映画「スリー・ビルボード」が話題になったばかりのマーティン・マクドナーさんの戯曲を長塚圭史さんが演出されます。翻訳は小川絵梨子さん。2016年の英国ローレンス・オリヴィエ賞のベスト・プレイ賞受賞作の日本初演です。
彩の国さいたま芸術劇場公演の初日を拝見しました。上演時間は約2時間45分(休憩15分含む)。東京公演が世田谷パブリックシアターで始まっています。多地域ツアーあり。
“常識を破る面白さ”長塚圭史が語る、マクドナー「ハングマン」の魅力 https://t.co/MvgffwoAtr pic.twitter.com/MsBEMOG8nb
— ステージナタリー (@stage_natalie) 2018年5月16日
有料パンフレットの長塚さんと小川さんの対談は必読かと。一部が公開されています⇒【観劇前の準備】(武蔵大学准教授 北村紗衣)
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予想外の結末にド肝を抜かれる傑作!| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| とにかく |
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|| ||#UNEXThttps://t.co/owjlMysos3— U-NEXT<ユーネクスト>公式 (@watch_UNEXT) 2018年5月16日
≪あらすじ≫ 公式サイトより
「俺だって腕はいい!ピアポイントと同じくらいに!!」
1963年。イングランドの刑務所。ハングマン=絞首刑執行人のハリー(田中哲司)は、連続婦女殺人犯ヘネシー(村上航)の刑を執行しようとしていた。しかし、ヘネシーは冤罪を訴えベッドにしがみつき叫ぶ。「せめてピアポイント(三上市朗)を呼べ!」。ピアポイントに次いで「二番目に有名」なハングマンであることを刺激され、ハリーは乱暴に刑を執行するのだった。
2年後。1965年。イングランド北西部の町・オールダムにある小さなパブ。死刑制度が廃止になった日、ハングマン・ハリーと妻アリス(秋山菜津子)が切り盛りする店では、常連客(羽場裕一・大森博史・市川しんぺー・谷川昭一朗)がいつもと変わらずビールを飲んでいた。新聞記者のクレッグ(長塚圭史)は最後のハングマンであるハリーからコメントを引き出そうと躍起になっている。そこに、見慣れない若いロンドン訛りの男、ムーニー(大東駿介)が入ってくる。不穏な空気を纏い、不思議な存在感を放ちながら。
翌朝、ムーニーは再び店に現れる。ハリーの娘シャーリー(富田望生)に近づいて一緒に出かける約束をとりつけるが、その後姿を消すムーニーと、夜になっても帰って来ないシャーリー。そんな中、ハリーのかつての助手シド(宮崎吐夢)が店を訪れ、「ロンドン訛りのあやしい男が『ヘネシー事件』の真犯人であることを匂わせて、オールダムに向かった」と告げる。娘と男が 接触していたことを知ったハリーは・・・!
謎の男ムーニーと消えたシャーリーを巡り、事態はスリリングに加速する。
≪ここまで≫
やっぱり面白い戯曲!ナショナル・シアター・ライヴで観て結末も知っていたのに、ハラハラさせられました。“ヘネシー”とは最初の場面に登場する死刑囚で、“ピアポイント”は田中哲司さん演じる絞首刑執行人ハリー(=ハングマン)のライバルです。この2つの名前を覚えておくといいのではないかと思います。
具象美術の回り舞台で1965年の英国のパブが再現されています。常連客(大森博史・市川しんぺー・谷川昭一朗)はダメダメな大人ばかり。警部(羽場裕一)までが入り浸っていることから、オールダムという街のイケてない感が伝わってきます。ただ、酒場の人々についてはもう少し、店そのものに染みついているような、場との一体感が欲しかった気もしました。
全体的に俳優の持ち味を生かす役作りだったようですが、癖や仕草を作り込む方向性も取り入れていいのではないかと思いました。
つかみどころのない、無礼な都会風の若者ムーニー(大東俊介)と、店主ハリーの娘シャーリー(富田望生)の二人きりの場面がとても良かったです。無言のまま時間が止まったようで、色っぽかったです。
「MANTAN WEB」に舞台「ハングマン」出演中の富田望生さんインタビューが掲載されました。ぜひご覧ください!
