谷賢一さん作・演出・主演の一人芝居です。私は初日のライブ配信を自宅で拝見。上演時間は約70分弱。10分の休憩後に谷さんのトークがあり、全体で約1時間40分でした。家のテレビで母と観たので、時間的にはほどよい感じでした。7月末までアーカイブ映像が見られます。
DULL-COLORED POP「アンチフィクション」谷賢一さん作・演出・主演の一人芝居。約70分弱。途中で空気入れ替えあり。私は家で母とライブ配信を拝見。終盤ぎゅーっと引き込まれたのは虚構の真実味ゆえかも。劇場で観たいタイプの作品(涙)。残席あり。次の配信は7/26(日)13時https://t.co/VICViVrAVT
— 高野しのぶ🌹(しのぶの演劇レビュー) (@shinorev) July 16, 2020
『アンチフィクション』初日が開けました。特別な初日になりました。観客と一緒に演劇の空気を作るという、今まで当たり前過ぎたことを改めてやって、その尊さに痺れています。やはり劇場には力がある。今日のお客様ありがとう。オンライン配信、アーカイブで観れます。https://t.co/LtfAZkQ1FS
— 谷賢一 (@playnote) July 16, 2020
しかし今日の客席の集中力、感応力、反応の鋭さはすごかった。一言も聞き漏らさず、笑うところは笑い、張り詰めるところでは張り詰める。ラストシーンの水を打ったような静けさには鳥肌が立ちそうだった。人が集まるとこういう空気が作れるんだなあ。『アンチフィクション』。https://t.co/LtfAZkQ1FS
— 谷賢一 (@playnote) July 16, 2020
≪あらすじ≫
もともと一人芝居をやるつもりではあったけど、このコロナ禍で、何を書いていいのかわからない。悩んで悩んで、七転八倒する。
≪ここまで≫
70代の母と同居しているせいもあるとは思いますが、私はおそらく“過剰”にウイルスにおびえているタイプで、昔のように容易に「フィクションに浸ることができない」状態である自覚があります。だから劇作家が「今、何を書けばいいのか」と悩むことにも、必死で挑んでみて「やっぱり書けない」と壁にぶち当たることにも、立場は全く違いますが、共感しました。作家が書けなくて悩むという物語は山ほどありますが、この作品はそこで終わらず、本当(事実)と嘘(虚構)が共存する演劇の妙味を味わわせてくれます。カーテンコールの前の暗転の時に、「あぁ、これだ、これだよ…(じわ~ん)」と満足できました。
オンライン配信設備導入のお知らせ
シアター風姿花伝では、オンライン配信設備を導入し、より安全な観劇空間の創造と 演劇文化の発信を積極的に行い、「オンラインとオフラインの最適な調和を目指した演劇空間」として 新たな歩みをスタートさせます。
詳細はこちらhttps://t.co/7468dxbYMA
— シアター風姿花伝 (@fuusikaden) June 13, 2020
#ダルカラ #アンチフィクション の感想を書き流してみた。
観る人を選ぶ側面はあるだろうけど、この作品がアンテナに引っかかった時点でその選別には残っているってことなので、ぜひ見て。残るLIVE配信は26日(日)13:00千秋楽ですが、それまでは初日のアーカイブを観れますhttps://t.co/VLx5Zouk31 https://t.co/RysiJ26vDj
— ろくは (@6_9_8) July 17, 2020
初日の公演の様子がアーカイブ配信されています。おうちでいつでも観れる『アンチフィクション』。アーカイブ配信は月末までです。そして千秋楽7/26には再び生配信を行います!https://t.co/783dHQI3mY
— 谷賢一 (@playnote) July 18, 2020
【アンチフィクション】
初日、7月16日(木)19:30、本編終了後開催されたアフタートークの映像を公開しました。
別の日にご観劇いただいたお客様もぜひご覧ください。https://t.co/VSW61rXPUC— DULL-COLORED POP (@dc_pop) July 18, 2020
ここからネタバレします。セリフなどは正確ではありません。
谷さんが観客も使う劇場中央の通路を駆け下り、舞台へ。“台本通りの前説”から始まり、音響、照明のオペレーションも谷さんが担当。上演中に上手側のデスクの上でスイッチを操作されていました。
コロナ禍で台本が書けないと苦しむ姿を、文字通り“赤裸々”に見せます。本人による過去の自分の実況中継のよう(笑)。谷さんは同居家族にかなりの…それはもう、とても私には書けないほどの、ひどい迷惑をかけながら、執筆仕事に向き合っていらっしゃいます(笑えない…)。「これが作家だ!」と○○○を履いて、すがすがしく叫ぶ姿はまばゆい。
谷さんが月9万円で維持しているシェアハウス(?)のエピソードはどこまで事実かわかりませんが、脱法ドラッグ(?)で見えていなかったものに気付いたり、説教くさいユニコーンに追いかけられたりする、奇想天外な展開に引き込まれました。ぶっ飛んだ物語(虚構)は私に驚きと疑問(「なぜ?」と問う気持ち)をくれます。
ある出来事と、その後で起きた出来事を「だから」でつなげられれば、人間は「原因があっての結果なのだ」と受け入れられますが、「だから」でつなげられない場合は混乱する…と谷さんは言います。コロナ禍でそういう、到底受け入れられない理不尽が多発しているんですよね。事実がすっかり虚構を凌駕する世の中でも、作家は物語を書き続けられるのか。
