アウグスト・ディール
エンゲルス:シュテファン・コナルスケ
マルクスの妻イェニー:ヴィッキー・クリープス
エンゲルスの妻:ハンナ・スティール
プルードン:オリヴィエ・グルメ
監督・脚本:ラウル・ペック
2017年/フランス・ドイツ・ベルギー/118分/スコープサイズ/カラー/配給:ハーク
一般1800円
http://www.hark3.com/marx/
https://www.iwanami-hall.com/movie/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%AB%E3%82%B9
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