キッズシアター~ボクとキミの秘密基地『妖怪博士』06/09-17文学座アトリエ

 文学座有志による集団「キッズシアター~ボクとキミの秘密基地」の第2弾です。前回に続き江戸川乱歩作品の舞台化なんですね。上演時間は約1時間。

 開場時間は子供たちが舞台上で当日パンフレットをぬり絵にして、皆で色塗りをしていました。いいアイデアですよね。

 出演者は基本的に皆、半袖白シャツに吊り半ズボンの少年探偵団ルックです。上から羽織る衣装や大きな布、マント、マスクなどで変身していきます。

 子供たちを楽しませようといい大人が本気で演技し、道化になり、歌って踊ります。見立ても仕掛けも楽しく、子供たちの笑い声が響く幸せな劇場空間でした。

 文学座アトリエは、演劇好きなら一度は行っておくべき貴重な空間だと思います。見知らぬ大人が自分を愛してくれた場所として、うっすらとでも子供たちの記憶に残ってくれるといいなと思います。

 ここからネタバレします。

 前半は洋館、後半は鍾乳洞が舞台の化かし合いで、犯人は怪人二十面相(亀田佳明)だとわかっていてもドキドキさせる大道の演出がいいですね。

 状況を説明するセリフと動作の組み合わせで主に構成されており、わかりやすい嘘と演じ分けの面白さはよく出ていましたが、それは前半だけで充分な気もしました。

 後半のクライマックスでは、上手の壁が開いて明智(上川路啓志)が登場し、現実(外)と虚構(内)をうまく接続させていました。演劇的な懐の深さがあってよかったです。続編予告もあり。

 だんだーんだんだーん少年団! だんだーんだんだーん探偵団!

キッズシアター~ボクとキミの秘密基地 vol.2
出演:山本道子(おかあさま、他)、亀田佳明(怪人二十面相、他)、斉藤祐一(小林少年、他)、西岡野人、頼経明子(殿村弘三、ほか)、上川路啓志(明智小五郎、他)、松岡依都美(運転手、中村警部、他)、柳橋朋典、山森大輔(蛭田博士、老猟師、他)、鈴木亜希子(おとうさま、他)、大野香織(からくりおねえさま、他)
作:江戸川乱歩 脚色:斉藤祐一 演出:所奏
美術:乘峯雅寛 照明:阪ロ美和 衣裳:中村洋一 振付:木皮成 舞台監督:的早孝起 音響協力:丸田裕也 チラシ:石井強司・大野香織 企画:鈴木亜希子 制作: A-Office 協力:文学座企画事業部/文学座文芸研究委員会
「少年探偵団のテーマ」作曲:沢田冬樹 作詞:斉藤祐一
「妖怪博士と手下の詩」作曲:沢田冬樹 作詞:斉藤祐一
楽曲演奏:沢田冬樹、新井友之、高橋明大、宇賀啓祐
【発売日】2018/05/10
親御さんのお膝:¥0
小学生以下:¥500
中学生:¥1,000
学生(高校生以上):¥2,000
一般:¥2,500
親子ペア割(親御様のチケットを¥500割引)
https://ameblo.jp/akaoni2012/entry-12377813113.html
https://www.facebook.com/kidstheater.kimiboku/posts/776071282597279
http://stage.corich.jp/stage/92142

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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