快快『ルイ・ルイ』09/08-09/15神奈川芸術劇場・大スタジオ

 快快(ファイファイ)の新作。上演時間は約1時間45分(休憩なし)。高校生以下無料!観てください!!
 ※9/8の初日は公演中止(台風のため)。

≪概要≫ https://www.faifai.tv/news/4126/
ぬいぐるみの名前はルイ。
絶滅したニホンオオカミのぬいぐるみ。
かれらは、何らかのいのちを模して作られた、ひとじゃない友だち。
日々の側に置いておきながら、わたしだけの世界にも共に飛んで行ける存在。
時にひとは、社会じゃない世界、に行く事でパワーをもらえて、その世界がたしかに存在した、と思うことで、どんなに歪んだ現実にいても楽しく生きてける術をもってる。
この作品を目撃した人にとって、ルイルイもそんな感じの、あの時たしかにいた、忘れられない友だちみたいな、時間になりたい。
現実に切り込むために踊り狂うピエロは、現実を踊らせる事を願ってる。
すべての命の、累々のかがやきに目眩しながら、人類のさみしさに寄り添って、思う存分飼いならしてみたい。

北川陽子
≪ここまで≫

 ↓2019/11/27加筆

 ここからネタバレします。

 若い女性が天から降りてきたルイという名前のぬいぐるみを受け止めた。彼は「ラジオの電波をジャックした」と言い、大スタジオをジャックする。彼のオススメのナンバー「ルイ・ルイ」に乗せて、次々に短いシーン繰り出されていく。

 「現象」と「概念」。骨を観客に渡し客席中に回させて、実体を共有。木で火を起こし、虹を見せ「現象」を体感させる。劇場を暗転させれば「暗闇」という「概念」を共有できた。

 異国にいる夢の中で会おうと待ち合わせ、画面の向こうでしゃべるユーチューバー、深夜のクラブにこもって踊り続ける若者、絶滅したニホンオオカミの雄叫びを上げる。子育てで大忙しの兼業主婦は子供が自立した後の自分の孤独を想像し、「ママはいません!」と家族から隠れて存在を消す。

 やがてぬいぐるみのルイの声を初音がしゃべり出す。ラジオをジャックしたぬいぐるみは、彼女の想像だったのかもしれない。

■関係者

出演:大道寺梨乃、野上絹代、山崎皓司、石倉来輝、白波多カミン、初音映莉子、ルイ(ぬいぐるみ)
特別出演:毒蝮三太夫(声)
脚本:北川陽子
演出:快快
ぬいぐるみ制作:片岡メリヤス

舞台監督:藤田有紀彦(KAAT)
照明:中山奈美
音響:星野大輔
舞台美術:佐々木文美
衣装:藤谷香子
振付:野上絹代
映像・記録:加藤和也 河合宏樹
制作:河村美帆香 横井貴子 小原光洋 細井優花

宣伝美術:いすたえこ
宣伝写真:岩澤高雄(The VOICE)
宣伝ヘアメイク:山口恵理子
宣伝衣装:overlace
PHABLIC×KAZUI
Little Trip to Heaven

企画制作・主催:快快
提携:KAAT神奈川芸術劇場
助成:芸術文化振興基金
https://www.faifai.tv/news/4126/
https://www.kaat.jp/d/louielouie
http://stage.corich.jp/stage/101013

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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