合同会社地点(以下、地点という)が元劇団員A氏を提訴しました(⇒前回投稿 ⇒地点公式サイト ⇒訴状)。原告訴訟代理人は京都あかつき法律事務所(長尾一司弁護士、松﨑和彦弁護士)です。
訴状によると「和解契約存在確認等請求事件」であり、和解書の存在確認と履行、そして今回の訴訟費用の負担をA氏に求めるものです。昨年末に地点がA氏に郵送して予告していた、2500万円の損害賠償請求訴訟ではありませんでした。
三浦基氏が代表を務める合同会社地点(劇団地点)がパワハラ被害者の元劇団員を提訴。昨年末に2500万円の損害賠償請求を予告していましたが、提訴した訴訟は和解が成立していることの確認を求めるもの。今年1月の元劇団員の会見詳細はこちら。https://t.co/yzC3oGuilI
— 弁護士 亀石倫子 (@MichikoKameishi) July 24, 2021
三浦基氏が代表を務める合同会社地点(劇団地点)がパワハラ被害者の元劇団員を提訴し、地点のHPで訴状を公開https://t.co/hqwkN8166Y
「和解は成立していない」とする元劇団員の主張と真っ向から対立しています。— 弁護士 亀石倫子 (@MichikoKameishi) July 30, 2021
地点/三浦基問題に進展あり。21.7.30追記。
【この度、裁判所に訴状が受理されましたので、公開いたします。これまで、元劇団員との問題はあくまで一私企業内の問題と位置付け、無用な好奇心を招かぬ為、また、穏便な解決の余地を残す為、情報発信を控えてきました】訴状→https://t.co/dBhaEaYKf3 https://t.co/jx97QaTENu
— nukisuke (@nukisuke) July 30, 2021
「ロームシアター京都」の館長人事問題、パワハラ防止法およびハラスメント全般への私自身の興味もあり、これからも追っていきたいと思っています(余裕がある限り)。
以下は私が見つけた関連ツイートのまとめです。網羅はできていません。
■ロームシアター京都がシンポジウム「劇場におけるハラスメントを考える」の抄録を公開
シンポジウム「劇場におけるハラスメントを考える」抄録の公開についてhttps://t.co/FeffP1R6Ou
「ハラスメント防止ガイドライン」策定の一環として2/14に開催したシンポジウムの抄録を公開いたします。「ハラスメント防止ガイドライン(案)」にご意見をいただきました皆様ありがとうございました。— ロームシアター京都 (@RT_Kyoto) May 21, 2021
現在頂戴しましたご意見を踏まえガイドラインの策定作業を進めておりますが、今後さらに専門家を交えての検討・調整を図りますため、当初の策定予定から延期とさせていただきます。ご理解いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
シンポジウム第1部抄録はこちら☟https://t.co/32GoDJFN4T— ロームシアター京都 (@RT_Kyoto) May 21, 2021
■“THEATRE for ALL”(シアター フォー オール)の第四弾配信作品に地点『三人姉妹』が登場(2021年2月19日)
【AR三兄弟による現代アート、アニメ「サカサマのパテマ」など多彩なラインナップ】日本初、バリアフリー・多言語… https://t.co/oXfuLv0vQF pic.twitter.com/l4BmfXThnp
— PR TIMESエンタメ (@PRTIMES_ETM) February 19, 2021
■地点は9月に吉祥寺シアターで主催公演を行う予定(⇒公演延期)
主催は地点ですから、自主興行ですね。
その意味で、KAATと明らかに違います。KAATは主催なので批判するべきですが、吉祥寺シアターの場合は主催が地点、ロング興行なので劇場の貸し館減免が付いている=共催となっているだけです。— 脇路ソレル (@Tomoaky88) July 31, 2021
公の施設として吉祥寺シアターは、貸し館として思想信条を理由に貸し出さないという選択肢はありません。
また、長期間使用の場合に、共催減免の対象になることも、パワハラを理由に除外することは難しいと思います。
パワハラを理由に窓口販売を取りやめるという選択肢はあると思いますが、— 脇路ソレル (@Tomoaky88) July 31, 2021
これも正当な理由としてパワハラが通るかどうかは、微妙です。反対に不当な理由による「表現の自由」への迫害であると、地点から訴えられる可能性もあります。
— 脇路ソレル (@Tomoaky88) July 31, 2021
