スズキ拓朗さんが童話『シンデレラ』を親子向けの舞台に。上演時間は約1時間25分。
いつもながらスズキさんはアイデアが豊富で手札が多い！ とっても楽しかったです。小学生以下のお子様も最後まで集中してご覧になっていました。前売り完売です。
【親と子のクリスマス・メルヘン「#シンデレラ 」～おどる童話～】#せんがわ劇場 のロビーも、クリスマスムードです♪
サンタさんのソリは、乗って写真も撮れます。#インスタ映え もばっちり！
かわいい特製ポストカードも販売していますよ。#せんがわシンデレラ #せんがわ劇場 #調布 #仙川 pic.twitter.com/xBiR188CgI— せんがわ劇場 (@SengawaG) 2017年12月20日
真っ白な空間をカラフルな小道具と衣装、元気な踊り、工夫を凝らした映像で染め上げます。お話は原作にほぼ忠実で、創作部分もありました。
当日パンフレットでスズキさんが「ママに元気をあげる！」（「君だけのオリジナル呪文」準グランプリ受賞作）が今回のテーマになったと書かれていたような（パンフを劇場で紛失しました、すみません・涙）。親子、家族がクローズアップされ、仲間外れをつくらない結末に感動しました。グランプリの「あんぶんぶーのがんがんがー」が魔法の呪文として何度も劇中で使われていました。
シンデレラ役はデシルバ安奈さん、王子役は林田航平さん。見目麗しいおふたりは、新国立劇場演劇研修所の修了生です（デシルバさんは7期生、林田さんは5期生）。透明感のある演技がやはり良かったです。
本日いよいよ18:30〜初日です！チラシデザインのアカツキウォーカーさんのデザインポストカード売ってます♪親と子のクリスマス・メルヘン「シンデレラ」～おどる童話～12月19日(火)～25日(月)せんがわ劇場 pic.twitter.com/UOOO9cLtCj
— スズキ拓朗 (@suzukihokuro) 2017年12月19日
ここからネタバレします。 セリフなどは正確ではありません。
ダンス、演技、歌、映像、人形、影絵、布と紙と箱を使ったイリュージョン…！
舞台奥の壁に四角い穴が4つ。靴が出てきたり、人形劇（リカちゃん人形？）や影絵ブースにも。亡くなってしまったシンデレラのご両親（母：田中美甫）が顔を出したりも。
大きさが異なる白い箱が10個ぐらい並んでいて、色んなものに見立てられました。足を箱に入れる映像が各箱に映写されるなど、細かく演出されています。
絵の具を付けた手や足を、箱や、床の大きな紙にペタペタとくっつけて、絵を描いたりも。ライブ・ペインティングと工作の楽しさもあります。
基本は白い衣装ですが、配役がはっきりすると、個性と役割を際立たせる童話らしい衣装、ヘアメイクに変わります。とても良かったです。
歌あり踊りあり、最後は楽器演奏もありましたね。超～～～盛りだくさんで飽きさせない！
私が知っている『シンデレラ』では魔女が登場しましたが、今作ではシンデレラの死んだ両親が現れて、「あんぶんぶーのがんがんがー」と魔法をかけてくれます。
オレンジ色の丸い布を膨らませてかぼちゃの馬車を作り、レモンの輪切りが車輪かつ時計になりました。布の中でネズミたちが衣装を着替えて従者たちに変身。シンデレラも新たなスカートとガラスの靴を装着して、布から出てきます。床にも3つ、四角い穴が開いていますから、その穴を使ったイリュージョンだとわかっていても、やっぱりわくわくしますね。
王子とシンデレラは舞踏会の会場で靴を見失って、二人ともが片方だけ裸足の時に出会います（ネズミたちの心憎い仕業）。ガラスの靴の持ち主探しでシンデレラが発見され、彼女が靴を履こうと（箱に足を入れようと）しますが、王子は「もう靴は履かなくていい」と言って、自分から裸足になります。「ハダシのワタシ」になった2人がお互いに愛を確かめ合うのは、「ありのままの自分」を認め合うことでもありますよね。
継母と二人の娘はシンデレラに超～意地悪で、わかりやすい悪役トリオでしたが、王子様のプロポーズを受けたシンデレラが、「私の家族も王宮に住まわせてください」と言って（王様が快諾して）和解し、大団円。素晴らしい！
少しだけ気になったところを。各ダンス・シーンが少々長すぎるように感じました。少しずつ短めにして上演時間をスリムにした方が、ギュっと凝縮されて、エンターテインメントとしてさらに洗練されるのではないでしょうか。
【親と子のクリスマス・メルヘン「#シンデレラ 」～おどる童話～
皆さまから寄せられた100の「まほうの言葉」を俳優たちが唱えるスピンオフ動画、最後は100個すべてを網羅したロング版！1本だけ見るならこれ！#せんがわシンデレラ #せんがわ劇場 #調布 #仙川https://t.co/DGxxhXvoJp— せんがわ劇場 (@SengawaG) 2017年12月18日
シンデレラ、千秋楽無事終演致しました。ご来場誠にありがとうございます！ pic.twitter.com/XqRtZsKZSP
— 林田 航平 (@thunderogisan) 2017年12月25日
出演：浅井裕子／荒木亜矢子／井関ひろ南／伊藤総（王様の執事？シンデレラの継母に恋）／岩坪成美／浦川拓海／河内友貴／久保晴奈／園田シンジ／田中美甫（シンデレラの母）／デシルバ安奈(シンデレラ)／寺脇千恵／中井沙織／蜂谷眞未／林田航平（王子）／みぞぐちあすみ／吉田裕貴（五十音順）
振付・構成・演出＝スズキ拓朗
美術＝石井みつる
映像＝青山健一
照明＝長尾裕介／関定己
音響＝許斐祐
衣裳＝仲村祐妃子
舞台監督＝河内崇
ドラマターク＝柏木俊彦
演出助手＝櫻井拓見
振付助手＝荒木亜矢子／岩坪成美
舞台監督助手＝新藤秀将
宣伝美術＝アカツキウォーカー
制作統括＝末永明彦
＜主催＞
調布市（調布市せんがわ劇場舞台芸術を楽しむ市民の裾野拡大事業）
調布市せんがわ劇場イベント実行委員会
【発売日】2017/10/28
一般2,500円、調布市民（在住・在勤） 2,300円、 Ｕ-25 1,500円 、こども（小学生以下）1,000円 、おやこペア3,000円 ※ハンディキャップ割引あり
http://www.sengawa-gekijo.jp/kouen/18509.html
http://stage.corich.jp/stage/87889
※クレジットはわかる範囲で載せています（順不同）。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
～・～・～・～・～・～・～・～
★“しのぶの演劇レビュー”ＴＯＰページはこちらです。
便利な無料メルマガ↓も発行しております♪