1985年にテレビドラマとして書かれた井上ひさしさんの戯曲を、1986年の初演から引き続き栗山民也さんが演出。出演は八嶋智人さんら、新旧混合キャストです。上演時間は約3時間(途中休憩1回を含む)。私は10年前の公演を拝見しました。
井上さんが亡くなってから、井上さんの作品を観る度に感じているのですが、戯曲は俳優が演じてこそ受け継がれていくものですね。主従関係を明快にしめす居住まいや着物の所作といった、時代ものならではの作法の他に、『國語元年』では登場人物一人ひとりが異なる方言を話しますので、俳優さんは通常のストレート・プレイとはまた違った挑戦が必要だろうと思います。
結局、私、半分ぐらいセリフわかんなかったです!!(笑) でも、とても、幸せでした。聴きなれない、理解できない、温かい、言葉のシャワーを浴びていました。これは私がかつて知っていて、今はもう失ってしまったものだと、懐かしく、悲しく、かみしめながら、舞台を見つめていました。
こまつ座「國語元年」レビュー記事をUPしました!<八嶋智人、朝海ひかるがつくる、日本人が大切にする心が詰まった「國語元年」 >はこちら→ https://t.co/4KUlU1gASZ #シアタークリップ pic.twitter.com/O9GrU56kHH
— シアタークリップ (@theaterclip) 2015, 9月 1
レビューはとりいそぎここまでです。続きが書けるかどうかはわかりません。
⇒CoRich舞台芸術!『國語元年』
≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
使っている人の言葉の
それぞれが日本語で、
その総和が日本語なのだ
――――― 井上ひさし
明治七年、東西の話し言葉がテンデンバラバラだった頃。文部省官吏の南郷清之輔に「全国統一の話し言葉を制定せよ」という命令が下った。
この日から、南郷家は、お国訛りをめぐって大騒ぎ。なにしろ、清之輔は長州出身、妻は薩摩の生まれ、そして妻の父は誇り高き薩摩の隼人健児。そこへもってきて、三人の女中たちは、江戸山の手言葉、下町のべらんめえ、羽前米沢のズーズー弁。おまけに車夫は遠野弁、そして書生は名古屋弁。さらにそこへ威勢のいいお女郎さんが河内弁で怒鳴り込み、あつかましいお公家さんが京言葉で居候を決め込む。まさに南郷家の言語状況は、日本の縮図。
こうして清之輔は、話し言葉の全国統一の前に、まず我が家のお国訛りによる大混乱におそわれる。そこに強盗に落ちぶれ果てた会津の士族がのっそり押し込んできた!!
カタコト英語しか喋れないピアニストの奏でる幻の「小学唱歌集」にのせて展開する、言語学的な悲喜劇の末、ついに清之輔が辿り着いた「文明開化語」とは一体どんなものだったのか!?――。
ことばづくりは国づくり。
藩のことばを統一しなければ、近代日本ははじまらない。
ことば、ことばと大格闘!
≪ここまで≫
≪東京、兵庫、愛知、宮城、山形≫
出演:八嶋智人、朝海ひかる、久保酎吉、那須佐代子、田根楽子、竹内都子、後藤浩明、佐藤誓、土屋裕一、森川由樹、たかお鷹、山本龍二
脚本:井上ひさし 演出:栗山民也 音楽:宇野誠一郎 美術:石井強司 照明:服部基 音響:深川定次 秦大介 衣裳:西原梨恵 振付:謝珠栄 音楽監督:国弘和毅 歌唱指導:亜久里夏代 宣伝美術:安野光雅 演出助手:坪井彰浩 渡邊千穂 舞台監督:加藤高 制作統括:井上麻矢 制作:長山泰久 遠山ちあき 石原直子 若林潤 湯浅明子 プロンプター:デシルバ安奈 主催:こまつ座 テレビ朝日
【休演日】9/8(火)、9/16(水)
<全席指定>
一般 :8,400円
夜チケット :7,800円
学生: 5,500円
http://www.komatsuza.co.jp/program/index.html#194
https://www.kinokuniya.co.jp/c/label/20150618130000.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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