■ステージナタリーが劇団地点の京都公演を宣伝(吉祥寺シアター公演は延期)
【公演レポート】地点×空間現代「どん底」京都公演が開幕、三浦基「奇跡を見られるかも」(コメントあり)https://t.co/NWr8m83yXC pic.twitter.com/JQG6LXsKGq
— ステージナタリー (@stage_natalie) August 24, 2021
■京都芸術センターが地点×空間現代『ギャンブラー』をCo-programに採択(2021/10/12加筆)
京都芸術センターが、保留していた合同会社地点からの申請の採択を決定。「現時点で発表の機会を制限することはできないとの判断」
京都芸術センター「Co-program 2021カテゴリーD『KACセレクション』採択について」https://t.co/YCBWJ3IZij
— fringe (@fringejp) October 12, 2021
■その他
地点の去年12月の賠償予告は、パワハラ被害者A氏に向けたSLAP予告のようにみえた。被害者側に6人の弁護士が付くことが明らかになった後では、こんな訴訟を行なうのは難しくなった。そこで、勝訴の可能性がある、事実の認定に限定した訴訟を起こすことで、被害者A氏の不当さを訴える作戦に出た。
— 脇路ソレル (@Tomoaky88) July 31, 2021
自分たちの正義を主張しない代わりに、相手の不義を訴える事で結果的に自らの正義が主張できるという考え方だ。
— 脇路ソレル (@Tomoaky88) July 31, 2021
けれども考えてみて欲しい。A氏の当初の要求は、①解雇の確認。②パワハラの確認。③昔から使用していた芸名を再び使用出来ること、また、④正式に劇団を退団した事実を地点のHP上で公表する事だ。
和解書にはこれらの内容のなかでいくつかの項目で双方で折り合いがついた事になった筈である。— 脇路ソレル (@Tomoaky88) July 31, 2021
②について、和解書が正式に締結する前にロームシアターが「パワハラの事実はなかった」と声明しており、和解書にも同様の内容が書かれていた可能性が高い。となると、地点側はもうひとつの争点、①について認めた可能性は高い。(そうでないと労働組合は団交の意義が喪われる)
— 脇路ソレル (@Tomoaky88) July 31, 2021
注目されるのは③と④がどうなったかであるが、地点側の訴状ではこの点は読み取れない。
今回の裁判の争点は、和解書が締結されたかどうか?そして、和解事実の履行、不履行となるだろう。— 脇路ソレル (@Tomoaky88) July 31, 2021
和解書が有効、そして被告側の和解の不履行となれば、原告側の勝訴。和解書が無効、または、原告側瑕疵による被告による和解の破棄が認められれば、被告側の勝訴となる。
裁判では和解書の内容が明らかになると思う。— 脇路ソレル (@Tomoaky88) July 31, 2021
当初は2500万円を請求する旨を通告していたようであるが、確認訴訟に落ち着いたようだ。この方が勝ちやすいし、途方もない賠償請求は印紙代も多額になるからね。2500万円だと95000円、確認訴訟は160万円と見做されるから13000円。#地点 #演劇 #文化 #芸術 #舞台 #パワハラ #法律 #司法 #ハラスメント pic.twitter.com/JkJmvUZ252
— 演劇と五苓散と駅そば好き (@shinsuke600701) July 31, 2021
#地点 三浦氏の代理人は、京都あかつき法律事務所の長尾一司弁護士(登録番号49091 66期)と松崎和彦弁護士(登録番号49792 66期)か。
長尾弁護士は、再審事件に取り組まれたり、結構、リベラルぽいね。
左派対決か。 #演劇 #文化 #芸術 #舞台 #パワハラ #法律 #司法 #ハラスメント— 演劇と五苓散と駅そば好き (@shinsuke600701) July 31, 2021
■映画「ドライブ・マイ・カー」
「本作では制作にあたって「地点」「チェルフィッチュ」といった劇団に取材を行っている」
「人は分かり合えない」という前提がまずあって、そこに付随する「言語」「文化」「生い立ち」「性格」といった一つひとつの“壁”を、濱口監督は理解し(或いは理解できないことを認め)、壊すことなく乗り越えようとしていく。https://t.co/9byxETgvGp
— CINEMORE (@cinemorejp) August 20, 2021
↓『ドライブ・マイ・カー』、「地点」がクレジットされてるのか。釜山で撮影するつもりだったけどコロナ禍でできなくて広島で撮影したそうだけど、そのタイミングでパワハラ問題は表に出ていたのかどうなのか。https://t.co/JbJ11HgAV9
