山田うんさんが如月小春さんの1988年初演戯曲を構成・振付・演出し、出演もされます。上演時間は約2時間45分、途中休憩10分を含む。前半60分、後半95分で演劇版とダンス版を連続上演します。最初に演劇が約2時間20分あり、後でダンスが約25分という構成でした。
↓戯曲を読んでから拝見しました。
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⇒【オーディション】東京芸術祭2020「野外劇『NIPPON CHA! CHA! CHA!』(2020年10月上演予定)出演者募集」02/26-29実施※02/07(金)24:00〆切(申込フォームあり)
※2020/11/21に公開しました。
≪作品概要≫ https://www.kaat.jp/d/chachacha
日本のコンテンポラリーダンスをリードし続け、世界で活躍し続ける振付家・ダンサー山田うんが演劇の演出に初挑戦いたします。
マラソンでオリンピックを目指し、日本中の期待を一身に背負い必死に生きていく若者の孤独と挫折を描いた如月小春の傑作戯曲「NIPPON・CHA!CHA!CHA!」を、演劇・ダンス連続で一挙に上演いたします。同じ戯曲で「演劇版」「ダンス版」という2通りのアプローチをお楽しみください。
≪ここまで≫
演劇版は戯曲に忠実で意外でした。音楽が苦手で、作品全体の意図がよくわかりませんでした。ダンス編も音楽が苦手でしたね…感傷的というか“乙女チック”というか…全体的に私の好みではなかったです。
ここからネタバレします。
ダンサーが演劇版でも主要な役を演じるので、演技が上手でないのは仕方ないと思います。セリフの奥や裏、言葉の意味から離れた何かを想像できる余地が少なく、全編が表面的でコントのようでした。戯曲を読んだ時は疾走感、浮遊感、喪失感など、行間からさまざまなものを想像し、体への影響も感じたんですけどね。ダンスをやっている人が「演劇はこういうものだ」と思っているのだとすると、辛い気持ち…。可能であれば、戯曲を大幅にカットするとか、凝った構成にしてみるとか、そういう工夫をしてもよかったのではないでしょうか。
ダンス版は観ていられましたが、音楽や表情が苦手でした。戯曲のどこを(何を)上演したのかが私にはわかりませんでした。
私とは全く違う感想を以下に転載します。
「NIPPON・CHA!CHA!CHA!」
本日千秋楽を迎えました!
たくさんのご来場、ありがとうございました!#ニッポンチャチャチャ pic.twitter.com/JpLMekasLN— KAAT神奈川芸術劇場 (@kaatjp) January 19, 2020
【山田うんによるダンスと演劇の二本立て「NIPPON CHA! CHA! CHA!」】
二本立てはどうするのかと思ったら、休憩が終わっても芝居が続き、そこからシームレスダンスに入っていく。
如月小春の明快でかつ重層的な脚本を、山田うん含めダンサー陣もガッツリ演技を見せる達者さ。
このテーマでダンス、→— 乗越たかお (@NorikoshiTakao) January 17, 2020
→ しかもユニゾンなど使ったらマスゲームっぽくなりやすい罠があるが、さすがにそんな事はなかった。高揚感よりも、むしろ心に安らぎを感じる不思議な感覚に包まれた。
身体訓練・国威発揚・一体感の押し付けなど、オリンピックにありがちなダンス利用に対して、→— 乗越たかお (@NorikoshiTakao) January 17, 2020
→ そんなものに取り込まれてたまるかという、ダンスの側からの宣言のようなダンス。
見事だった。— 乗越たかお (@NorikoshiTakao) January 17, 2020
山田うん演出『NIPPON CHA! CHA! CHA!』(作:如月小春)、凄まじい傑作。演劇の後に置かれたダンスはオリンピックにおけるスポーツと同じく否応なく物語に巻き込まれてしまう運動/存在を体現する。それはリアルとして繰り返されてしまう悲劇であり、けれど物語から解放された運動の喜びでもある。
— YAMAZAKI Kenta (@yamakenta) January 19, 2020
演劇版とダンス版の連続上演というシンプルなワンアイディアで戯曲のテーマを引き受けつつ、如月が演劇の構造を使って突きつけた痛烈なアイロニーにダンスとして豪速球の希望を投げ返す、ダンサーである山田うんにしかできない演出。
— YAMAZAKI Kenta (@yamakenta) January 19, 2020
主役の前田旺志郎が凄い。めちゃ踊れててビビった。
— YAMAZAKI Kenta (@yamakenta) January 19, 2020
KAATにて如月小春作、山田うん構成振付演出『NIPPON・CHA!CHA!CHA!』。まずこの戯曲を2020年に上演するという企画の蛮勇に喝采を送りたい。書かれた時とはニッポンが大きく変わってしまってるがゆえにこそ。演劇、レビュー、ダンス、全てのパートが見応え素晴らしく、ラストは胸が詰まるほど感動した。
— 佐々木敦 (@sasakiatsushi) January 15, 2020
KAAT DANCE SERIES2020
作:如月小春
構成・振付・演出:山田うん
音楽:ヲノサトル
出演:
<ダンス版>
前田旺志郎
飯森沙百合 伊藤壮太郎 黒田勇 長谷川暢 山口将太朗 山根海音 吉﨑裕哉
<演劇版>
前田旺志郎
菅沼岳 鈴木陽丈 長谷川暢 松本涼花 村岡哲至
山口将太朗 山根海音 吉﨑裕哉
山田うん/平川和宏
演奏 BLACK VELVETS (ブラックベルベッツ)
(田中邦和 saxophone、山口とも percussion、ヲノサトル organ、テラシィイ guitar)
【街の人々(ウェイトレス・女子高生・ランナー他】
高校生~25歳以下エキストラ募集:https://www.kaat.jp/news_detail?id=1387
飯森沙百合 伊藤壮太郎 黒田勇
赤松怜音・池田紫陽・大條瑞希・亀井梨花・栗下莉佳・鈴木紫乃・鈴木里衣菜・竹内沙織・長谷川陽花・
林麻子・村田小万里・三浦加利奈・宮部大駿
空間構成:光嶋裕介
照明:櫛田晃代
音響:江澤千香子
衣裳:池田木綿子
ヘアメイク指導:谷口ユリエ
演出助手:齋藤亮介
舞台監督:原口佳子
【発売日】2019/10/26
全席指定・税込み
●通常料金
1/11(土)・12(日)・13(月・祝)・18(土)・19(日)
一般:6,000円
U24(24歳以下):3,000円
高校生以下:1,000円
シルバー割引(満65歳以上):5,500円
●平日割引料金
1/10(金)・15(水)・16(木)
一般:5,500円
U24(24歳以下):2,750円
シルバー割引(満65歳以上):5,000円
*未就学児入場不可
*U24、高校生以下、シルバー割引はチケットかながわで一般発売日より取り扱い(前売のみ、枚数限定、入場時要身分証)
*車椅子でご来場の方は、事前にチケットかながわにお問合せください。
*営利目的の転売禁止
https://www.kaat.jp/d/chachacha
https://stage.corich.jp/stage_main/85393
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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