≪あらすじ≫ 公式サイトより
第二次世界大戦末期、日本の外務省と在独大使館の間で、乱数表を用いた暗号電報の代わりに早口の薩摩弁で国際電話をかける方法が採択された。大胆なその手法は功を奏したかに見えたが、アメリカ軍に盗聴、解読される。次の手を打つため、琉球語を話す男と津軽弁を話す男が、密かに軍に呼ばれた・・・。
≪ここまで≫
こまばアゴラ劇場で畑澤聖悟作・演出・出演「ハイサイせば」約1時間20分。年明けからガツンといいお芝居!超満席で劇評家さんも大勢いらしたような。
敗戦間際の日本。東京の海軍省に沖縄と青森の市民が集められ…。津軽弁と琉球語と標準語が行き交うのが楽しい♪家族が兵隊に取られるのはある意味平等だけど、“田舎者”は特に差別され、搾取されていた。
ここからネタバレします。
政府は青森の農民に「林檎を栽培せよ」と命令しておいて、10年経ってやっと林檎だけで生計が立てられるようになったら「林檎は贅沢品だ、コメを作れ」と政策を反転。夫が南方に出征している間に、家族は林檎の木を泣きながら全て切り落とすことに。
招集された兵士は県ごとに同じ連隊に所属するが、沖縄の兵士だけはバラバラに配属された。「軍はわからない言葉を話す人々が怖かったのだろう」。
貧しさゆえに子供が売られるのを“糸満売り”と呼んだ。沖縄の元漁師は8歳から20歳まで(年齢は不確か)働かされて、読み書きができない。
一般回線の電話でドイツに暗号を伝える作戦だったが、全ては“共産主義の運動家”=比嘉幸信を陥れるための罠だった…というどんでん返し!
元漁師の「ヤマトはこりごりです」というセリフが胸に刺さった。
受話器を取って南方にいるはずの夫に話しかける掃除人の女性は、「林檎が沢山できた、来年もきっと。だって私と貴方が植えた林檎なんだから」と報告していたようだ。切ない。
渡辺源四郎商店第28回公演
≪東京、青森、沖縄≫
出演
工藤シズ(青森出身、海軍省の掃除婦):三上晴佳、工藤佐吉(青森出身の元力士):工藤良平、東京帝大助教授(言語学者?):佐藤宏之、海軍省職員・タイピスト:我満望美、鈴木利通(情報将校、海軍少尉)工藤和嵯、佐藤剛太郎(情報将校、海軍少佐):畑澤聖悟、比嘉盛昌(漁師、沖縄出身)安和学治(劇艶おとな団)、比嘉幸信(クェーカー教の牧師、沖縄出身):当山彰一(劇艶おとな団)
脚本・演出:畑澤聖悟
ドラマターグ・演出補:工藤千夏
音響:藤平美保子
照明:中島俊嗣
舞台美術:山下昇平
舞台監督:中西隆雄
宣伝美術:工藤規雄、渡辺佳奈子
プロデュース:佐藤誠(渡辺源四郎商店)、安和朝彦((一社)おきなわ芸術文化の箱)
制作:秋庭里美、佐藤宏之、野倉匡泰、木村知子
演出助手:山上由美子、末安寛子
【主催】 渡辺源四郎商店、なべげんわーく合同会社
【企画制作】 なべげんわーく合同会社
【提携】劇艶おとな団、(一社)おきなわ芸術文化の箱
【東京公演提携】(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
【助成】独立行政法人日本芸術文化振興会
【発売日】2017/12/01
一般予約:3,000円 一般当日:3,500円
学生予約:2,000円 学生当日:2,300円
高校生以下予約:無料(12/20までに要オンライン予約)
※事前予約のない場合は、高校生以下料金500円となります
http://nabegen.com/0028.haiseba/index.html
http://m-base.okinawa/2017/10/30/haiseba-oki/
http://stage.corich.jp/stage/88070
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
便利な無料メルマガ↓も発行しております♪