【ご報告】無期限休止のお知らせなど(2024年5月あたり)

 ★この投稿を公開したのは2025/04/01です。

 2024年5月16日に私の演劇関係の活動の無期限休止を発表しました。その前後の投稿などをまとめておきます。

■2024年3月

 

■2024年5月

 
2024年5月4日
KAAT神奈川芸術劇場は「ハラスメント防止の取り組み」を履行してください。
https://x.com/shinorev/status/1786697689750806598

2024年5月13日
演劇関係者は観客の悲しみ、苦しみを知らないまま暴力構造を常態化させている。
https://x.com/shinorev/status/1789936413506461729

2024年5月13日
私は自分が加害への窓口になっていたと知り、2022年秋にパニック障害を発症した。
https://x.com/shinorev/status/1789994531414270390

2024年5月13日
緊急事態舞台芸術ネットワーク「ハラスメント防止ガイドブック」に観客への視点が見つけられなかった。
https://x.com/shinorev/status/1790180487262331112

2024年5月15日
表現と鑑賞者(観客)はセット。観客に目を向けてください。
https://x.com/shinorev/status/1790614343694098634

2024年5月16日
演劇人への敬意が干上がってしまった。
https://x.com/shinorev/status/1791014090384810197

2024年5月18日
「被害者第一」でないと二次加害をしてしまう。
https://x.com/shinorev/status/1791660697744720095

2024年5月19日
緊急事態舞台芸術ネットワークに抗議しました。
https://x.com/shinorev/status/1792059367132738006

2024年5月21日
KAAT神奈川芸術劇場に以下を求めました。
「ロームシアター京都と世田谷パブリックシアターのように、劇場に参加する全ての人を対象にした「ハラスメント防止ガイドライン」を策定、公開してください」等。
https://x.com/shinorev/status/1792730864142754266

2024年5月24日
またパワハラ、セクハラ加害が疑われる表現者のインタビュー記事。
https://x.com/shinorev/status/1793802739878940905
「被害者の方々は既に心身共に傷ついている上に、理解のない大勢の他者からも散々に傷つけられていますから、本当に信用できる人にしか大切なことは話せません」

■2024年6月14日にKAATに送ったメール

 
【背景】
PACBI対象:Baobab主催、KAAT神奈川芸術劇場での上演のDANCE×Scrum!!! への要求
https://actionnetwork.org/letters/pacbibaobabkaatdancexscrum-2
4/30-5/2「KAAT/Baobab PACBIメールストームアクション」
https://x.com/very_big_eyes/status/1785315799676379197

2024年5月20日のKAATから私への返信には以下の記載がありました。
「イスラエル大使館の後援に関する事柄については 主催者である Baobab 様の判断でおこなわれました。(略)主催者である Baobab 様が、近日経緯の説明を行われると聞いております。詳しくは、そちらをご覧ください。」
※Baobabはまだ説明をしていません(2025/03/31時点)。
https://dd-baobab-bb.boo.jp/archive/41st.html

私からKAAT神奈川芸術劇場へのメールはX(旧Twiitter)で公開しています。以下はその続きです。

==ここから==

KAAT神奈川芸術劇場
館長 眞野純様

お世話になっております。
ご返信をありがとうございました。

宛名は館長の眞野さんですが、眞野さんと芸術監督の長塚圭史さんを含むKAATの関係者全員宛てのつもりで書いております。

私は前回のメールで以下の【3】についてのみ、回答を求めました。

【3】ロームシアター京都と世田谷パブリックシアターのように、劇場に参加する全ての人を対象にした「ハラスメント防止ガイドライン」を策定、公開してください。

しかしながら【3】についての具体的な返答はなく、今回のKAATの返信文とKAATが目指す姿との間に矛盾があり、KAATは言行不一致で不誠実だと思いました。

■いまだにKAATは問い合わせ者を一個人として扱っていない

Baobab主催「DANCE×Scrum!!!2024」(提携・共催:KAAT神奈川芸術劇場)について問い合わせた私の知人には、まだKAATからの返信がありませんが、それは「限られた人員で運営しているため」だという説明がありました。

