公益社団法人日本劇団協議会・文化庁『ナイロンのライオン(令和キャスト)』02/01-02/09劇場HOPE

 令和キャスト版を拝見。

※2020/11/21に公開しました。

≪あらすじ≫ http://www.gekidankyo.or.jp/performance/2019/2019_04.html
2012年に初演され好評を頂いた作品の待望の再演!
初演に出演し8年の時を経て円熟味を増した「平成キャスト」と
競争率58倍のオーディションを勝ち抜き見事合格した「令和キャスト」の
新旧連続公演として上演いたします。

敗戦の色濃い昭和20年代から、高度経済成長時代の幕開けである30年代にさしかかる日本では、
やっと和装姿から洋装が一般的になったばかりで、誰もがまだ下着などに関心も価値も見出してはいませんでした。
当時の女性が履いていたのはメリヤス製の大きなズロースが主流でブラジャーも形ばかりの乳あてといった程度の
ものだったのです。
 鴨居羊子という人はそんな時代に新聞記者を退職し、独学でナイロン製の小さな「スキャンティ」を製作、
その他にもスリップやガーターベルトなど色とりどりの可愛らしい下着を考案し、その販売を始めた女性です。
 なんと彼女は下着のアウター化や男女共用の下着をそれが実現化する40年も前に、すでに提唱していたのです。
このお芝居はそんな早すぎた天才が、まだまだ男性上位の社会の中で、どう時代と折り合って行ったかを、鴨居羊子
らしき人を主人公に、主にブラジャーとコルセットに力を入れ小さな会社であった和光商事を現在のワコールにまで
成長させた社長の塚本幸一らしき人を絡めながら、お送りいたします。
≪ここまで≫

 女性用下着製作販売の先駆者となる女性企業家をワコール社長と対比。犬猫含む多数の役を次々に演じ分けるのが賑やかで楽しい。

 暗転や大道具の転換で中断するのが残念だなと感じていたけれど、この戯曲はもっと大きな劇場向けなのではという意見を聞き納得。戦後の大河ドラマなのかも。

 出演者は関西弁に奮闘。主役の高畑こと美さんが素晴らしい。好敵手の経営者役の阿岐之将一さんもピタリとはまっていた。

文化庁委託事業 2019年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業
日本の演劇人を育てるプロジェクト 新進演劇人育成公演
平成キャスト: 山口麻衣加、丸山優子、三谷悦代、野添義弘、江端英久、木村靖司
令和キャスト: 高畑こと美、山植久美加、山口ルツコ、谷沢龍馬、寺内淳志、阿岐之将一
脚本・演出:ラサール石井
美術:土屋茂昭、照明:五十嵐正夫、音響:石神保、音楽:尾澤拓実、衣装:牧野iwao純子
舞台監督:津田光正、宣伝美術:西山昭彦、制作橋梁:㈱スーパーエキセントリックシアター
平成キャスト4,000円
令和キャスト3,500円
通し券6,000円
(全席指定・税込)
※未就学児のご入場はご遠慮いただきます。
※開演の5分前に指定席の解除を行います。
http://www.gekidankyo.or.jp/performance/2019/2019_04.html
https://stage.corich.jp/stage/105498

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガ↓も発行しております♪

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台

   

バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