劇団銅鑼『彼の町 チェーホフ短編集より』03/15-20俳優座劇場

 90歳になられた鈴木瑞穂さんの演技を観られたことが嬉しかったです。上演された短編の中では「せつない」と「接吻」が良かったです。上演時間は約1時間50分弱。

「彼の町(かのまち)」プレイベント。1時間20分間の動画。

 パンフレット(600円)にこの映像の内容が採録されています。とてもお薦め。満州で生まれ、広島で原爆を体験した90歳の鈴木さんが語ってくださっています。

 ≪あらすじ・作品紹介≫ CoRich舞台芸術!より。
みんなが知ってるチェーホフ  みんなが知らないチェーホフ

ハンサムな顔に鼻眼鏡を掛けまっすぐにこちらを見つめるチェーホフ!正式にその名を記せば、アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ!四大戯曲『かもめ』『ワーニャ伯父さん』『三人姉妹』『桜の園』と言えばご存知でしょうか。しかし!「チェーホフの短編」となると如何でしょう。それも20代に発表された短編なんて!生まれ故郷タガンローグから医学を学びにモスクワへ。そこで勉学に励みながら、家計を助けるために週刊誌や新聞に短編を発表していたチェーホフ。その頃の彼と彼を取り囲む世界からいつの間にか短編の物語の中へ。10人の役者たちが入れ替わり立ち替わり演じているのかいないのか、叙情的なチェーホフなんて何処へやら。チャイコフスキーの楽曲をピアノの生演奏と共に。あなたの知らないチェーホフ!どうぞご覧あれ!
 ≪ここまで≫

 演劇集団がチェーホフ短編集を上演していくという劇中劇で、複数の短編を紹介していきます。
 ピアノで演奏されたのはチェーホフと親交が深かったチャイコフスキーの楽曲とのこと。

 company-maの大谷賢治郎さんの過去作品の動画↓。

company ma "Amenimo Makezu (Strong in the Rain)" 劇団「間」旗揚げ公演「雨ニモ負ケズ」 from Kenjiro Otani on Vimeo.

 傘、椅子を使ったステージングが可愛らしいです。

 俳優たちの会話において、脚本(青木豪)に書かれている笑いの要素が成り立っていないのが残念でした。

 ここからネタバレします。

 鈴木瑞穂さん主演の「せつない」は、妻も息子も失った馬車の運転手の話。数日前に亡くなった息子の話をしたいのに、誰も聴いてくれない。あの素晴らしい息子のことを憶えておいてもらいたい。でも人間(の人生)は雪のよう、すぐに水となって消えてしまう。

 「接吻」はある屋敷のパーティーで、暗い部屋に迷い込み、知らない女性に(誰かと間違われて)いきなりキスされた兵隊(井上太)の話。

出演:鈴木瑞穂、館野元彦、三田直門、佐藤響子、竹内奈緒子、井上太、向暁子、真原孝幸、川邊史也、齋藤千裕
ピアノ演奏:山田由起子
脚本:青木豪
演出:大谷賢治郎(company ma)
美術:池田ともゆき 照明:鷲崎淳一郎 音響:坂口野花 衣裳:坂本真彩 音楽・ピアノ演奏:山田由起子 振付:原田亮 舞台監督:稲葉対介 演出助手:宮藤希望 舞台監督助手:村松眞衣 バリアフリーサービス:鯨エマ 宣伝美術:山口拓三(GAROWA GRAPHICO) 制作チーフ:小関直人 制作サブ:田辺素子 平野真弓 佐久博美
【発売日】2016/12/15
一般5000円 25歳以下3000円(取り扱いは劇団銅鑼のみ・ご観劇当日、年齢を証明するものをご提示いただきます。)
http://www.gekidandora.com/titles/kanomachi/

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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