人員不足を理由に「あらゆる個別のお問い合わせに対して、個別にお答えができる訳ではない」と開き直り、それを「ご理解ください」と書かれていますが、私は理解などいたしません。複数人で手分けして1日20通ずつ返信するなどの工夫はできるはずです。問い合わせ数が約1600通なら約80日かかりますが、3ヶ月以内に終わります。

Baobab主催「DANCE×Scrum!!!2024」の場合、約1600通の問い合わせは似かよった内容だったはずです。KAATが2024/5/20に公開した「「DANCE×Scrum!!!2024」に関するお問い合わせにつきまして」は、それらの問い合わせに対する答えにはなっていなかったようですので、新たに文章を作成して公開すればよいのではないでしょうか。そうすれば個別の返信をしなくても、問い合わせ者は納得してくださるかもしれません。

KAATは問い合わせ者によって対応を変えたことを人員不足のせいにし、問い合わせに答えないKAATに不信感を持っている方々(私の知人を含む)への謝罪もしていません。これほど多くの方々が問い合わせをするくらいのことを、KAATは、したのです。その自覚が足りていないとも思います。

前回のメールでお伝えしたとおり、KAATは相変わらず、問い合わせ者ひとりひとりを、それぞれに尊厳を持つ個人として扱っていません。

■KAATの「ハラスメント防止の取り組み」は今、機能していない

・KAATは「KAATがホームページに公開している「ハラスメント防止の取り組み」をベースに、さらに取り組みを進め」る。
・KAATは私が指摘した表現者のハラスメントにまつわる二次加害や観客を傷つける舞台表現等について、「今後様々な形で配慮を検討」する。

今回の返信文にこの2点が書かれていたことで、KAATが私の問い合わせの文章を読んだことが伝わりました。ありがとうございました。
私はKAATが、KAATが掲げた「ハラスメント防止の取り組み」を遵守していないことを問題視しています。これからKAATがどんな「取り組みを進め」ても、「配慮を検討」しても、遵守しないのであれば“絵に描いた餅”であり、ハラスメントは防止できないと思います。

KAATの「ハラスメント防止の取り組み」は「「・・をしてはいけない」ではなく(略)あるべき姿を掲げる」方向性で策定されたそうですが、あるべき姿を掲げただけで効力を発揮していないのですから、世田谷パブリックシアターのハラスメント防止ガイドラインのように、「禁止事項」の欄を設けるなどして実効性のあるものにすべきだと思います。

・世田谷パブリックシアター ハラスメント防止ガイドライン
https://setagaya-pt.jp/anti-harassment/
「5.禁止行為」
「6.立場の弱い者がハラスメントを受けている事実を認めながら、これを黙認する権威者・その場の管理責任者の行為」

■「KAATはKAAT提携公演やKAAT芸術監督が出演する公演への問い合わせに答える立場にない」わけがない

私はKAATとその芸術監督に不信感を抱いている理由として、劇団地点『ギャンブラー』と彩の国さいたま芸術劇場『新世界』の例を挙げましたが、この2例についての質問はしていません。しかし返信文には、この2例に対して「KAATは、他団体の主催する事業についての問い合わせに答える立場にない」という主旨の説明がありました。

地点の主催公演『ギャンブラー』はKAAT大スタジオで上演されたKAAT提携公演です。上演会場はKAAT内で、KAATは県立劇場の提携という形で地点主催公演に公的なお墨付きを与えています。また、長塚さんがKAAT神奈川芸術劇場芸術監督という肩書きでアフタートークに出演されていますから、KAATが地点主催公演の関係者であることは明白です。私のような一観客からの問い合わせがあれば、KAATはそれに答えるべき立場にあります。

「KAATが提携しようが、KAATで上演しようが、KAATの芸術監督が出演しようが、KAATは他団体の主催事業についての問い合わせに答える立場にない」などという言い分が、一般社会に通用するわけがありません。一観客である私は決して納得しません。

■KAAT芸術監督が出演する他団体の主催公演で問題が起きたら?

