観た方にお薦めされて、日曜日の朝の回に当日券で滑り込みました。観られてよかった!!
関根信一作・演出、劇団うりんこ「わたしとわたし、ぼくとぼく」。約80分弱。1997年の札幌を語る場面から終幕まで落涙止まらず。過去と未来が繋がりA・K・キャンベル作「プライド」を想起。主人公(弱者)が見える人と見えない人がいるのは巧い風刺。みどり役の演技が私好み。https://t.co/1Jd2mgRpCD
— 高野しのぶ(しのぶの演劇レビュー) (@shinorev) 2019年1月27日
≪あらすじ≫ 公式サイトより(http://www.urinko.jp/schedule.html)
皆様のご好評をいただき、再演が決定いたしました!
大人のぼくへ 夢は叶ってますか?
保育園に務める30歳の健人は、男性保育士に対する保護者の偏見に落ち込み、ゲイである秘密を打ち明けられず引きこもってしまった。ある日、鏡を見ていると、1人の少女が現れて、言った。『世界を救って欲しい』少女に導かれて1997年の教室へ。そこで10歳の自分と出会い…
≪ここまで≫
セクシュアリティについてのページ、「わかりやすい!周りの人に説明するときに使わせてもらってます!」というお声が多くて嬉しいです✨
(まずざっくり把握したい…という方を意識したものなので、あえて含めていない情報もあります🙇♂️) pic.twitter.com/XrROabVYrb
— あさなさくま (@sakuma_asana) 2019年1月26日
ここからネタバレします。
保育士の健人は謎の女の子(?)に導かれ、2017年から1997年へとタイムスリップし、10歳の自分(=健人)を助けようとします。同級生の男の子に失恋したばかりの10歳の健人と、その友達で「女性らしくなりたくない」と思っている女の子・みどりは、特異な存在なのでクラスでいじめられています。1997年の学校と家庭の会話は地獄ですね…。偏見と無知、無理解、不寛容、そしてエゴの押し付けと甘え(依存)に辟易しました。
みどりの母親が彼女にピンク色のワンピースを着るように強要するシーンがあったのですが、母親がイスに掛けて置いて行ったワンピースを、みどりがはけて(舞台袖へと持っていって)、場面転換しました。あれは母親がはけた方が良かったのではないかと思います。でなければ、みどりがワンピースを再びごみ箱に捨てる、または舞台袖に投げ捨てるなどの演技が欲しかったですね。私には場面転換のための作業に見えてしまいました。
大人の健人役の俳優以外は、複数役を演じます。いじめっこの女子、保育園の女性保育士、保育園に子供を預ける父母などを代わる代わる演じていくので、1人の俳優が健人たちの敵にも味方にもなるのがいいですね。「人間は変わることができる」という希望を示しているようにも感じました。
10歳の健人とみどりはプライド・パレードを見るために札幌へと向かいます。1997年のパレードは本当にあったことなんですよね…超胸アツ!
車掌さんがドラァグ・クイーンだったのが面白かったです(同一人物であるとは限りませんが)。なぜ彼には大人の健人の姿が見えたのかが、それでわかりました。私たちは興味のないもの、見たくないものを見ないようにして、それらを軽視したり、無視したりしがちです。見えれば、見るようにすれば、すぐに変われるかもしれない。それも希望だと思います。
10歳の健人と一緒に、初恋の人(ブラジルに引っ越してしまう日に車から手を振ってくれた)にお別れができた大人の健人は、現実に戻って保育園でカミングアウトします。驚いて逃げるように去る母親も、憮然とする父親もいましたが、ある母親は同性パートナーとともに息子を育てていると、涙ながらに告白しました。なんと、冒頭で健人を過去へと連れ出した謎の女の子(?)は、その息子の子供として生まれる予定の命だった、健人は謎の女の子(?)の世界を救ったのだ…というエンディングでした。
フライングステージの関根信一さんが作演出という事で観に行きました。人を描く脚本がやっぱり素晴らしかったです。みどりちゃん役の方がとても良かったです。 https://t.co/M9CtYmVRSn
— murakami yusuke (@murakamiyusuked) 2019年1月26日
劇団うりんこ「わたしとわたし、ぼくとぼく」、あまり観ない類のかっちりした物語だったが、とてもよかった。演者が客席を見るあのシーン、この手の演出は近年よくあるけれど、これほどに効いていたのはなかなかない。かなり幼い子が75分観ていたのも印象的。再演を繰り返し、もっと育ててほしい。
— SuzukiReiji (@suzurejio) 2019年1月26日
劇団うりんこの『わたしとわたし、ぼくとぼく』を観る。自分の性的指向に悩む少年を、成人した未来の自分が励ますという筋立てに、若い世代に対する作・演出の関根信一の温かさを感じた。実際、他ならぬ関根の世代が同性愛者への偏見克服に力を尽くし、後続世代が生きやすくしてきたのだから。
— 谷岡健彦 (@take_hotspur) January 26, 2019
劇団うりんこ公演 関根信一作・演出『わたしとわたし、ぼくとぼく』東京公演大千秋楽を観劇。保育士の青年が20年前の自分と出会い、幸せへの道を力強く歩き出すまでの「バック・トゥー・ザ・フューチャー」。終盤の保護者会のところから涙止まらず。心の柔らかな人になりたい、そう思いました。
— 宮本起代子 (@inabaya_kiyoko) 2019年1月27日
因幡屋ぶろぐ更新。劇団うりんこ公演 子どものためだけでなく、大人も一緒に考え、歩いていくためのLGBTを題材とした作品。願わくば、多くの人に見る機会がありますように。あのドラァグクイーンの方が好きだなあ。キャラのなかに、繊細とがさつが同居していて観客釘付け。https://t.co/m61VI4OOep
— 宮本起代子 (@inabaya_kiyoko) 2019年1月27日
≪東京都、愛知県、愛知県、三重県≫
出演:下出祐子・にいみひでお・宮腰裕貴・鷲見裕美・山内まどか・児玉しし丸・栗本彩・村上綾菜
脚本・演出:関根信一(劇団フライングステージ)
美術:岡田保(演劇組織 KIMYO/かすがい創造庫) 照明:四方あさお 衣裳:さくま晶子 音楽・音響:内田アダチ 宣伝美術:イラスト/伊藤ちづる デザイン/オフィスニーフェ 濱田邦彦・千寿 写真/清水ジロー
【発売日】2018/09/01
一般 前売2500円 当日3000円
U25 前売2000円 当日2500円 (4歳以上有料)
http://www.komaba-agora.com/play/6529
http://www.urinko.jp/schedule.html
https://stage.corich.jp/stage/96279
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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