— もえぎ (@moegi0404) August 26, 2021
『ドライブ・マイ・カー』に深く打ち込まれている安部聡子(地点『ワーニャ伯父さん』ソーニャ役)という楔
— ⊹ (@uuiunu) August 25, 2021
この映画における『ワーニャ伯父さん』およびチェーホフの上演を考える上で地点のことは避けて通れないような気がしています、現在劇団連名で主宰のパワハラの認知を拒否していますが、そういう共同性のあり方をしていたことや、彼らの作品自体リアリズム演劇への強烈なカウンターだったことも含めて…
— ⊹ (@uuiunu) August 26, 2021
『ドライブ・マイ・カー』松江哲明の新作を手がけるプロデューサーの作品だというのもノイズだったけど、クレジットでパワハラ問題を起こした地点も協力してると知って、驚く。監督の撮影に対する気遣い、フェアさはインタビューで読んでわかるが、チーム体制も考えた方がいいのかも。
— チンプイ (@pop7716) August 25, 2021
『ドライブ・マイ・カー』のプロデューサー。『全裸監督』(村西とおる氏美化/モデルの女優の許諾なし)や、『キン肉マン THE LOST LEGEND』(性的強要とパワー・ハラスメント問題から逃げてる松江哲明氏起用)に関わってる人か。さらに映画にパワー・ハラスメントの地点(つまり三浦基氏)が協力…。
— パラ中止wakako mitsuhashi,social distancing☂🍎🎗😷🏠🙌 (@waka__chang) August 25, 2021
カンヌ4冠!と業界で騒いでる映画、劇団地点が協力としてクレジットされてるの? プロデューサーの危うい動きといい、大丈夫なのかマジで。
— 藤本洋輔 (@fujimonpro) August 25, 2021
演出家を演じるに当たっては、「実際に幾つかの劇団にお邪魔して、演出家の方の話を聞き、参考にしました」https://t.co/na5smHSf7x
— 藤本洋輔 (@fujimonpro) August 25, 2021
自分のツイートまとめ。
映像、演劇等 表現界隈が抱えているハラスメント、性暴力劇団地点・三浦基氏のパワハラ問題https://t.co/B0O8ooc4cu
— 秋日子 (@totheray) August 21, 2021
藤本洋輔さんの記事。事情を全く知らないまま読んでも理解できるよう資料等もきちんとリンク貼ってくださっています。また被害にあわれた方の意向も汲んで書かれています。
劇団地点・三浦基氏のパワハラ問題 https://t.co/rwE1XNudXu #getnewsfeed— 秋日子 (@totheray) August 13, 2021
『ワーニャ伯父さん』が重要な要素になっていて、現状日本でのチェーホフ戯曲上演では地点の存在感が大きい、というのもあるのですが、地点が重用されすぎてること(出演俳優にも地点所属の方が。演技は素晴らしいです)には危惧を抱きます。リスクヘッジよりも作品性を選んだのだとしても。うーむ。 https://t.co/I2e8da0862
— nukisuke (@nukisuke) August 26, 2021
他ジャンル・他作品への悪影響もあるので、地点は論点ずらしの訴訟に固執せず、ちゃんと被害者の人権と労働を尊重した対応をしてほしい。
— nukisuke (@nukisuke) August 26, 2021
『アルプススタンドのはしの方』で、性的な暴力事件に関わった会社が配給したことを問題視する映画ファンは少数派だった。『ドライブ・マイ・カー』もプロデューサーの経歴や、地点との関わりを問題視する人は少ない。「そりゃハラスメントまみれの撮影現場もミニシアターものさばるよな」と思う。
— 石塚就一 a.k.a ヤンヤン (@ZukazukaSyuichi) August 25, 2021
RT>ドライブマイカー、監督のことは信頼してるんだけど、プロデューサーの他の仕事と地点のハラスメントに関しては考えなきゃいけないよな…映画に関係ないことではないと思う…
— 🍑🍓🍇🍎🍒🍊🍌 (@kawadayu3238) August 27, 2021
気になってるんだけど、「ドライブ・マイ・カー」エンドロールの協力欄に地点が挙げられていたけど、主宰者がパワハラで訴訟されてますよね。
— kaynish (@kaynish) August 28, 2021
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