2023年11月に俳優の成河さんが舞台『ねじまき鳥クロニクル』のアフタートークで失言をされた際、成河さんご自身だけでなく、主催者のホリプロと成河さんの所属事務所ブルー・ジュピターが謝罪の声明を公開しました。
・観客のnote
https://note.com/janet_e/n/na017efb72bb0
・舞台『ねじまき鳥クロニクル』公式X
https://x.com/nejimakistage/status/1724424289959428418
・株式会社ブルー・ジュピター』公式X
https://x.com/tw_de_songha_sc/status/1724441372357177359
・成河公式ブログ「お詫びと反省」
https://web-dorama.jugem.jp/?eid=1111
・「ねじまき鳥クロニクル」成河の女子蔑視発言、ホリプロが取材で認める 「再発防止に努めていく」
https://www.j-cast.com/2023/11/15473067.html

もしも、長塚さんがKAAT芸術監督として出演された他団体主催公演のアフタートークにおいて、成河さんの事例のようなことが起こった場合、長塚さんの所属先であるKAATは問い合わせに対して「KAAT主催事業ではないから問い合わせに答える立場にない」といった説明をするでしょうか。おそらくそうはならず、KAATはブルー・ジュピターのように何らかの対応をするだろうと私は予想します。

したがって「KAATは、他団体の主催する事業についての問い合わせに答える立場にない」という主旨の説明は説得力に欠けると思います。私はこの説明には嘘が含まれているように感じますし、不誠実だと思います。

■今のKAATが「ひとりひとりの観客と相互の信頼を結ぶ」ことは不可能

今回の返信文の締めくくりに「おひとりおひとりの観客の方々に一方的な関係ではなく相互の信頼が結べるような劇場でありたい」といった記述がありますが、人員不足を理由に問い合わせ者への返信をしないKAATが、ひとりひとりの観客と相互の信頼を結べるはずがありません。

そしてKAATは、KAATで実施される公演が主催事業でない場合、問い合わせがあっても「答える立場にない」という説明をしています。観客がそんな公共劇場と相互の信頼を結べるかというと、期待はできないだろうと思います。

つまり、今回の返信文が示したのはKAATの言行不一致です。館長というお立場上、仕方のないことかもしれませんが、眞野さんがこんな文章に署名をされたことを私はとても悲しく感じております。

■私は再び【3】を求めます

今回の返信文によってKAATは、私が要望した以下の【3】を拒否したも同然ですが、考え直していただきたいです。

【3】ロームシアター京都と世田谷パブリックシアターのように、劇場に参加する全ての人を対象にした「ハラスメント防止ガイドライン」を策定、公開してください。

KAATが「劇場に参加する全ての人」をそれぞれに尊厳を持つ個人として扱わない限り、何を言っても(書いても)説得力がないと思います。「劇場に参加する全ての人」には当然、KAATの館長、芸術監督、職員も含まれます。今のKAATという場は、KAATの関係者でさえ“安心安全”ではないように、私には見えています。

KAATの皆さんには、芸術の名を冠した公共施設の職員あるいは関係者として、表現にかかわる人間として、ひとりの大人として、KAATを“安心安全”な場にするためにはどうすればいいのか、何を変えればいいのかを本気で考えてみて欲しいです。

KAATで実施される事業を主催か主催でないかで区別する限り、作り手の誰もが“安心安全”にはなれないでしょうし、上演と観客とを切り離して思考する限り、観客は“安心安全”にはなれないと私は思います。まずはKAATも、ロームシアター京都と世田谷パブリックシアターに続いてください。

お読みくださりありがとうございました。
今回の私からのメールに対しては、ご返信は不要です。

2024年6月14日 高野しのぶ

==ここまで==

※眞野純氏はKAAT神奈川芸術劇場の館長でしたが、2024年8月以降はKAAT神奈川芸術劇場と神奈川県民ホールの総支配人になられたようです。

■2024年8月

 
2024年8月16日
無期限のお休みを宣言してから3ヶ月。今も外出時は車椅子です。
https://x.com/shinorev/status/1824260736367067198