富田望生:脇役で存在感を放つ新進女優が舞台初挑戦 広瀬すずの“背中”に感化も https://t.co/51rbDoJMFS#ハングマン #PARCOSTAGE— PARCO STAGE (@parcostage) 2018年5月14日
カーテンコールで出演者が12人並んだ時、大人数で贅沢だなと思いました。マクドナー戯曲の上演で建て込まれた具象美術があった、森新太郎さん演出『イニシュマン島のビリー』でも出演者は9人でしたよね。
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ここからネタバレします。NTLive「ハングメン」もご参考にどうぞ。セリフは正確ではありません。
ハリーはシャーリーを誘拐した(セックスもして放置していた)ムーニーの首を吊り上げ、脅すだけのつもりだったのですが、ピアポイントが来訪したため、とっさにムーニーをカーテンの裏に隠します。ピアポイントともめている間にムーニーの足を載せていた椅子が転がり、彼はそのまま死んでしまいました。わかっていてもハラハラ、イライラさせられ、笑える場面です。
常連客たちは手伝う気がないのでさっさと帰り、ハリーとシドの2人だけで死体を片づけることに。警部も「見なかったことにする」と言って去ってしまいます。とんでもない警部!! 結局、2年前も、今回起こった似た殺人事件も、犯人が誰なのかはわからず仕舞いでした。ひどい街の、ひどい人たちですよね…。けれども憎めない。マクドナー戯曲ならではだと思います。
殺人事件の犯人が捕まらないままの街に、犯人とおぼしき人物がやってくるのは、「スリー・ビルボード」と重なりました。
≪埼玉、東京、愛知、京都、福岡≫
【出演】
ハリー:田中哲司⇒パブの店主で絞首刑執行人
シド:宮崎吐夢⇒ハリーの助手
ヘネシー:村上航⇒冒頭で絞首刑になった男性(冤罪の可能性あり)
フライ警部補:羽場裕一⇒パブの常連客。警部。
アリス:秋山菜津子⇒ハリーの妻
シャーリー:富田望生⇒ハリーの15歳の娘
ムーニー:大東駿介⇒金髪の不審な若者(殺人犯?)
ビル:谷川昭一朗⇒パブの常連客。妻に逃げられたアル中
アーサー:大森博史⇒パブの常連客。耳が遠い老人。
チャーリー:市川しんぺー⇒パブの常連客。老人アーサーの通訳的存在
クレッグ:長塚圭史⇒新聞記者
ピアポイント:三上市朗⇒ハリーの天敵、10年前に絞首刑執行人をリタイア(実在の人物)
脚本:マーティン・マクドナー
翻訳:小川絵梨子
演出:長塚圭史
美術:二村周作 照明:笠原俊幸 音響:加藤温 衣裳:安野ともこ ヘアメイク:勇見勝彦 演出助手:坂本聖子 舞台監督:福澤諭志
企画:佐藤玄・伊藤達哉 プロデューサー:藤井綾子 製作:井上肇 企画協力:ゴーチ・ブラザーズ
企画製作:株式会社パルコ
宣伝:ディップス・プラネット 宣伝美術:榎本太郎 宣伝写真:森崎恵美子
宣伝ヘアメイク:勇見勝彦 遠山美和子 宣伝衣裳:安野ともこ
(全席指定・税込)=7,800円
U‐25チケット:4,000円(観劇時25歳以下対象、当日指定席引換、要身分証明証/チケットぴあ、パルステ!にて前売販売のみの取扱い)
http://www.parco-play.com/web/program/hangmen/
http://stage.corich.jp/stage/90806
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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