東京工業大学で行われた中島岳志さんと磯崎憲一郎さんの講演会を拝聴しました。この記録は2019/12/31に公開しました。
現状の変わらなさ、自分の無力さに落胆し、虚無が襲ってきて、何もかもをやめたくなった数日間があったのですが、おふたりの話を伺い、自分が生きている間に何かを成し遂げなければならないと思い込むことをやめられました(メルマガ2019年6月号の「編集後記」より一部引用)。
■三浦綾子「一生を終えてのちに残るのは、われわれが集めたものではなくて、われわれが与えたものである」
マジでこれ人生だと思う pic.twitter.com/PYfXezZIgp
— 森下夏樹|コピーライター (@natsukilog) 2019年6月9日
■津原泰水さんのツイート
※幻冬舎からの自著の文庫本出版が中止になり、早川書房から出版されました。
あの人やあの人やあの人が、後ろ盾のない津原泰水なんて簡単に潰せると踏み、諸々の言動に及んだのはまあ間違いない。その初手がもう駄目、無駄、相手が見えていない。彼らがネガキャンに成功し僕が執筆の場を失ったとする。暫くすると、誰も読んだことのない作風の新人がデビューする。それだけの事。
— 津原泰水=やすみ (@tsuharayasumi) 2019年5月31日
■メモ
磯崎:
(自分は)小説の奔流の中にいる。
知らず知らずのうちに、無意識に、そちらから、選ばれている。
文学が自分の役に立つのかどうかではない。お前(私)が文学の役に立つのかどうか。
形式に奉仕することに尽きる。
自分側に主体をもとめるな。
中島:
立憲主義と民主主義は対立概念。
立憲主義:死者が主語。歴史の重みがある。
民主主義:今、生きている人の都合。
チェスタトンの考え方として「死者に選挙権を与える」というものがある。目先の利益だけで考えてはいけない。
友人編集者が死んで、今は少し異なる関係で、ともに生き続けている。
人間が亡くなると、関係が変わり、存在し続ける。
死者とともに生きること。
磯崎:
死者の方がはるかに身近。
からまわりしている林真理子より100年前に死んだカフカの方が身近。
カフカは家に帰ったら自分の部屋に居そう。
中島:
人間は死んでからが人生だという考え方。
インドで出会った老人が「後は良いご先祖になることです」と言っていた。死んだ後にも仕事があると思っている。
まだ見ぬ子孫、まだ見ぬ他者との対話のためにという未来志向。
磯崎:
表現とは自己表出ではない。それは自我の露出狂。
(表現は)どれだけ自我から離れるところまでいけるのか(が勝負。それは想像力)。
中島:
憲法は多くの死者が経験してきたこと(の集大成)。死者たちの痛みから提起しているもの。
死者の民主主義。死者に選挙権を。
■磯崎憲一郎さんの記事など
今日(12/26)の朝日新聞朝刊、磯崎憲一郎さんの「文芸時評」、無料の登録で全文読めるはずなので、ぜひ。「文學界」に掲載された古市憲寿氏と落合陽一氏の対談について。https://t.co/tzaXfxs044
— 徳永京子 (@k_tokunaga) December 26, 2018
朝日新聞12/26朝刊磯崎憲一郎さんの文芸時評より。最後の1カ月間の延命治療を国が強制的にやめさせることで財政赤字を立て直せるという話。一つの論点だろうが「財務省の友人と検討した結果その結論に達した」とてらいもなく公言するところに、古市の古市たる所以を見た感じ。https://t.co/fkoqldLdH4 pic.twitter.com/K3noUpBdgU
— 津田大介 (@tsuda) December 28, 2018
190130朝日新聞・文芸時評(磯崎憲一郎)。言語から零れ落ちるものを近代は見過ごしてきたという若松英輔さんの言葉を引きながら、言語の限界を前提としつつ、その限界を乗り越えようとする無謀な試みこそが本物の小説だと説く。全ての人文知が立ち止まって考えるべき地点を示す英明な論評。 pic.twitter.com/DdZRvTJ7cX
— 奥野 克巳 (@berayung) January 30, 2019
朝日新聞27面、磯崎憲一郎さんの文芸時評、前半は「半分、青い。」について。端的な指摘。芸術家についての考え方は、さくらももこさんの生き方にもリンクする
— おだけいこ (@eikohyper) August 28, 2018
こちら
(文芸時評)芸術と日常 人生の実感、率直な言葉に 磯崎憲一郎:朝日新聞デジタル https://t.co/IjyXsqeiQr— おだけいこ (@eikohyper) August 30, 2018
痛烈。「「文化拠点」が衰退しているのではなく、「文化拠点」である事を自ら放棄した必然として、書店は減少の一途を辿っているように見えて仕方がない」。|(文芸時評)文化の拠点とは 小説も書店も「独自性」で輝く 磯崎憲一郎:朝日新聞デジタル https://t.co/i89BlfSTkK
— ウラゲツ (@uragetsu) June 29, 2018
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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