谷さんはユニコーンから逃げるうちに穴に落ちますが、折れそうな木につかまり命拾い。でも足は蛇に絡まれ、底では竜が大きな口を開けています。絶体絶命のピンチ! そこに、ポタポタと天から水が落ちてきた。その水を口に入れると、とても甘い…。谷さんは必死でぶら下がりながら、その露を求めて上を向きます。「それが人生だ」というユニコーンの声が聞こえ、谷さんはデスクに向かい、再び執筆へ。終演後のトークで谷さんは、「自分への戒めだ」とおっしゃっていたように記憶しています。
今思うと、シェイクスピア戯曲や中原中也の詩の引用(ユニコーンが話す)も、人間が発する言葉を味わうという演劇の基本的な楽しみでしたね。谷さんがミュージカル俳優のように踊ったり、「Fly me to the moon」を歌ったり、飽きさせない工夫も多々ありました。舞台奥を覆う布には妻からのLINEのメッセージが映写されます。シェアハウスとそこに暮らす人々の動画、そしてしゃべるユニコーンと、徐々に写真から動画へと変わっていき、作中の映像の比率を上げていく構成もよかったと思います。
谷さんの岸田國士戯曲賞、鶴屋南北戯曲賞受賞作『福島三部作』はこちら。
『演劇』を含む戯曲集も発売されたばかりです。
【公演レポート】照明・音響の操作も一人で、ダルカラ谷賢一の「アンチフィクション」が上演中(コメントあり)https://t.co/KHuECvNAjl pic.twitter.com/JY0fekdmmx
— ステージナタリー (@stage_natalie) July 17, 2020
↓2020/07/26加筆
このコロナ禍の中、公演を行った実感を述べると、「これをずっと、というのは、とても耐えられそうにない」。常に神経を張り巡らせ、声を掛け合い、お客様や関係者の不安の声を受け止め続ける。そしてどんなに気をつけても感染一発で公演中止、大損害。常に爆弾を抱えて生きている。神経が持たない。
— 谷賢一 (@playnote) July 25, 2020
これは弱音ではない。決意表明だ。これからこういう不安定さを内包しながらでしか、興行は成り立たない。身内に感染者が出なくても、お客様や出入りの業者に感染が出れば終わりだし、「いつでも中止する」という覚悟がなければいざというときの初動が遅れる。この不安定さを、抱きしめるしかないのだ。
— 谷賢一 (@playnote) July 25, 2020
コロナ禍で公演をやってみて、谷さんの意見に同意するところがある。
一人芝居で、バックステージもワタシだけだったからまだよかったけど、それでも意識外、意識内のストレスはすごいあったように思う。
これから公演する団体は、もっとしっかり考えて覚悟したほうがよいかと。 https://t.co/DEkL2ijyZl— 竹井祐樹 (@ytakei_stmg) July 25, 2020
出演者やスタッフが多いだけリスクも上がるし、ケアの負担ものし掛かる。
特に、制作や演出部など、俳優にもスタッフにも接する機会の多い部署ほど、積もるストレスが絶対にあとあとのし掛かる。— 竹井祐樹 (@ytakei_stmg) July 25, 2020
この先を思うと、消毒、清掃、感染時のケアや連絡などのコロナ対策は専門家、担当者を入れることも考えてほしい。
どうしても公演をしたいならば。— 竹井祐樹 (@ytakei_stmg) July 25, 2020
今はまだ気を張って頑張れるかもしれないけど、冬、来年と続く中で、普段の業務にプラスでかかるコロナ対策の負担は計り知れない予感がする。
— 竹井祐樹 (@ytakei_stmg) July 25, 2020
↓2020/08/12加筆
朝日新聞に劇評が掲載されました。『アンチフィクション』。 / “(評・舞台)ダルカラードポップ「アンチフィクション」 作家的力業にリアルな演技:朝日新聞デジタル” https://t.co/QtS5FHMZ9E
— 谷賢一 (@playnote) July 31, 2020
『アンチフィクション』本番中に受けたインタビューが掲載されました。コロナ禍の中で演劇をやる意味や苦労について語っています。うまくまとめてくれた、いい記事です。 https://t.co/JzQbokBJrS
— 谷賢一 (@playnote) August 5, 2020
作・演出・出演:谷賢一
映像出演:大原研二
舞台監督:竹井祐樹
照明:松本大介
音響:佐藤こうじ
映像:松澤延拓
制作:德永のぞみ
【発売日】2020/06/13
一般 3000円/当日 3500円
高校生以下 1000円(前売・当日ともに/枚数限定)
【 ライブ配信日時 】
7月16日(木)19:30、7月26日(日)13:00
1.7月16日(木)19:30:ライブ配信&アーカイブ視聴チケット(初日)
https://v2.kan-geki.com/live-streaming/ticket/1
2.7月26日(日)13:00:ライブ配信&アーカイブ視聴チケット(千秋楽)
https://v2.kan-geki.com/live-streaming/ticket/2
各3,000円
http://www.dcpop.org/vol22/
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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