地人会新社「テレーズとローラン」約1時間半の四人芝居。谷賢一さんの新作戯曲は沙翁劇の引用など演劇の知識が織り込まれ愉しみが多い。構成はピンター作「背信」、芯はイプセン作「人形の家」か。観劇後に最初を振り返ると味わいが更に濃く。地獄から始まり地獄の始まりで終わる、祝祭感が良かった。
— 高野しのぶ (@shinorev) 2016年9月11日
「ディスグレイスト 恥辱」と「テレーズとローラン」を続けて観て、演出家は極悪、残忍、地獄…を知って(持って)いるのだと思った。例えば井上ひさし戯曲だって悪意で彩られている。人間の奥底にある(見たくない)ものを知り、自分の中のそれらも認めた上で、人間を描くのだと思う。恐ろしいこと。
— 高野しのぶ (@shinorev) 2016年9月11日
未だに勘違いされるし光栄なことなので別にいいんだが、『テレーズとローラン』はゾラを原作にした完全新作。翻訳ではないですし、原作から借用してる台詞は2%くらいです。文体模写しているのでゾラの言葉と思ってもらえるのは嬉しいのだが、筋書きを拝借しているだけでオリジナルですよー。
— 谷賢一 (@playnote) 2016年9月15日
[エンタメ] 【谷賢一の演劇地獄道】(5)テロや殺人を解きほぐす (産経新聞): 7月14日、芝居の本番を終えた私は帰宅後、テレビで「84人」という数字を聞き、怒りと不安で眠れなかった。フランスで起きたトラックによるテロ事件だ。… https://t.co/8dvUP0dDHs
— CEEK.JP NEWSbot/test (@CEEKJPNEWS) 2016年8月20日
⇒CoRich舞台芸術!『テレーズとローラン』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
いつも通り、ラカン一家と週に一度のカード遊びをするために、銀細工通りの小さな家を訪れた予審判事・マルタン(木場勝己)は、異様な光景を目の当たりにした。 2人の男女がお互いの腹を刺し合い、死んでいる。近所でも親孝行で評判のおしどり夫婦、テレーズ(奥村佳恵)とローラン(浜田 学)だ。そして溢れる血溜まりの中、椅子に座った1人の婦人が、死体をじっと見つめている。2人の義理の母、ラカン夫人(銀粉蝶)だ。 ラカン夫人は病気のため四肢が動かず、もう長いこと口もきけない。しかし彼女の瞳は大きく見開かれ、何かを告発するような輝きを放っていた──。
≪ここまで≫
雨ですね。こんな日は、池袋駅から雨にあたることなく直結している、東京芸術劇場にお越しください。シアターウエストで『テレーズとローラン』という芝居を上演しています。記憶に残る舞台になると思います。本日19時開演。当日券もあります! pic.twitter.com/1dkVztdc26
— 地人会新社 (@c_shinsya) 2016年9月13日
ラスト1回になりました『テレーズとローラン』です。演劇は生き物。今日ですべてが消えます、皆さまの記憶以外のすべてが。だから芝居って贅沢で愛おしい仕事だと思います。さあ、あなたも最後の目撃者に!!14時開演。当日券僅か。お急ぎ下さい。 pic.twitter.com/JUVetrpnUW
— 地人会新社 (@c_shinsya) 2016年9月19日
観劇予報を更新しました!: 地人会新社第5回公演 『テレーズとローラン』 奥村佳恵・浜田 学 インタビュー https://t.co/eKiYfBnrF7 pic.twitter.com/GZaxekqQdw
— 演劇キック (@enkick) 2016年9月2日
谷賢一が、地人会新社の「テレーズとローラン」の作・演出を手がける。 – ナタリー https://t.co/xOdvytauPY
— kazaura (@kazaura21) 2016年8月21日
ここからネタバレします。
テレーズ(奥村佳恵)が最後に女として、というより、人間としての自我に目覚める演技が好きでした。確信に満ちていて、力強くて、信じられました。『人形の家』のノラの姿も重なって見えてよかったです。
振り返ると、登場した4人全員が他人の言うことを聞かない人物だったなぁ…と。マルタンはお気楽マイペースで、ラカン夫人はもともと暴君だった上に、病に倒れてからは動けないし話せない。テレーズはラカン夫人にひどく抑圧されていて、自我の目覚めや自由を渇望していた…とすれば、ローランのことを本気で愛していたわけでもなさそう(恋は本物でも、ローランは目的のための手段でしかない)。ローランはローランで一人暮らしの運送会社社員として困窮してたから、ラカン夫人の家に入って「家賃を払う必要がなくなった」と安堵してたし。おかげで絵を描く余裕もあった。若い2人は犯罪を犯して以降の取り乱しっぷりからして、とにかく追い詰められていて、他人のことなんて考える余裕がなかった。
だとすると、やはり、テレーズとローランが恋を謳歌していた場面(つまりこの戯曲では最後の場面)には、2人が人間らしく呼吸をして、お互いを見て、受け入れ合って、この上ない幸せを味わっていた…という空気が欲しかったかもしれないですね。それはこのお芝居のラストとしてもふさわしいと思います。
↓演技について考えたこと。
「ディスグレイスト 恥辱」「テレーズとローラン」、その前の「弁明」「まちがいの喜劇」と、せりふ劇鑑賞が続いた。間にワークショップ見学も挟み、俳優について感じたこと。今ここに生きる演技をしようとする若手と、持ち前の技術を駆使して物語を伝えようとするベテラン。世代による違いは大きい。
— 高野しのぶ (@shinorev) 2016年9月11日
ベテランは両立できなきゃダメだと思います。本来。 https://t.co/aCL9YdqqvB
— ケラリーノ・サンドロヴィッチ (@kerasand) 2016年9月11日
舞台上でありのままに役人物として生きようとしても、技術がないからできない。技術を使うことに長けすぎてそれに夢中になると、舞台上で生きられない。やはり両立が必要なのでしょうね。
[出演] 木場勝己 奥村佳恵 浜田学 銀粉蝶
原作: エミール・ゾラ Émile Zola “Thérèse Raquin”
作・演出:谷賢一
美術/長田佳代子 照明/松本大介 衣裳/伊藤早苗 音響/加藤温
演出助手/井上裕朗 舞台監督/福本伸生 製作/渡辺江美
【休演日】9/12(月) 前売り開始 2016年 7月27日(水)
[全席指定・消費税込]一般 6500円/25歳以下 3000円
http://www.chijinkaishinsya.com/newproduction.html#therese
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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