シーエイティプロデュース『スーツの男たち』03/18-04/02アトリエファンファーレ高円寺

 『スーツの男たち―マフィアについての三部作』は米国の劇作家ジェイソン・ミリガンさんの戯曲で、今回は第一部の上演です。約80席の小劇場で、約1時間30分弱の男性三人芝居を拝見。

 アトリエファンファーレ高円寺という劇場に初めて伺いました。出演者の章平さん目当てで観に行って、満足しました。

 舞台と客席が至近距離なので、アフタートークショーのある回に観に行くといいのではないでしょうか。

≪あらすじ≫ 公式サイトより
時にユーモラスで、時に切ない、男たちの物語。
ニューヨークのグランドセントラル駅。
マフィアの殺し屋マックスとボビーは待ち伏せしてある男を殺すはずが、間違って別の男を殺してしまう。彼らのボスは仕事をしくじった手下に容赦ない。マックスは逃げようと言うが、ボビーは正直に謝ってしまった方がいいと主張する。結局二人は、バーモント州のボスの家まで夜通し車を運転して行くことになって―――……。
≪ここまで≫

 椅子とテーブルが数脚あるプロセニアムのシンプルな空間。オリジナルの音楽で盛り上げます。

 ここからネタバレします。

 インテリのマックス(安西慎太郎)と、元清掃員でオツムの弱いボビー(章平)のデコボコ・コンビは殺し屋ですが、殺しを担当するのはボビーのみ。夜11時から明け方にかけて、ドライブするうちに2人の本音が出てきます。

 ボビーの上司にあたるマックスは足抜けしたいと考えています。実はこれまでの殺し(10人?)について小説を書いており、すでに出版社から買われています(5万ドル前払い)。

 ボス(羽場裕一)が素早く“飴とムチ”を使い分けるのがいいですね。開演してから1時間後に、少ししか登場しないのですが、大きな存在感でした。

 マックスの提案で「標的が現れなかった(だから殺せなかった)」とボスに報告した2人ですが、ボスはマックスの異変(終始おびえている)に気づき、最終的にはNYの駅でボビーにマックスを殺させます。

 マックスは自分が殺した(殺しを手伝った)犠牲者の悲鳴が聴こえることに苦しんでいました。それがボビーに引き継がれることを示して終幕。

 学歴のあるなし、つまり知識の差が人生を変えますね(色んな意味で)。マックスが書き残した小説が、第二部、第三部に続く形で上演されるのかしら。

 チケット代は7,500円、当日パンフレットは1,000円でした。

“Men in Suits―Three Plays about the Mafia” by Jason Milligan
【出演】マックス(インテリ・指示担当):安西慎太郎 ボビー(元清掃員・殺し担当):章平 ボス:羽場裕一
作:ジェイソン・ミリガン 翻訳:芦沢みどり 演出:落石明憲
美術: 中村公一
音楽: 岩崎廉
照明: 小笠ゆう
音響: 長野朋美
衣裳: ゴウダアツコ
ヘアメイク: 川端富生
舞台監督: 田中絵里子
舞台製作: クリエイティブ・アート・スィンク 加賀谷吉之輔
版権コーディネイター: マーチン・R・Pネイラー
宣伝美術: 竹内龍太 惠藤修平
宣伝写真: 神ノ川智早
協力: アトリエファンファーレ高円寺
制作: 渡辺葵 七字紗衣 伊藤夏恵 内山寛郎
制作助手: 小野由香
プロデューサ―: 江口剛史
主催・製作: シーエイティプロデュース
【チケット発売日】2017年2月14日 7,500円
https://www.stagegate.jp/stagegate/performance/2017/men_in_suits/index.html
http://25news.jp/?p=11513

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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