こまつ座『國語元年』09/01-23紀伊國屋サザンシアター

 1985年にテレビドラマとして書かれた井上ひさしさんの戯曲を、1986年の初演から引き続き栗山民也さんが演出。出演は八嶋智人さんら、新旧混合キャストです。上演時間は約3時間(途中休憩1回を含む)。私は10年前の公演を拝見しました。

 井上さんが亡くなってから、井上さんの作品を観る度に感じているのですが、戯曲は俳優が演じてこそ受け継がれていくものですね。主従関係を明快にしめす居住まいや着物の所作といった、時代ものならではの作法の他に、『國語元年』では登場人物一人ひとりが異なる方言を話しますので、俳優さんは通常のストレート・プレイとはまた違った挑戦が必要だろうと思います。

 結局、私、半分ぐらいセリフわかんなかったです!!(笑) でも、とても、幸せでした。聴きなれない、理解できない、温かい、言葉のシャワーを浴びていました。これは私がかつて知っていて、今はもう失ってしまったものだと、懐かしく、悲しく、かみしめながら、舞台を見つめていました。

 レビューはとりいそぎここまでです。続きが書けるかどうかはわかりません。

 ⇒CoRich舞台芸術!『國語元年

マームとジプシー/東京芸術劇場『cocoon 憧れも、初戀も、爆撃も、死も。』06/27-07/12東京芸術劇場シアターイースト

 ⇒2013年初演のレビュー

 ⇒CoRich舞台芸術!『cocoon

パルコ・プロデュース『正しい教室』04/02-19 PARCO劇場

 井上芳雄さんがストレート・プレイに主演される、しかも作・演出が蓬莱竜太さんなので観に行きました。上演時間は約2時間(休憩なし)

 小学校の同窓会で、かつて自分たちが通っていた教室に集まった6人。でも招かざる客が現れて…。大がかりな場面転換も時代の変化もなく、舞台上の時間が現実と同様に経過する、現代日本が舞台の群像劇でした。一筋縄ではいかない物語で、自分だったらどうするかと考えながら帰路に着きました。

  ⇒おけぴ「『正しい教室』井上芳雄さんインタビュー
  ⇒おけぴ「『正しい教室』開幕レポート

 ⇒CoRich舞台芸術!『正しい教室

※2015年4月公演ですが旧サイトではなく新サイトに載せました。
※2020/09/14に公開しました。

Kawai Project『「から騒ぎ」Much Ado About Nothing』04/27-29東京大学駒場キャンパス・21KOMCEE MMホール

から騒ぎ
から騒ぎ

 2014年の記事ですが、旧ブログから転載します(2016/08/13)。

 2014年しのぶの小劇場ベスト3より転載。
 「英文学者・翻訳家の河合祥一郎氏がシェイクスピア戯曲を翻訳、演出したKawai Projectは、キャストの大半が新国立劇場演劇研修所の修了生。みずみずしい演技でセリフを生きた言葉にして伝え、海外古典劇を現代日本人が本気で笑えるコメディーに仕上げていた。形式ばった演技の沙翁劇が幅を利かす演劇界において画期的な成果と言える。」

 メルマガ2014年5月号より転載。
 「俳優ありきのシェイクスピア劇でめちゃくちゃ楽しかった!何もない空間の四方を客席が囲み、俳優が観客に自然に関わってくる。呼吸が開かれているから、ゲラゲラ笑えて親身になれた。こんな日本語と演技で沙翁劇を味わいたかった。夢が叶った気持ち。」

 ⇒CoRich舞台芸術!『「から騒ぎ」Much Ado About Nothing