文学座アトリエの会「弁明」約2時間45分休憩15分含む。「宗教は自分を映す鏡で他者との共感が救いになる」という解釈が、宗教信仰自体を揺るがす…のが面白い。500年先又は前を見据えた責任ある行動とは、と考えられた。いい戯曲。俳優(一部)の演技が曖昧で平板。期待が大きかったので残念。
— 高野しのぶ (@shinorev) 2016年9月7日
(評・舞台)文学座アトリエの会「弁明」 聞きごたえのある討論:朝日新聞デジタル https://t.co/ZDBHDaab3u
— 文学座 (@bungakuza) 2016年9月15日
⇒CoRich舞台芸術!『弁明』
≪あらすじ≫ 公式サイトより。(出演者名を追加)
美術史家クリスティン(山本道子)の誕生日。彼女の家に、長年の友人ヒュー(小林勝也)、銀行に勤める息子ピーター(佐川和正)と恋人のトルーディ(栗田桃子)、二男サイモン(亀田佳明)の恋人で女優のクレア(松岡依都美)が集まってくる。サイモンはなかなか姿を現さない。60、70年代に数々の反戦運動、労働闘争に参加したクリスティンは、男性優位であった美術史研究の世界で成功を収めた。最近、回顧録を出版したのだが、その内容が誕生日に波乱を巻き起こす。
≪ここまで≫
初日終演後にスマホに記録していたメモを以下に転載します。
一部の俳優を除き演技が曖昧で平板なため、戯曲が示す世界がしっかりと立ち上がらない。例えば今、なぜ、そこで、彼(彼女)に向かってその言葉を、その音で、そのスピードで、その態度と気持ちで言うのか、という演技の根拠がくっきり、はっきりしていない。相手役の出かたによって演技は変わるものなのに、相手の状態を受けずに(相手の呼吸を無視して)自分の予定(段取り)通りに声を出してしまっているから、関係がぶつ切れになる。用意している喜怒哀楽の種類が少なく、瞬時に様々に変容する感情を表現し切れていない。
アレクシ・ケイ・キャンベル戯曲、そして演出の上村聡史さんへの私の期待があまりに大きかった。演技、演出、翻訳の何が影響したのかはわからないが、いかにも海外戯曲といった日本語のセリフに違和感が残る。特に語尾が気になった。
「ディスグレイスト 恥辱」「テレーズとローラン」、その前の「弁明」「まちがいの喜劇」と、せりふ劇鑑賞が続いた。間にワークショップ見学も挟み、俳優について感じたこと。今ここに生きる演技をしようとする若手と、持ち前の技術を駆使して物語を伝えようとするベテラン。世代による違いは大きい。
— 高野しのぶ (@shinorev) 2016年9月11日
ベテランは両立できなきゃダメだと思います。本来。 https://t.co/aCL9YdqqvB
— ケラリーノ・サンドロヴィッチ (@kerasand) 2016年9月11日
先述のマレースミス作「ラブ・チャイルド」に、文学座アトリエの会で上演中の「弁明」との共通点が。60年代に女性の権利獲得のための運動をした世代と、現代の若者の対立。それも女性同士の。常に時代の犠牲はある。それを知り、見つめ、自分に問い直す。むー。
— 高野しのぶ (@shinorev) 2016年9月17日
昨日書いたマレースミス作「ラブ・チャイルド」と文学座アトリエの会で上演中の「弁明」との共通点、追加。女優が出てくる、そして日本のブランドの服が出てくる!(笑) 海外で買うと日本よりも高いわけで、スノッブな何かの象徴なのかもね~。
— 高野しのぶ (@shinorev) 2016年9月18日
経済至上主義で欲望をあおる世界を描いたブレヒト「マハゴニー市の興亡」を見て、人の贅沢や快楽が許せない村を描いたアーサー・ミラー「るつぼ」を読んだ今週。どっちでもある私たちの美しい国…それでも人は進化していると希望を提示する文学座アレクシ・ケイ・キャンベル「弁明」でちょいホッとした
— 川添史子 (@fumiko_kawazoe) 2016年9月18日
文学座「弁明」、一昨日観劇。とにかく戯曲が素晴らしい。いま原作を再読しているけど、舞台だと重たい空気の前半部分にクスッと笑える台詞が結構あって、台詞の面白さを生かす方向性の方が良かったのでは。クリスティンとヒューの友情はカッコいいし、憧れる。心に刺さる名台詞あり。
— 山田剛久 (@johnjohnnyjp) 2016年9月19日
文学座「弁明」 一番はクリスティンの remember, work is about offering not usury. 家族の在り方や消費社会を取り上げつつ、自分を包摂する社会を信じ、そこに己を捧げることの喜びと孤独を描く、格調高い作品。翻訳出版して日本語で残すべき戯曲。
— 山田剛久 (@johnjohnnyjp) 2016年9月19日
文学座アトリエの会『弁明』アトリエって円形劇場のような使い方も出来るんですねぇ。。舞台美術(長田佳代子さん)が素晴らしくて、逆方向からもう1回観たくなった。アレクシ・ケイ・キャンベルの作品はd-倉庫で観たTPT『プライド』以来2回目だけど今回のが好きかも。1幕が特に良かった。
— Yukiko.W (@kywatana) 2016年9月17日
クリスティン「あんたたちは分かってない 自分よりほんの少し大きなもののために生きる意味が」
クレア「あなたはいつからか一人一人の物語に耳を傾けなくなった」
トルーディ「私がキリストを好きなのは、ただ楽をしたかったからかもしれない」
自分の思考は一番クレアに近いな(見た目ではなく)— Yukiko.W (@kywatana) 2016年9月17日
しかしね、もしクリスティンが男性の美術史家だったら、仕事の回顧録に家族を登場させなかったと息子から責められるような事があっただろうか。なぜクリスティンは美術史家としての道か子供のどちらかを選ばなければならなかったんだろう。ラストのクリスティン(山本道子さん)の嗚咽が一層切なかった
— Yukiko.W (@kywatana) 2016年9月17日
出演:山本道子、栗田桃子、松岡依都美、小林勝也、佐川和正、亀田佳明 ※坂口芳貞が体調不良のため降板。代役は小林勝也。
作:アレクシ・ケイ・キャンベル 訳:広田敦郎 演出:上村聡史 美術/長田佳代子 照明/賀澤礼子 音響/藤田赤目 衣裳/伊藤早苗 舞台監督/加瀬幸恵 制作/友谷達之、山下悠 イラストとチラシデザイン/チャーハン・ラモーン
一般(前売)4,300円 一般(当日)4,600円
ユースチケット(25歳以下/前売・当日共に)2,500円
当日券は開演3時間前より当日券専用電話(03-3353-3566)で先着販売。
アフタートーク① 9/9(金) 広田敦郎(翻訳)×上村聡史(演出)
アフタートーク② 9/12(月) 出演者
アフタートーク③ 9/13(火) 長田佳代子(美術)×上村聡史(演出)・乘峯雅寛(美術家)
http://www.bungakuza.com/benmei/
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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