特定非営利活動法人舞台芸術制作者オープンネットワーク(ON-PAM・オンパム)による舞台芸術制作者向けオンライン講座です(⇒紹介投稿)。
カウンセラーの髙山直子さんによるハラスメント勉強会の入門編で、聞き手は塚口麻里子さん(ON-PAM 理事長兼事務局長)。始まったばかりの時間帯だと42人が視聴していました。私はハラスメントについての講座を先日も受けたばかりです。
🖥オンライン勉強会
「舞台芸術制作者向けハラスメント勉強会〜入門編〜」
開催します日時:10月17日(土)13:00 – 15:30
開催形式:ZOOMウェビナー
講師:髙山直子(カウンセラー、『カウンセリング&サポートサービスN』)
聞き手:塚口麻里子(ON-PAM理事長兼事務局長)https://t.co/QuKJ6it5UM— ON-PAM – 舞台芸術制作者オープンネットワーク (@OpenNetwork_PAM) October 8, 2020
「ハラスメント」の定義は「他者に対する発言・行動等が本人の意図には関係なく、執拗に(継続的に)相手を不快にさせたり、尊厳を傷つけたり、不利益を与えたり、脅威を与えること」を指します(プレゼン資料より)。そこから「セクシャルハラスメント」「パワーハラスメント」「モラルハラスメント」についての解説に進み、家庭や仕事場で人を傷つける暴力的な言動が、具体的にどのように行われるのかを詳しく教えてくださいました。「あるある!」と頷き、「ああ、あれはハラスメントだったのか…」と初めて気づくこともありました。
特にモラルハラスメントについては目から鱗が落ちる思いがしました。典型例として受動的攻撃(無視など)、二重基準、飴と鞭、しつこさなどがあり、相手(被害者)の基準や価値観を揺るがすことで心理を操作するんですね。どちらが加害者でどちらが被害者かを見極めるのが非常に難しいのも、被害者が追い込まれていく要因のようです。「操作性」と「非常にわかりづらいこと」が大きな特徴で、モラルハラスメントが“脅威”であり、“魂の殺人”とも形容される所以なのですね。
※参考文献:マリー=フランス イルゴイエンヌ著「モラルハラスメントが人も会社もダメにする」
私自身が漠然と「いじわるで嘘つきだから嫌だな…」と避けていた人たちの言動こそモラルハラスメントで、自民党の前官房長官で日本の現首相である菅義偉氏のことも思い浮かびました。彼は質問にまともに答えず、息を吐くように嘘をついて、強硬な態度を貫き決して対話をしようとしません。常に開き直って自己防衛し、他者を悪者にします。日本学術会議の新会員候補6名任命拒否事件にも、ぴったりと当てはまりますよね。
モラルハラスメント行為者(加害者)の目的は「支配・攻撃」であるため、「自分が悪かったのかな…」と思わされた被害者が「意思の疎通」を図ろうとしても、目的が異なる両者が交わることはありません。被害者の努力で解決する問題ではないから、第三者が介入する必要が出てくるんですね。※被害者にとっては「撤退」がベストな選択になることもあります。
「労働安全衛生法」第71条2には、事業者に対して「快適な職場を形成する努力義務(職場の安全配慮義務)」が定められており、セクハラ、マタハラ、パワハラについては「措置義務」となっているそうです。被害者が加害者だけでなく事業者を訴えることも可能なので、事業者がハラスメントに対応する仕組みを作ることは急務と言えるかもしれません。※2014年7月~2020年6月にかけて男女雇用機会均等法の指針が改正・改定されています。
髙山さんが専門家として実際にかかわっておられる成蹊学園の公式サイトには「ハラスメントに関する取り組み」というページがあり、「対象者別リーフレット」「規則・ガイドライン」などが公開されています。リーフレットはイラスト付きでわかりやすく図解されていますし、学生、保護者、教職員向けの3種類がそろっており、参考になると思います。※髙山さんのご著書はこちら↓です。
加害者にならないためのポイントも教えていただけました。「~のつもりだった」はコミュニケーションが成立しておらず、一番危険とのこと。自分に対して「初対面の人にも同じように接するか?」「自分の行為が公表されたら状況を包み隠さず説明し、行為について仕事の範疇として合理的だったと言い切れるか?」と問うことで、加害者になることを回避できそうです。
髙山さんは冒頭に「何をハラスメントと感じるかには個人差があり、法律で明示することも難しいからこそ、被害者対応が重要になる」とおっしゃっていました。先日の講座でも確認しましたが、やはり最優先は被害者対応だなと思います。被害者支援とは「被害者の「信じる力」を回復させるプロセス」であり、もし相談を受けたら、まずはしっかり話を聴くこと。被害者は「直接加害より二次被害への執着が強くなる傾向」があり、「二次被害や社会が人への不信感を強め、「信じる力」の回復を遅らせる」そうです。
しのぶさん
丁寧なレビュー、ありがとうございます🙏🙏🙏— Mariko Tsukaguchi (@marikotsuka) October 17, 2020
塚口さん、こちらこそありがとうございました!目から鱗でした…。
「契約に関する基礎講座」「確定申告基礎講座」と、舞台芸術制作者向けのオンライン講座、連発ですね。https://t.co/KlbLZ331l9
ON-PAMの活動に励まされています。
急に寒くなっていますのでどうぞ体調にお気を付け下さいね~!— 高野しのぶ🌹(しのぶの演劇レビュー) (@shinorev) October 17, 2020
なんと!オンライン講座連発をおまとめくださってありがとうございます✨☺️
本当に急に寒くなりましたね。しのぶさんも体調など崩されません様に、ご自愛くださいませ❤️
— Mariko Tsukaguchi (@marikotsuka) October 17, 2020
↓2020/10/18加筆
とても為になるご紹介で、勉強になります。「二次被害への執着」というのは、虐められた人が別の人を虐めるとかそういう事でしょうか?
— 脇路ソレル (@Tomoaky88) October 17, 2020
それとも、モラハラの相手よりも、相談をした人に裏切られる方に余計傷付くという事でしょうか。
— 脇路ソレル (@Tomoaky88) October 17, 2020
読んでくださってありがとうございます。後者ですね。モラハラ被害を伝えたのに真剣に取り合ってくれなかった人がいた場合、時間が経つにつれて被害者は、モラハラ被害そのものよりも取り合ってくれなかったことを繰り返し話すようになる…というエピソードがありました。
— 高野しのぶ🌹(しのぶの演劇レビュー) (@shinorev) October 17, 2020
すみません、被害はモラハラに限りませんでした。
モラハラ被害
↓
ハラスメント被害
と訂正いたします。— 高野しのぶ🌹(しのぶの演劇レビュー) (@shinorev) October 18, 2020
ON-PAM「舞台芸術制作者向けハラスメント勉強会~入門編~」
10/17 (土)13:00 – 15:30
形式:Zoom
講師:髙山直子(カウンセラー、『カウンセリング&サポートサービスN』)
聞き手:塚口麻里子(ON-PAM 理事長兼事務局長)
対象:舞台芸術制作者
ON-PAM会員無料、会員以外500円
http://onpam.net/?p=4956
https://peatix.com/event/1665020
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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