東京工業大学「リベラルアーツ講演会(中島岳志&磯崎憲一郎)」05/25東京工業大学大岡山キャンパス西9号館2Fコラボレーションルーム

 東京工業大学で行われた中島岳志さんと磯崎憲一郎さんの講演会を拝聴しました。この記録は2019/12/31に公開しました。

 現状の変わらなさ、自分の無力さに落胆し、虚無が襲ってきて、何もかもをやめたくなった数日間があったのですが、おふたりの話を伺い、自分が生きている間に何かを成し遂げなければならないと思い込むことをやめられました(メルマガ2019年6月号の「編集後記」より一部引用)。

■三浦綾子「一生を終えてのちに残るのは、われわれが集めたものではなくて、われわれが与えたものである」

■津原泰水さんのツイート
 ※幻冬舎からの自著の文庫本出版が中止になり、早川書房から出版されました。

■メモ

磯崎:
(自分は)小説の奔流の中にいる。
知らず知らずのうちに、無意識に、そちらから、選ばれている。
文学が自分の役に立つのかどうかではない。お前(私)が文学の役に立つのかどうか。
形式に奉仕することに尽きる。
自分側に主体をもとめるな。

中島:
立憲主義と民主主義は対立概念。
立憲主義:死者が主語。歴史の重みがある。
民主主義:今、生きている人の都合。

チェスタトンの考え方として「死者に選挙権を与える」というものがある。目先の利益だけで考えてはいけない。
友人編集者が死んで、今は少し異なる関係で、ともに生き続けている。
人間が亡くなると、関係が変わり、存在し続ける。
死者とともに生きること。

磯崎:
死者の方がはるかに身近。
からまわりしている林真理子より100年前に死んだカフカの方が身近。
カフカは家に帰ったら自分の部屋に居そう。

中島:
人間は死んでからが人生だという考え方。
インドで出会った老人が「後は良いご先祖になることです」と言っていた。死んだ後にも仕事があると思っている。
まだ見ぬ子孫、まだ見ぬ他者との対話のためにという未来志向。

磯崎:
表現とは自己表出ではない。それは自我の露出狂。
(表現は)どれだけ自我から離れるところまでいけるのか(が勝負。それは想像力)。

中島:
憲法は多くの死者が経験してきたこと(の集大成)。死者たちの痛みから提起しているもの。
死者の民主主義。死者に選挙権を。

■磯崎憲一郎さんの記事など

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガ↓も発行しております♪

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台

   

バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